26.Vプロの代表取締役
今、俺はある所に用事があり向かっている。
俺は目的地のビルに着き建物の中に入った。
受付に行き用件を伝えたら担当者を呼ぶので少々お待ちくださいと言われたので待つことにした。
待つこと5分くらい、男性の方がこちらに来た。
「お待たせしてしまい申し訳ありません」
「いえいえ。本日はよろしくお願いします。」
「こちらこそよろしくお願いします。それでは会議室に案内しますね。」
会議室に案内され入ると40代の男性が座っていた。
「失礼します。初めまして、私はswear代表取締役の如月玲央といいます。本日はお時間を作っていただきありがとうございます。よろしくお願いします。」
「ご足労ありがとう。僕はVtuber project代表取締役の大菅秀俊だ。今日はよろしく頼む」
そう今日はVプロの社長に用事があり事務所に来ているのだ。
「そこに座ってくれ」
「はい、失礼します」
俺は椅子に座った。
Vプロの社長の顔は前世から知っていたが知らずに会っていたらヤクザと間違ってしまう程、体格がゴツく顔が怖い。
「今日はどういう話があって来たんだい?」
「実は御社とやりたい企画がありまして本日はお伺いしました」
「ほぉ、それはなんだい?」
「私の会社と御社が主催でVtuberのイベントをやりたいと思っています」
用事とはswearとVプロが主催となってイベントをやりたいという話だ。
俺の企画を聞いた瞬間、大菅さんは興味深そうな顔になった。
「具体的にはどういうことをするんだい?」
「こちらの紙をご覧下さい」
俺はイベントでやりたい企画などを書いた紙を渡した。
紙を見てもらいながらの方が分かりやすいと思い作ってきたのだ。
「具体的には個人勢のVtuberや他の企業のVtuberをゲストでお呼びしてトークや展示、ライブなどができればと思います。あと仮にこのイベントを実施して成功したら毎年か2年に1回の恒例イベントに出来たらと思います。」
「なるほど。これは僕たちと一緒にやる意味はあるのかね?やるなら君の会社だけが主催でやればいいと思うが君はどう思う?」
これは俺がVtuberを世間に広めたいという目標を叶えるきっかけの1つになるからVプロの力を借りたいのだ。
だがこの反応が返ってくるという事は返答次第ではいい返事は貰えないだろう。
それにしてもあの顔に凄まれるとまじで恐怖で話が出来なくなるからやめて欲しい。
「はい、あります。私の会社と御社は今、Vtuber事務所の中では2大巨頭になっています。そんな私たちが手を取ることによって他の事務所も呼びやすいと思いますしVtuber業界の宣伝にもなると思います。」
「そうか」
この反応を見るにだめそうだ。だが諦めるわけにはいかないからもっと説得できる内容を考えないといけないと思っていたのだが。
「ははは!いいじゃないか!」
「!?」
「試すような真似をしてすまんな」
(あの圧迫感ある質問とか全て演技だったのか?普通に心臓に悪いわ)
「本当は初めから君の持って来た企画はなんでも受けようと思っていたんだ」
「それはなぜでしょうか?」
「実はな、僕は君のファンでね。京凛で活動していた時から見ていたんだよ。」
「ありがとうございます」
大菅さんが京凛のファンという事実を打ち明けてくれた。
(まさか俺のファンだったとは意外だな)
「君の企画力や動画、スキルそれに今も事務所の代表と配信活動を両立していることに感心している。そんな君はVtuberという業界に新しい風を吹かせた。僕がやろうしたことを先に先陣を切ってやってくれたんだ。そんな君を僕は尊敬している。」
(前世の時に日本で1番のVtuber事務所を作り上げたこの人にここまで評価して貰えるなんて嬉しすぎるだろ)
「だからもし君が僕に何か提案やお願いをしてきたら聞こうと思っていたんだ」
「そうなんですね。大菅さんにそこまで評価してもらえるなんて光栄です。」
「本当のことを言っているだけさ。それにファンとか関係無しにしてもこの企画は僕にもメリットがあるからやらせてもらうよ」
俺のファンとか関係無しに企画内容で賛同を得れたことは一緒に仕事する上で大きい。
「ありがとうございます」
「このイベントの話はうちの企画部と話し合って決めてくれ」
「分かりました。あともう1つ企画とは関係ないのですがお願いしてもよろしいでしょうか?」
「なんだい?出来る範囲ならいいよ」
「これから事務所間で仲良くしていきたいのでコラボに誘ったりしてもよろしいでしょうか?」
これをお願いしたのは違う事務所の子とコラボすることによって箱で見ている人に知ってもらえる機会が増えるためである。
実際、俺も前世でVプロしか見ていなかったが凛音が琴莉とよくコラボをしたりユニットを組んでいたから知って個人の配信まで見るようになったのだ。
このようにお互いに視聴者を増やすチャンスになるのでお願いをしたいのだ。
「僕の事務所の子がコラボを了承したらいくらでも誘ってくれて構わないよ。だが断られたら諦めて欲しい。」
大菅さんは今回のイベントの企画やコラボの話で俺の意図していることには気づいているだろう。
「それは勿論です。ありがとうございます。」
なんとか企画に賛同してもらたりコラボの許可も貰えた。
Vプロと関係を持てるのはこれからVtuber業界を生きて行く上で必要だったので今回の会議は成功と言えるだろう。
それから俺たちは少し雑談をして有意義な時間を過ごした。
「本日はお時間をいただきありがとうございました。」
「こちらこそいい話が出来たよ。また何かしたい時は連絡をくれたら時間を空けるよ」
「はい。そのときはよろしくお願いします!」
俺はVプロの事務所を後にして自分の事務所に帰って来た。
「はぁーなんとか終わった!」
「お疲れ様です」
声をかけて来たのは相澤さんだ。
「お疲れ〜」
「今日ってVプロの社長さんと会議だったんですよね?どうでした?」
「すげぇー緊張したし怖かったわ」
「そうなんですか?確かにVプロの社長さんと話すのは緊張すると思うんですけど怖かったんですか?」
「うん。会えばわかる」
Vプロの社長はまだ顔出しをしてないから相澤さんはあの怖さを知らないのだ。
「会議の方は成功だったよ」
「おー良かったじゃないですか!」
「企画も通ったしコラボ許可も貰えたよ」
「流石ですね!」
「ありがとう」
「正直、心配してたんです。如月さんってしっかりしてるんですけど若いので舐められるんじゃないかって」
(相澤さんの言うとおりたぶん大菅さんじゃなかったら舐められていたかもしれないな)
「そんなことはなかったよ。それにVプロの社長は僕のファンだったからよくしてくれたよ」
「本当ですか!?そんなことってあるんですね」
「僕もビックリしたよ」
やっぱり誰でも驚くだろう。俺ですら聞いた時驚いた。
「そうそう須藤さんから伝言を預かっていたんですよ」
須藤さんとはこの事務の仕事のまとめ役だ。普通の会社でいう管理職の立場だ。
「新しい事務の子やマネージャーが決まったから細かいことを話したいから予定を空けてくださいとのことです」
「了解。近い内に予定を空けるからよろしくって伝えといて」
「分かりました」
やっと事務の人数も増えるから少しは楽になる。イベントもやることが決まったので忙しくなるのでいいタイミングだ。
マネージャーも決まったのでどんな人が来るか楽しみだ。




