28.久しぶりの現場
応募者の履歴書の確認やマネージャーたちとの顔合わせが終わって2週間が経った。
佐藤さんがNoxlunarisのマネージャーをやれているかや久しぶりにみんなの仕事をぶりを見たくなりスタジオに来ている。
「お疲れ様、久しぶりに顔出しに来たよ」
【お疲れ様です!】
「今って休憩中?」
「そうですよ」
来たタイミングが良かったようで休憩中だった。
「じゃあ丁度良かった。差し入れ持ってきたからこれ食べていいよ」
「ありがとうございます!」
俺はデパートで買ってきたお菓子を琴莉に渡した。
「やった今回はお菓子だ〜如月さんは来てくれるたびに差し入れ持ってきてくれるから好き〜」
「それね!最近来てくれてなかったから休憩中がなんか寂しかったんだよね」
「甘いもの食べないとやる気がなくなっちゃうもんね」
「あはは、そう言ってくれて嬉しいな」
「あたし、みんなの分のお茶淹れてくるね」
「もうみんなってばもう少し遠慮しなさいよ」
いつも通り仲良くいるようで微笑ましい。
とりあえず今日ここに来た目的を果たしていこう。
まずは佐藤さんに聞いてみるか。
「佐藤さん、仕事で困ったことないですか?」
「今の所は特にないですね。みんな元々、自分でやっていたことを私がフォローしている感じなので私が分からなくなったらみんなが教えてくれるので今は困ってないですね。」
みんな、佐藤さんに気遣ってくれているのだろう。
「それなら良かったです。マネージャーを入れるのが初めてだったのでどうかなって思っていたんですけど心配いらなかったみたいですね。」
「心配してくださりありがとうございます。皆さんのお陰でなんとかなってます。」
(これはみんなにお礼でご飯に連れて行かないといけないな)
次にみんなに聞いてみる。
「みんなは最近、特に困ったこととかない?」
「うーん、特にないかな〜」
「最近は仕事も忙しくないから休みもきちんと取れているしな〜」
「なんなら歌の収録もほとんど撮り終わったから仕事ないよね」
「やることないから配信の枠を増やしちゃってるな」
「強いて言えばもうちょっと仕事が欲しいですね」
仕事がなくて暇なことが困ったことらしい。もっと仕事をしててこの部分がなになにで〜困ってますとか聞きたかったんだけど斜め上の返答が返ってきた。
「それはすみません」
「いや、如月さんを責めている訳じゃないんです」
「そうですよ!めちゃくちゃ忙しい日々が続くよりは暇な時があってもいいんですから」
フォローされると余計に情けなくなりそうだ。
そういえばまだみんなに伝えてなかった事があったので伝える事にした。
「あ、でも伝え忘れてたけどまた忙しくなりそうだよ」
「何かあるんですか?」
「実はこの前、Vプロの社長さんと会ったんだけど」
【え!?】
話している最中だったがみんなが驚いたせいで話が途切れてしまった。
「うん、会ったんだけどVプロとやりたい企画があって話してきたんだよ」
「Vプロさんと企画ですか?」
「うん、実はswearとVプロが主催のVtuberのイベントをやりたいですって感じで話したんだけどなんとオッケーをもらって2月か3月くらいにやる予定なんだよ」
開催の予定は先週くらいに決まったからまだ話せてなかった。
「凄いじゃないですか!あのVプロと一緒に仕事ができるなんて」
「かなり大きいイベントになりそうですよね」
「結構、大きいよ。ゲストも呼ぶしそれにNoxlunarisには初の3Dライブをやってもらうから」
【3Dライブ(ですか)!?】
またもやハモってびっくりしている。まぁまだこの時代は3D配信を気軽に出来る環境もないしましてや3Dライブなんてやろうと思うと4桁万円行くかもくらいのお金がかかる。
「そう3Dライブ。だからこのイベントに向けてダンスレッスンの頻度を増やすね」
「やっと歌って踊る姿をみんなに見せれるんだね」
「やる気が出てきた!」
「しかも初めてのライブですね」
「ホントじゃん!」
「初ライブをイベントで出来るなんて如月さんありがとうございます!」
流石にswearとVプロが主催でイベントをやるのにこれくらいの事は出来るようにしないと派手さがないから意地でもやりたかった。
「たださっきも言った通りVプロと一緒に主催でやるから3Dライブは40分くらいを想定しといてほしいかな。まだ細かいことが決まってないからもしかしたらもうちょっと短いかも」
「40分出来たらMCを入れても最低6曲は歌えますよ」
「そうそう。出来ることに意味があるんですから」
「そう言ってもらえると助かるよ」
みんなのためにもなるべく時間は確保してあげないといけない。
「あとイベントまでにVプロの子と少しでも仲良くなって欲しいからどっかでコラボの予定を組むからよろしく」
「Vプロの子と仲良く出来るか心配です」
「凪ちゃん人見知りだもんね」
凛音は前世でVプロのメンバーから可愛がって貰っていたから仲良くなる素質はあるだろう。
「Vプロ所属の子ってだけで緊張しちゃうな」
「瑠奈が人付き合いで緊張するなんて珍しいね」
俺はVプロを箱で推していたから話す機会が出来るとなると緊張して喋れないかもしれないから瑠奈の気持ちは分かる。
「あたし九尾ちゃんのファンだから仲良くしたいな〜」
涼葉が言った九尾ちゃんとはVプロ2期生の九尾コンのことである。
九尾狐をモチーフにした和風の着物を着た子だ。
「コンちゃんが好きなんだ。いいよねー」
「如月さんも好きなんですか?」
「好きだね。まず声とアバターが可愛いでしょ。そして雑談配信を多めにしてくれるから作業しながら見れるからデスクワークの時にお世話になっているしゲーム配信も決して上手いとは言えないけどクリアするまで諦めずに頑張っている姿を」
「如月さんストップ!ストップだよ!」
(おっと熱く語っていたせいでストップが入ってしまったぜ)
「如月さんって好きな事を語っている時が1番いきいきしているなぁ〜」
「もしかして私たちの配信より見てたりしないですか?」
「そ、そんな事ないよ〜」
実際はswearとVプロ半々くらいで見ていると思う。
「浮気だよね〜」
「みんなの配信もきちんと見てるよ」
凛音の配信に関して言えば全部見ているから嘘は言ってない。
このままこの話を続けると危ない気がしてきたので話を変える事にした。
「こほん、まぁそんな感じでイベントに向けて新曲とかも考えているからやる事は増えると思うよ」
「話を変えたね」
「また問い詰めないとですね」
凛音の配信が1番見ているのに見てないと思われている。凛音が怖いよ。
「そう聞くと忙しくなりそうですね」
「そうだね。今の暇さが恋しくなりそう」
「でも楽しい事が待っているから頑張れるね」
忙しくなるがみんなの仕事へのモチベーションは上がっただろう。
「忙しくなったら行けないかもだし今日、仕事終わりに僕の奢りでご飯に行く?」
「行きます!」
「行きたーい」
「店探しますね!」
「私も探す〜」
「食べたい物はみんなで決めてくれ」
結局、前回とは店が違うが焼肉になった。みんな肉好きすぎだな。だがみんなで回らない寿司屋とか行って静かになるよりかは焼肉の方がわいわい出来るからそっちの方がいいだろう。
楽しく食事中をしていたが休憩の時の話に戻り凛音が拗ねてしまったので凛音のアカウントに飛び再生履歴を見せた事で機嫌が良くなりこの話は終わった。




