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十話

動かない。お嬢様がさっきからまったく動かない。

催眠をかけられた者は催眠者の命令があるまで何も出来ずにじっとしている。

そう、まさに今のお嬢様に当てはまる。


「ナイトは言ったよな?ルイに何かをすればテメェの命はねぇと」

「ふふふ。貴方達にこのあたしが倒せるとは思えないわ」


ディは構えて私と華僑は剣(刀)を抜いた。

そして、コリュは声を上げて笑った。


「あはははははは!ルイにはちょっとした簡単な命令を出したわ!大丈夫、貴方達は殺されないわよ。じゃあね!」


ヒュンと消えた。

テレポート!?時空の彼方に行ったのかそれとも運良く普通に着地したのか……。

まぁいい。それよりもお嬢様が気がかりです。

何の命令を出されたんでしょうか。


「おい、ルイ!大丈夫か?何を命令された……?」


華僑がお嬢様の肩を掴んで聞いた。と、お嬢様はドアに向かって歩き出した。

ディが止めようとするがそれを振りほどいて進んで行く。

三人で止めればさすがにお嬢様が負けるが、このままにする訳にはいかない。

と、ディが離れてピィーー!と何処に持っていたのか笛を鳴らした。


「これで明日か明後日にはサラとアーマが来る。多分何とかなる筈だ」


そういってお嬢様の、恐らく魔石がある所を思いっきり殴った。

お嬢様はそのまま気絶した。少々荒いですが仕方が無いですね。


……そういえば私たちが出発する前にディがアーマに何かを頼んでいましたね。

それが、ディが合図したらそこに来いという事ですか。悪魔系の特長をしっかりと掴んだ作戦ですね。

悪魔系には他のものとは違う特徴がある。悪魔系が持っているある魔法を発動して、その間に何かの音を誰かが出す。すると、どんなに遠くてもその音を出せば聞える。

そういえば昔にもディとアーマは使っていましたね。だからあの時何もしなくても良かったのですか。


とにかく、お嬢様がまた目覚めて何処かに行かないようにまた順番で見張りをした。

そして、長い夜が明けた頃、アーマとサラがやってきた。

さすがに空を飛べるとあの距離もあっという間ですか。私達の苦労は一体……。


「どうしたの?ディ。僕らの仕事は?」

「ルイが催眠をかけられた。解けるか?あと、ウィットって知っているか?」

「ウィット?私、知っているよ。確か、国名は忘れたけどその国を治めている組織がウィット。んで、その国は魔法が凄い発達しているのよ」


サラが説明している間にアーマがお嬢様をじっくりと見ている。

恐らくお嬢様にかけられた催眠を見ているのだろう。と、アーマがため息をついた。


「この催眠は悪魔系じゃ無理だよ。天使系か強力な魔法系じゃないとダメ」


アーマが少し悲しそうな顔をした。

催眠や洗脳には誰が使っても解く方法が分かれる。

1、どんな魔法でも解ける。

2、天使、悪魔系しか解けない。

3、天使、悪魔系のどちらかしか解けない。

4、魔法系のみ解ける。

ちなみに、魔法系で強力な力の持ち主だったら全て解ける。


「うーん……」

「ルイ!?大丈夫?」

「おい、押さえろ。どっかに行くぞ。そいつは」

「へ?」


アーマがディの言うとおりにお嬢様を押さえたが、お嬢様は魔法を発動してアーマを退かした。

回復が早い……!洗脳とともにコリュの魔力もお嬢様の中に入れたのか……?


「え、ちょ、呪縛じゅばく!」


サラがとっさに魔法を発動するものの、お嬢様には無意味だった。

続けて私や華僑、アーマも止めに入るが全て魔法で跳ね返され、お嬢様はそのまま何処かに行った。

私達全員は唖然として動けなかった。と、ディが床を叩いた。


「あの方向は時空のヒビの方向だ…!多分ルイを使って異世界に……!ちきしょう。ルイの魔力じゃ今から俺達が行っても間に合わなねぇ。第一、ヒビを直すためにルイを連れて来たってのによ……!」


もう、無理だ。終わりだ。遊び感覚で行ったのがいけなかったのか。

コリュの目的はお嬢様に催眠をかけることだったのか……!

これからお嬢様が居ないまま進むしかないのか……!?

第一章、完結―――


これからディ達はどうなるのか。そして、ルイの運命は……?

第二章をお楽しみに

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