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拓也は中学三年生の引きこもり

<<これは、実際に起こった実話を、そのまま物語にしたものです。物語の中には、前世や過去世催眠という言葉が出てきますが、こちらも本当の事実です。実際に起きた事実の断片を一つの物語にしました、事実95%間接材5%です。>>


よろしくお願い致します。

奇跡の双子少年物語01

【中学一年の拓也は小中一環の学校に通っていた。しかし小学課程は卒業したものの、中学には一度も行ったことがない。】


 2007年 4月15 全国の中学校で入学式が終わり、小学校を卒業した学生は、新たに中学生として新しい学生生活を歩み始める。


 拓也は今年で13歳、祖父が農作業を行っていて、父親は内装業を自ら営んでいる静かな家に暮らしている。拓也は小中一環の学校に通っていて、その年の3月に小学校を同級生20名と一緒に卒業した。しかし、拓也は一人だけ中学校に行っていない。いじめられたからではない、行きづらい理由もない、ただ何となく寝ていたかった。

「学校に行って一体どうなるの・・・学校に行ってもつまらない・・・」自分のお父さんが学歴は関係ないといつも言っていたからも・・・、少しは影響している。本当のところは、無気力な所が根の性格かもしれないと思っていた。


 4月の中旬、中学の入学式があった日から約一週間が経過した。この日は朝から良い天気。拓也は朝9時になっても、ベットの上。窓からは暖かい朝日が入ってくる。学校には今日も行かない。とても静かな朝、いや、そうでもない。家の階段を上る足音が拓也の耳に入ってきた。その足音で分かる、母親が拓也の部屋にやってくる。登校拒否をしている拓也に、母親はそんなに厳しくない。

「拓也開けるよ」母はそっと扉を開けた。拓也はプイッと顔をそらした。登校拒否しようが、母親にとって拓也は可愛い息子に違いなかった。

「学校行かないの?」

「うん」拓也は顔を反らしたまま素直に答えた。母親はしばらくの間拓也の様子を伺ったが、何の変化もなかった。

「先生から電話あったよ・・・」母の言葉に、拓也は耳を貸さなかった。母はとても心配そうな顔をしていた。

「じゃあ、母さん仕事行くからね」決して怒らず、優しい言葉をかけると、母親はそっと扉を閉じた。

「・・・・つまんないなぁ・・・」窓から射す朝の日差しは、拓也の肌をポカポカと暖めた。

「ゲームでもしようっと!」拓也は起きあがると、ベットに座り、いつも通りゲームを始めた。好きな時間まで寝る、そして好きな時間に起きる、そして一人でゲームをする、これが最近の拓也の日課。誰にも縛られたくない・・・、自分の人生は自分で決める、10才を過ぎた頃から、そんな想いが常に拓也の頭の中にあった。小学校は卒業したが、なんとか卒業したような感じ。自分以外の誰かに生き方を指示されるのが嫌だった。


 その日の夜、拓也がベットで横になっていると、下の階から、お父さんとお母さんの話し声が小さく聞こえた。拓也の事について話していた。

 

「お父さんも、拓也に何か言ってあげてよ、拓也は今日も学校に行かなかったのよ。」母は夫に相談を持ちかけた。父親は仕事から帰ったばかりで、一日の疲れを癒すため、毎日楽しみにしている酎ハイを飲みながら返答した。

「・・・その事についてだけど、俺は拓也に働けば良いと思っている。」父親の声は酔っていない時よりも大きかった。

「それじゃあ学校はどうなるのよ? 中学を卒業しないと高校にいけないじゃない!?」

「それは当然必要だが、バイトとして働くことで、バイト先で周囲の人たちから沢山アドバイスをもらうことが出来る。それに、中学は行かなくても卒業出来る。俺だって中学の頃は不良だったが、今はこうして沢山の部下を連れて、一応上司としてやっている。」父親の話に熱が入った。

「うーーーーん、拓也、人見知りするから、上手くやっていけるかどうか・・・」母親は両手で顔を支えた。

「私、拓也と性格が全然似ていないから、あの子の考えている事ってよく分からないわ。」母親の顔が更に困った顔になった。

「おう、拓也は俺に似たんだ、おまえじゃなく俺にな。」父親は二杯目の酎ハイに手をかけた。

「拓也も不良になるのかしら。」母親は頭の中で面白そうな想像を思い描いてた。

「不良もいい経験だぜ! おまえにゃ分からないんだ!」父親は赤くなってきた。

「もー、拓也大丈夫かしら。」

「心配しなくても、宅配業者のバイトっていうのは、助手席で座っているだけでいいんだから、拓也でも出来るだろ、それに、いい上司に出会えたらそこで良い学びがあるもんだ。ゲームのお金を稼ぐためなら拓也も一生懸命やるだろう。」父親は下目の母親の顔をしっかりと見て軽い熱弁をした。

「一生懸命って言っても座ってるだけだけど(笑)」母親は笑った。


 二階にいる拓也に、二人の話し声がゴモゴモと聞こえた。何を言っているかは分からなかったが、話の中に"拓也"が入っている事だけは確かだと思えた。

「・・・・明日から無理矢理学校に行かされるのかな・・・」拓也の顔が膨らんだ。


 (学校に行っても友達いないからなぁ)


 拓也の顔は寂しそうな顔をした。

 小学校では、拓也は別に嫌われているキャラではなかった。口数は少ないが、誰を毛嫌いするでもなく、誰とでも接することが出来た。拓也を親友だと思ってくれる友達も数人いたが、拓也の心のどこかに、寂しさの隙間が存在した。この寂しさがどうして湧いてくるのか、拓也自身にも分からなかった。

 少しだけ、昔を思い出し、拓也は眠りについた。次の朝、まさかバイトの話が出るとは知るよしもなかった。



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