拓也 怪我をする そして
プライベートで怪我をした拓也は病院に。 見舞いに来た和也の言葉もむなしく、拓也の中で生きる気力が出てこない。しかし、拓也はある少女の力を借りて、自分の過去の世界に興味を持つ。
あれから半年、季節は初冬に入っていた。
年間で一番忙しい夏から秋にかけてのギフトシーズンを、運転手の和也と助手の拓也は息のあったコンビネーションの力を発揮し、見事にそれを乗り切った。
事務所の人達からは二人が並ぶと双子に見えることから"ツイン"とも呼ばれることもあった。
和也と拓也は仕事以外では、仲の良い友達として遊ぶようになった。年が5才離れているが、実年齢よりも和也が若く見えるため、二人でショップなどに行くと、双子の中学生に間違えられることもあった。
この半年間、機会を見つけては、和也は拓也に将来を適当にしないように話をしたが、普段は素直な拓也も、将来などもうどうでもいい、という考えだけは捨てなかった。これに関しては、和也も少しばかりいらだっていた。
同じ職場で出会ってから、今までずっと仲の良かった和也と拓也の間に、今日初めて大きな亀裂が入ることとなった。
たまたま配達量が少ない日、二人は13時で仕事を終えた。その帰り道。
綺麗な青い空の下、カッターシャツの上に白いコートを羽織り、拓也は自転車で帰路を走っていた。
人通りも少なく、緑の木々が生い茂る道に入り、神社の前の道にさしかかった頃、拓也はは神社の前の階段にここらでは見かけない白いワンピースを着た7才位の少女が座っているのを見た。その時、拓也の心の中に何か懐かしい感じがわき上がってきたのを感じた。
「あれっ、なんでこんな気持ちになるんだろう・・・」まるで今まで探し求めていた家族にでも出会ったような気持ちだった。少女の方に目線をやっていると、その少女と目が合い、少女はニコッと笑い、幼く可愛い笑顔で拓也に手を振った。
「僕のこと知ってるの?」自転車を漕ぎながら、横目で拓也はその少女をずっと見ていた。
懐かしい・・・
しかし次の瞬間!
バキイイイイィィィ!!!
「うわああああっ!!」少女に気を取られてた余りに、拓也の自転車は道を外れ、道路脇の気で作られたフェンスに激突してしまった。自転車は跳ね返り道路に転がっていて、拓也は、
「ウウウッ・・・、ううっ、痛っ、」
全身を強くフェンスに打ち付けた拓也は自転車から飛ばされ道路脇の芝生の上に横たわっていた。
大けがはしていないものの、体中がもの凄く痛いため、また衝撃によるショックで動く事が出来なかった。
「あううっ・・・痛い、たっ、助けてっ」
拓也はしばらくして通りがかりのトラックの運転手に発見され、そのまま病院へと運ばれた。
夜5時頃、事態を知った和也は原付バイクで、拓也がいる病院に向かった。
「まったく、大丈夫かな。」命に別状はないということだが、全く動けないという話を聞いた和也は全速力で病院に向かった。
病院の駐輪場に到着すると、和也はさっさと鍵を掛け、駆け足で拓也のいる病室まで駆けつけた。
「!?あの人達は拓也の両親だ。」息を切らして病室に駆けつけると、拓也の家におじゃましたときに何度か見たことのある拓也の両親がいた。拓也は父親に似ていた。
「情けないやつだ、まったく! 自分の不注意で怪我をするなんて。」背の高い金髪の父親は、ベットで安静にしている拓也にむかって罵声を浴びせる様に言い放った。「あなた、拓也は怪我してるのよ、そんな事言ったら拓也が傷つくじゃない。」父親の横にいた綺麗な拓也の母親は、とても心配そうな顔をして、怒り心頭の父親を落ち着かせていた。
ベットの上では、超不機嫌な顔をして、頭に包帯を巻いた拓也が横になっていた。
二人とも、もう帰ってよ…
拓也は何も言わなかったが、その顔はこう言いたかったに違いなかった。
「こんばんは、拓也、君は大丈夫ですか?」仕事帰りの服装で、和也は少し息を切らしながら、拓也の両親に挨拶した。
「おおーっ、和也君、こんばんは!」和也を見るなり、拓也の父親の態度は一変した。拓也の父親は、自分の息子の教育を会社の上司にお任せする意味もこめて、一人息子の拓也を働かせていた。そのせいか、父親は和也に対して優遇する面がある。
「拓也、おにいちゃん、心配して来てくれたよ。」母親は優しい顔で拓也にそう言った。
「ああっ!? はぁ・・・」拓也は恥ずかしがっているのか、和也と目が合うなり、不機嫌そうに膨らんで、顔を反らし、窓の方へプイッと向いた。
「コラッ拓也、せっかくお兄ちゃん来てくれたのに、なんだそれは!」不機嫌な拓也の態度に父親は腹を立てて怒鳴った。
「兄弟なんてどこにもいないんだ。」横を向いたまま拓也はそう答えた。
「挨拶はしなさい! いつもいっているだろう。」拓也の父親はそう言いながら、拓也の顔を両手で無理矢理つかむと、和也の方にぐいっと向けた。
「んんん!!!」和也は反抗した。
「こらっ!!」父親はムキになった。すると母親が二人を止めに入った。
「あなた、いいじゃない、今日はそのままにしてあげましょ。」母親は父親の腕を引いて止めた。
「あの、あとは僕が話しをしますから、任せて下さい。」拓也の両親を止めるように
和也が割り行ってきた。拓也は和也をかばうようにそう言うと、両親を帰らせた。
拓也の両親を病室の外でしっかりと送り返すと、フゥと一息を付くと、和也は拓也のベットの横に置いてある椅子にまるで疲れたようにストンと座り、拓也とは目を合わさずに少しリラックスした。拓也は恥ずかしいのか、和也のいる方向とは反対の方に顔を向けていた。
リラックスが終了した和也は、改めて拓也を見て、頭の他に外傷がないか確かめた。拓也の腕の所々に、ガーゼが当ててあった。恐らく擦り傷なのだろう、拓也本人もそんなに痛がっていないようだった。そして、和也は和也の毛布をめくり上げると、足にもいくつかのガーゼが当ててあったが、包帯までは巻いていなかった。
「拓也、痛いか?」和也は顔を反らしている拓也に聞いた。
少し反抗的な拓也は、聞こえる大きさで溜息を吐くと、顔を嫌々横に振った。
「大丈夫なのか?」和也は更に聞いた。
「ハァーーーッ」拓也は先ほどよりも大きな溜息を吐いた。そして首を横に振った。
困ったな・・・ 和也は思った。
和也は思わず首をかしげた。
「パパとママはうるさかっただろ?」反抗的な態度の拓也にも、和也は落ち着きを保ち聞いた。
「はぁ、本当や。」の向きを正面に戻し、拓也は和也が病室に来てからやっと口を開いた。それを見て、和也はほっとした。和也は拓也との会話を何とか始めたかったので、拓也が口を開いてくれて、作戦成功だった。
それから不機嫌な拓也を刺激しないように、和也は事の成り行きを拓也から聞き出した。白い服の少女の話もした。その話を、和也は拓也を刺激しないように黙って聞いた。
「ところで、その女の子は拓也の事を知っていた感じだったの?」和也は拓也から聞いた不思議な少女の事が気になった。
「知らない、全く、知らない。」拓也は答えた。
「でも、拓也に手を振ったんだろ? おまけにスマイルも」和也は拓也に手を振りスマイルで聞いた。
「知らないんだ、見たこともなし、あの神社に遊びに来る子供も少ないはずなんだ。」運送会社でのバイト中、毎日神社の前の道を通り通っていたが、拓也がその女の子を見るのは初めてだった。
「そうか・・・」拓也の事故の一部始終を理解した和也は、座っていた椅子を少し後ろに傾け、窓に寄りかかり、しばらく間を置いた。軽い傷と打撲だけで助かった拓也は、あまり嬉しそうになかった。それを感じた拓也は、助かって良かった事について拓也に話しかけた。
「まぁ、何はともあれ、大きな怪我じゃなくて良かったじゃないか!」和也は聞いた。「あーあっ、助からない方が良かった・・・」和也の心配などなんのその、拓也は子供らしい暴言を吐いてしまった。和也はガクッと椅子から転げ落ちた。
「なっ、何を言っているんだよ! ヨイショ」椅子から落っこちた和也は拓也のベットに手を掛け立ち上がると、拓也の顔をしっかりと見て言った。
拓也はプイッと顔を反らした。
「いいか拓也、拓也の人生はこれからじゃないか! 死んじゃったらダメなんだ。」和也は今までの我慢を少し解きほぐした。拓也は昔から人生に対しての諦めを口にする事が多かったが、それを聞く度に和也はどんな時でも、優しく拓也を説得した。
「なぁ! 生きて良かったと思わなくちゃ、運が悪かったら全部おしまいなんだぜ!」和也は元気な声で励ました。
「生きていてもつまらないよ、学校に行ったって面白くないし、家にいたらパパがうるさいだけだ。」顔を反らしたまま、拓也はボソボソっと口にした。
「そんな事言うなよ、せっかく生まれてきたんじゃないか!」
「・・・・生まれたくて生まれたんじゃないよ」拓也は突っ張りに突っ張った。
子育てをしたことのない和也は、拓也のわがままに頭の中で爆発が起きた感じになった。
「もう・・・・、勝手にしろよ!」拓也の説得に諦めを感じた和也は、そう言うと、拓也の頭を運送会社の社長の様にグチャグチャすると、力が抜けた足取りで後ろ姿のまま手を振ると病室を後にした。
いかないで・・・、と、拓也は唇を噛みしめ、沸いてきた寂しさで泣きそうな自分を我慢させた。
両親もいってしまい、だけど、和也ならずっといてくれると思っていた拓也にとって、和也が愛想を切らして出ていってしまったのが、和也にはショックだった。
夜、病室内や廊下が暗くなった。和也が出ていった事でのショックが大きく、なかなか落ち着かない拓也は、四人部屋の病室をこっそり抜けだし、広い広い廊下を10メートル位、静かな廊下を歩いた。新築の病院のためか、一人で歩いていても、怖いとかそんな気持ちにはならなかった。『喫煙室』と書かれた人が10人はいれるような一室に、拓也は入り、さらにその喫煙室の壁の大きさの窓を開けると、広い広いベランダがあった。「出ても大丈夫なのかな…」拓也は鍵のあいている窓を開けると、外に出て、そこにある4人が座れる大きなベットに、「うっ、体が痛い…」と小声で言いながら、ちょこんと腰掛けた。ゆっくりと背もたれに寄りかかると、背中にピリッと痛みが走った。
一人になることに慣れているためか、やっと一息ついて落ち着くことが出来た。
強い風もなく、静かな夜の空間に拓也はとけ込んだ。しかし、コの字型の病院なので、向かい側にいくつもある同じベランダを見てみると、所々に蛍俗みたいな人達が何人かいたが、タバコの火の灯りしかまともに見れなかった。
「これならゆっくりできるや」拓也は目を閉じると、今日の気持ちの整理を始めた。和也が病室から出て行ってしまったことが、拓也にとっては大きなショックとなった。
「僕っていつもこうなんだ・・・」親に対しても、学校の友達に対しても、いつも素直になれないばかりに、傷つけてしまうことが多く、その度に、自分も傷ついてきた。そのため、拓也にとってこの人生はつまらないものという数式が出来上がっていた。
そしていつしか、『こんな人生なら、生まれてこなければよかった』と贅沢にも思うようになっていた。
学校に行かないのも、家にいて親と話さないのも、自身の人生に諦めが出てきたから。しかしバイトを初めて数ヶ月、そんな拓也の背中を押してくれていたのが、誰でもない、和也だった。
和也は、拓也が諦めの言葉を吐く度に、その言葉をプラスの言葉に替えて跳ね返してきた。拓也にとって和也は先輩である以上に、拓也の止まった人生の歯車を少しづつだけど動かそうとしてくれていた人。その和也が病室を抜け出してしまったことは、本当にショックだった。
いろいろな事が拓也の頭の中をグルグルと回った。しかし、考えれば考えるほど、頭の中は一杯になり、頭がいっぱいになるたびに、一度真っ白にして、体の力を抜く。拓也はそれを繰り返した。
30分くらいだろうか、風もない落ち着いた時間の中を、拓也はずっとそのベンチに座り、気持ちの整理を繰り返した。しかしながら、実際の所、何も変わらない現実に悲しくなってきた。今日の所は無事に切り抜けたけど、明日になったらまた両親が怒りに来るかもしれない、それに、拓也のわがままに愛想を尽かして出て行ってしまった和也が戻ってくるだろうか・・・
「はぁ・・・、僕の人生って誰かが決めたのかな、それとも、生まれてしまったのなら、もうこの人生を生きるしかないのかな。」拓也は一人呟いた。
13才にして、拓也の人生の行く末は真っ白だった。拓也は途方に暮れる自分自身を少し心配した。
そんな時だった、後ろの方から、足音が聞こえてきた。音と音の間隔が小さく、大人の足音ではないと分かった。その足音がこちら側に向かってきているのを拓也は感じると、少し怖くなった。「誰だろう?」拓也はベンチに身を乗り出すと、背もたれからそっと顔を出し、その足跡の主をその目で確認した。「あれっ、あの子は!!」聖母マリアの様な笑顔を超越した安堵の表情をその少女はしていた。白い服の少女は
女の子は拓也と目が合った。無言で拓也いるベンチに向かってきた少女は、まるで拓也と兄弟であるかのように、拓也に慣れているようだった。
「あれっ・・・!!」一瞬だが、拓也には少女が白く光り輝いているように見えた。
何かの光に反射しているのとは違う、まるで少女自身が発光しているかのようで、しかし、その輝きには、とても懐かしい気持ちを拓也は抱いた。まるで、神様のような、13才の少年の言葉で表現すると、本当にそんな感じだった。
少女は、拓也と少しだけ間をあけて、同じベンチにスッとすわった。背丈は拓也よりも小さかった。そして、拓也の顔を見て、ニッコリ笑顔で挨拶した。
いったいこの少女は何者なのだろうか・・・
「あの・・・、君は誰? 僕の事を知っているの?」拓也は思いきって話しかけた。なんだか、この少女にいつでもあえるわけじゃないと感じたから。
「私はシェリー、拓也お兄ちゃん、こんばんは。」まるで神様の様な神聖さを放ちながら、その少女は答えた。拓也の名前も知っているようだった。そしてとても綺麗な声だった。見た目は小学一年の少女から放たれるオーラは、まるで少女のものとは思えなかった。
「怪我は大丈夫?」少女はその後、心配そうな表情になると、拓也の頭の包帯や、頬や手足に当ててあるガーゼに目線をやりながらそう聞いてきた。
「えっ・・・!?」拓也は全身の痛みを探った。まだまだ全身を強く打った時の痛みが体中に残っていた。だから、激しく動いたりすると、多分もの凄くいたく感じてしまう。
「きっ、傷は大したこと無いけど、体中がまだ痛いんだ」拓也は足をピンと伸ばして痛いヶ所を確認しながらそう答えた。
「よかった、大きな怪我じゃなくて。ゴメンナサイ、お互い初めてのはずなのに手を振ったりして、私に気を取られて、拓也お兄ちゃんが怪我してしまって。」少女は悲しげな声で言った。
「あの、どうして僕の名前を知っているの?」少女の心配をよそに、拓也はなぜ少女が拓也の名前を知っているのかを聞いた。和也と拓也を間違えているようでもないようだった。少女は長い髪を手でとかした。
「それはもうすぐ分かるの。私がここに来たのは、拓也おにいちゃんに過去の出来事を知ってもらうために来たの。私の役目は拓也お兄ちゃんを過去世にいざなうこと。」少女とは思えぬ言葉遣いで少女は答えた。拓也には意味の分からない言葉をいくつも使って。
「まっ、まってよ、過去世にいざなうってどういうこと? 過去世って何? 僕とどういう関係があるの?」テンションが一気に高くなった拓也は大きな声で質問した、拓也の心の中で"僕の人生の謎が解ける"という期待がわき上がり、いても立ってもいられない気持ちになった!。
「拓也お兄ちゃんの今の人生は、全部拓也お兄ちゃん自身で選んだ人生なの。」少女は落ち着いた様子で答えた。
「選ぶって? 意味が分からないよ。」拓也は首をひねって考えた。
「簡単に説明するわ。私達人間は何万年も前から、生まれては死んで、それを繰り返しているの。拓也お兄ちゃんももうこれで100回近くは生まれ変わりを繰り返してきたの。そして今の拓也お兄ちゃんが100回目の人生だとすると、一つ前の、99回目の人生を終わるときに、次に新しく生まれるときには、こういう人生を歩む!って決めて今にいたっているの。」少女は地面に届かない足を動かしながら、少女離れした口調で言った。
「・・・・・」拓也は開いた口が塞がらずにいた。少女は続けた。
「だけどね、拓也お兄ちゃんの頭の中には、99回の人生の記憶が全部残されていて、これは人間誰でも残っているものなんだけど、思い出せないのが普通なの。拓也お兄ちゃんも、幼児期より昔の事は思い出せないでしょ?」少女は拓也と目を合わせた。
「・・・・うん」拓也は少女の方に体を傾けながら、首を縦に振った。
「拓也お兄ちゃんは今日、一つ前の99回目の人生を思い出すの。私が案内するわ。」
「・・・案内って、僕を連れて天使みたいにどこかに飛んでいくって事?」拓也のできの悪い頭はもう一杯になった。
「いいえ、思い出すだけでいいの。だって、全部拓也お兄ちゃんの記憶の中にあるのだから。」
「僕の記憶の中に・・・、一つ前の人生って、僕おじいちゃんになってたのかな?」拓也は自分の手をチラチラみて、今は綺麗な手がしわくちゃになっているのを想像した。
「フフッ、おじいちゃんは嫌い?」少女は少し笑った。
「嫌いじゃないけど、僕がおじいちゃんで、それで僕は畑仕事でもしてるのかな、そんなの思い出したくないな・・・。」拓也も笑った。拓也の冗談に少女は笑った。
「一つ前の人生を思い出すことで、拓也お兄ちゃんの持っている疑問全てが解けるから、心配しないで。拓也お兄ちゃんと、バイト先の和也さん、拓也お兄ちゃんのパパとママ、そして私、そして拓也お兄ちゃんの人生、全てが一つの糸で繋がるの。」
「和也さんを知っているの?君は・・・シェリーはもしかして神様なの?」拓也は少女が和也の事を知っているので驚いた。
「その疑問も、これから拓也お兄ちゃんには全部分かるの、私の役目は拓也お兄ちゃんに、100回目の人生の使命・テーマを拓也お兄ちゃん自身の記憶から思い出させること。」
「ねぇ、それってどうやるの?痛いの?」拓也は心配した。
「心配しなくても大丈夫、だって思い出すだけだもの。ここにずっといると風邪を引くから、お兄ちゃんが寝ていたベットでやりましょう。」少女はそう言うと、ベンチから立ち上がり、笑顔で拓也に手を差し伸べた。
「あっ、ありがとう。」拓也は少女のと手を重ね合うと、事故のせいで痛む体をゆっくりと動かした。
「もう大丈夫、一人で歩ける。」拓也は立ち上がると、少女を連れて元いた病室にこっそりと戻った。
<<これは、実際に起こった実話を、そのまま物語にしたものです。物語の中には、前世や過去世催眠という言葉が出てきますが、こちらも本当の事実です。実際に起きた事実の断片を一つの物語にしました、事実95%間接材5%です。>>




