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アウル兄弟教会へ

再び住むところと理解者を失ったアウル兄弟、しかし、生きることは諦めていなかった。新しい受け入れ先は高齢の夫婦が営む教会、双子のアウル兄弟にとって、教会で過ごすこれが人生最後のシナリオとなる。

 村はずれの教会は、土台が石、建物は木で造られていた、小さな教会、石で作られた巨大な教会ではなかっしかし、美しい自然の中に建てられている、安心を覚えるような教会だった。


 神主の名はドーソンさん、75歳、同じ歳のローズ婦人と、村の結婚式や葬儀、そして、長距離移動の旅人が立ち寄っては、旅人の疲れを癒している、75歳という年齢の為、足腰は弱くなり、腰を少し曲げないと立ってはいられないが、長い長い聖職者のローブは地面にまで端が落ちていた、歩くための杖は重要な必需品だった。


 教会の裏には、簡単な宿舎があった、部屋は2部屋だけ、豪華ではないけれど、旅人から頂く僅かなお布施でまかない、疲れを癒す為の簡単な酒も提供出来た。


 建物が古いため、探索すれば、秘密の部屋が一つ二つは見つかる感じがして、アウル兄弟達の好奇心は擽られるばかり、大きな教会ほどではないが、いくつも並べてある椅子は、アウル兄弟のかくれんぼとしても利用できるようだ。

 古い城の基礎が、教会周辺の地面から、所々にチラッと姿を現し、草木の陰でかくれてしまう。

 ここの教会を取り囲む敷地は、元々は、大きなお城の跡地、そのお城が存在していた年月は、10歳の少年には予測することが出来ない。


 ある日の夜方、ある事でドーソン神父に兄アウルが褒められた、

"僕だって出来るよ"と、弟アールも兄アウルの仕事を少しだけ横取りしようとしたら、1秒もせずに、弟アールの企みは、兄アウルに気づかれると、兄アウルは弟アールのお尻を軽く蹴った。

「ちぇっ」弟アールの活躍は残念ながら披露することはなかった、少しスネた弟アールは、教会裏の石段にストンと腰を下ろすと、横にいてニコニコとその光景を見ていたローズ婦人が弟アールの頭を宥めるようになでなですると、弟アールの表情は、にっこり。


"ちぇっ"兄アウルは、ドジながら愛される弟アールの見たくもない顔を見て、そう、思った。

「歳を重ねると、お風呂の水をバケツで持ち上げることが出来なくなってしまった、アウル君は若いのに力があるんだの、アウル君お陰でお風呂の準備が整う、ありがとう。」ドーソン神父は、水の入ったバケツを持つことは出来ないようだったが、火を起こすことを、手慣れた手つきで行ったが、やはり、シワくちゃな手だけは、75歳という年齢を感じる。

 「あなた達がいるお陰よ、本当に助かっているの」と、ローズ婦人は、ドーソン神父に負けないようにと、せっせと井戸から水を運ぶ兄アウルに目線を移動させながら、そう弟アールにつぶやいた。

"あれっ、そういえば・・・"弟アールはふと思った。

「ねぇ、ローズさん達に子供はいないの?」弟アールは訪ねた、ローズ婦人は上を見上げると、直ぐに思い出したようだった。

「そうねぇ、だいぶ前に、ここを出て、宿舎のお店番として、働いているはずね、女の子だったのよ、一人だけ、だけど、大きな歴史図書館がある小さな村のたった一つの宿舎よ。」ローズ婦人の声は優しい。

「男の子がいれば、この教会の後を継いでくれたかしら、あなた?」ローズ婦人は横に座っているドーソン神父の顔色を見た、ドーソン神父は、男の子が生まれなかったことが少し寂しそうにアールの目には映った。

「そうじゃのう、娘一人では教会はやっていけないのじゃろう、男の子は生まれなかったのじゃ、女の子が生まれたとき、その時は残念に思ったが、しかし、これも神様が我々に授けてくれた運命なのだと思ったのじゃ、私たちは、その子が宝物じゃった、元気に育ってくれた。」

「でも今は、あなた達が私たちの子よ、あなた達は私たちの宝物、私たちで、あなた達のママとパパの代わりが出来るように、私たちも頑張らなくちゃね、少し歳を取りすぎてはいるのだけれどね。」ニコニコ顔で、優しい表情のローズ婦人はそう話した。

"ママの顔かぁ・・・覚えていないなぁ"弟アールは兄アウルに訪ねた。

「兄ちゃんは、ママの顔は今でも覚えてるの、僕は知らない」最後の水の入ったバケツを返し終えると、

「アールのドジな顔と泣き顔だけは覚えてるよ。」兄アウルは少し皮肉った。

「兄ちゃん、最近野蛮なんだ」弟アールが婦人に対してそう言うと、

「まあっ、兄弟の仲が良いのね」と、ローズ婦人は笑った。


お風呂のお湯が温かくなると、ドーソン神父は、子供達が用意してくれたお湯がもったいないと言いだし、自身はかるく体に流した程度で、あとは、アウル兄弟達に譲ってくれた。

 アウル兄弟が久々のお風呂や、神父や婦人の優しさによって、愛が無くなり掛けていた心に、愛が一杯に詰め込まれていった。


 そして、アウル兄弟の兄アウルが感じた愛と幸福のエネルギーは、そのまま、現世を生きる拓也にそのまま伝わっていった、まるで、自分自身がそのまま、愛と幸福のエネルギーを感じたように。

<<これは、実際に起こった実話を、そのまま物語にしたものです。物語の中には、前世や過去世催眠という言葉が出てきますが、こちらも本当の事実です。実際に起きた事実の断片を一つの物語にしました、事実95%間接材5%です。>>


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