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7.再会

 入ってきたのは黒髪ロングの清楚系の高校生くらいの子だ。

 顔立ちは整っていて可愛い系が強いが本人のクールなオーラもあり美人要素もある。

 そのへんのアイドルや女優よりも顔が良い。


 正直こんな美少女は見たことがないし推しってこともありすごく緊張している。


 緊張のあまり着席を促すのを忘れていた。

 どれくらい待たせていたのか分からないが困った顔をしていた。


「ど、どうぞお掛けください」

「失礼します」

「・・・・・・」


(やばい、何か話さないといけないのに頭が真っ白で言葉が出てこない。履歴書を見てすぐに質問を考えよう。)


 彼女の本名は小鳥遊(たかなし)凪咲(なぎさ)だ。


「とりあえず志望動機を教えてもらってもいいですか?」

「はい、志望動機は声を使ってマルチに仕事をしたいと思ったからです。Vtuberだと素顔が分からないのでトーク力や声、歌などの部分で評価されると思います。私は自慢ではないですが見た目が可愛いせいで人から評価される時によく[顔も可愛くて声まで良い]や[顔も可愛くて運動もできて勉強もできる]など顔の評価のついでに私の努力を評価されるってことが多々ありました。なので見た目なしの私の努力だけを評価してくれるVtuberという仕事に魅力を感じてこの事務所を受けに来ました。」


  まさかの理由に驚いた。


 確かに未来では彼女はとにかく歌やダンスに力を入れて活動をしていた。

 その努力を評価されて登録者200万人というところまで登り詰めたのだ。

 顔が良いがゆえに自分の努力が正当に評価されるVtuberになったのだと初めて知った。


(もしかして彼女が卒業したことと関係があるかもな)


 実はVプロは会社をさらに大きくしようと途中から方針を変えて見た目が良くて、声も良い人の顔出し配信をやらせるようになったのだ。


 もちろん会社と配信者がお互いに合意の上でだ。

 それはVtuberとしてどうなのっていう意見もあったが配信者の見た目人気もあり会社の目論見通り顔出ししたVtuberは数字が伸びたのだ。

 これだけ凪咲の見た目が良いのだから数字が伸びるのは確実だから会社から頼まれていたのかもしれない。

 そして方針が合わなくなって卒業してしまったのかもしれない。


 本当のことは今になっては確かめようがないので分からないがほぼ合っているだろう。


 その後も何個か質問をした。


「最後の質問です。もし受かったら何を目標に活動しますか?」

「もし受かることが出来たら私は歌を一番に頑張り、歌で評価してもらいゆくゆくはソロライブが出来るくらいになりたいです」


 この質問をしてよかった。


 なぜならVプロでデビューしたときの目標と今の目標が同じだからだ。

 どの世界線でも彼女の進みたい道が同じだと安心した。


「最後に質問はありますか?」


 彼女は顔を俯かせたがすぐ顔を上げて質問をしてきた。


「どうしたら京凛さんみたいに新しいことに怖がらずに挑戦できますか?」


 予想もしてなかった質問だ。


 確かに今の世界線では16歳なのに配信者をやっていて動画や配信の内容も今まであまり見ることのなかったような企画内容が多い。

 それにこの歳で起業しそれもまだ世間に馴染みのないVtuberという職業の会社だ。

 だがこれは未来で人気になることを知っているから失敗するなんて思ってないから出来ることだ。

 だからこれは俺にとっては新しいことに挑戦してきたのではなく先人の人の知恵を借りているだけなのだ。


(なんて答えたらいいかわからねぇ〜

実は人生2周目で未来のことをしているから新しいことに怖がらずに挑戦できるんです。なんて答えたらこいつ頭大丈夫か?って思われるだけだよな〜)


 少し考えて出した答えは


「死ぬことはないので新しいことに挑戦しないともったいないじゃないですか?だからなるべく思いついたら行動に移すようにしているんです。今まで運良くいい方向に進みましたが(笑)」


(当たり障りのない回答をできたんじゃないかな?)


「ありがとうございます」


 たぶんよかったのだろう。

 なぜか満足そうな顔をしている。


「これで面接は終了したいと思います」

「本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただきありかどうございました」

「失礼しました」


 そして彼女は部屋を出ていった。


「はぁーー、緊張したーー!」


 机に突っ伏す。


「まさか推しが来るとは思わなかったしリアルでも可愛いすぎるだろ!」


 面接中に思っていたことを吐き出してしまった。


「にしても凛音がVtuberになった理由をここで知れるとは」


 知らなかったわけではない。

 ただ表向きに言っていたことはみんなに私の歌を届けたいという理由だった。


「もしここで彼女を不合格にしたらVプロを受けに行くだろう。そしたらまた卒業してしまう。それならここで彼女の未来を変えてしまおう。」


 たが運命を変えるってことは本来、Vプロに入ることによって関わる人たちとの縁を切ることになる。


 そのことも分かった上で彼女を合格させ、最終目標のソロライブで全国ツアーと日本一のVtuberという夢を叶えるために支援してこうと強く思った。


「あとは最後の1人を決めれば終わりだな。まだ気を抜けないな」


 明日の面接者たちの中にラスト1人に相応しい人がいればいいなと思うのだった。


明日は1日、予定があるので話が上がるか分かりません。

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