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18.日頃のお礼

 まさか琴莉にバレるとは思わなかったが彼女は周りには黙ってくれるようだ。

 本来なら俺と凛音の関係は社長と事務所のメンバーでそれ以上でもそれ以下でもいけないのだ。

 

 恋愛感情なんてもってのほかだし凛音だって俺のことを事務所の社長だから仲良くしておこうくらいにしか思ってないだろう。


 だが凛音からこの前の看病のお礼をしたいから予定がいつ空いているか聞かれた。

 いつもはご飯にだけ行って終わりだったが今回は1日、付き合って欲しいらしい。


 正直、男なので心の中では恋愛はだめとか思っていても美少女に何回も誘われると勘違いしそうになる。

 仮に好きになったとしても表には出さないようにしないといけない。

 



 美礼ちゃんに言われましたがやっぱり私は如月さんのことが好きみたいです。

 恋をしたことが今までなかったので人に言われないと確信を持てなかったですが今は明確に分かります。


 実は風邪で彼に倒れ込んだとき少し意識がありました。

 そのとき彼にお姫様抱っこされた時はドキドキしちゃいました。

 それに彼といるとまだ一緒に居たいと思ったり彼の言葉で一喜一憂もします。仕事の面では憧れもあり尊敬できる人です。

 

 男性の人相手にこんな気持ちになったのは初めてです。

 これからの人生で彼以上にいい男性に会えるとは思えません。

 

 だからこれからは本気で彼を落としに行こうと思います。

 まずは看病のお礼という体でデートに誘います。


 向こうにその気がなくてもこんな可愛い子にアタックされたら好きになってくれるかもしれないです。

 これから遠慮なく行きたいと思います。覚悟してくださいね、如月さん。





 2月に入りコンビニやスーパーなどに行くとバレンタインのチョココーナーをよく見る時期になった。


 今日はNoxlunarisのメンバー全員で収録の日だ。

 今はみんなで休憩をしている。


「そういえば来週、バレンタインだけどみんな誰かにあげるの?」


 琴莉がみんなに話題を振った。


「うーん、久しぶりにみんなにあげるようで手作りチョコを作ろうかな」

「やった!涼ちゃんの料理美味しいから期待しちゃう」

「そうですね、私も食べたいです」

「私も!」

「僕も楽しみだな」

「そんだけ期待されちゃったら本気出すしかないね」

「わーい」


 涼葉はチョコを作るのが確定した。


「私は如月さんに上げる予定です」

「え!ほんとに!?」


 凛音のあげる人を聞いて瑠奈がびっくりしている。


「それはちょっと意外だなぁ」

「そうですか?この前、看病もしてもらったのでお礼を渡すのは普通じゃないですか?」

「あー確かに」


(凪咲ちゃんは建前で言ってるけど本当は好きだからチョコをあげるんだろうなぁ可愛いな!)


「私たちも普段、お世話になってるし如月さんにチョコあげる?」

「それいいね!こういう時にしかお礼が言えないもんね」

「おっけー」 

 

 どういうチョコをあげるかみんなで話した。


「そういえば如月さんってあまりプライベートのこと話さないよね」


 涼葉がみんなに話題を振った。


「そうやね、私たちが休憩しているときも仕事の段取りなどをしていてそもそも会話に混ざらないから業務のことしか話さないよね」

「本当に私たちより年下か怪しくなるくらいストイックに仕事するもんね」

「一緒に混ざって休憩すればいいのにな〜」

「私たちのためにやってくれているのは嬉しいですけどね」


 みんな如月さんは働きすぎだと思っているようだ。


「今度、如月さんも誘ってみんなでご飯でも行こうよ」

「でも女5人の中に男1人って気まずくならない?」

「いやいや可愛い女の子に囲まれて食事ってハーレム感あって嬉しいんじゃない?」

「そんなこと思うタイプの人じゃないでしょ」

「普段は真面目だけど実はそういうこと思ってるかもよ」

「如月さんに限ってそんなことないでしょー」


 冗談を言いながら休憩が終わるまで女子トークが続いた。


 その後、収録の続きをやり終わったあとは解散になった。



 

 バレンタイン当日、みんな仕事が終わり事務所に集まっていた。


「みなさん事務所に集まってどうしたのですか?」

 

 珍しく事務所に居たので俺は不思議に思いみんなに聞いてみた。


「如月さん、今日は何の日だとおもいます?」

「普通に平日じゃないですか?」

「違いますよ!今日はバレンタインですよ」

「あーそんな日もありましたね」


 バレンタインにチョコを貰うことがなかったから忘れていた。


「っという事で日頃からお世話になっているのでチョコを渡しに来ました!」

「本当ですか?ありがとうございます」

「まず私からはこれです。実は私、意外にお菓子作れるんです」


 琴莉からはカップにチョコが入っていてデコレーションしている手作りチョコだ。


「意外じゃないですよ。ありがとうございます。」


 琴莉がお菓子とかを作れるのは前世のときから知っているのだ。


「じゃあ次、私で」


 瑠奈が渡してきたのは市販のデパートとかで売っているやつだ。


「ありがとうございます」

「じゃあ次、僕で」


 翠が渡してきたのも市販のものだ。


「ありがとうございます」


 市販の物でも貰えるだけで嬉しいものだ。


「じゃあ次、行きます」


 涼葉が渡してきたのは手作りのチョコレートケーキだ。


「やっぱり料理上手ですね。ありがとうございます」

「最後に私から」


 凛音はチョコレート専門店の予約が殺到してて入手しづらいチョコだった。


「これって有名店のやつですよね?これもらって良いんですか?」

「もちろんです」

「うわー凪咲ちゃんそれよく買えたね」

「凪ちゃんそれあたしがもらっていい?」

「だめに決まっているでしょ。それにみんなの分でもう1箱あるからあとで食べましょう」

「本当に!ありがとう!」

「やった!これ食べてみたかったんだよね」


 みんな凛音が買ってきたチョコで喜んでいるみたいだ。


「みなさんありがとうございます。いただきますね」

「私たちこそ普段から仕事で助けてもらっているのでありがとうございます」

「いえいえ、僕がやりたくてやっていることなので」


 この事務所を大きくしてみんなが楽しく仕事が出来たらそれでいいのだ。


「あともうちょっとで1年経つので私たちにはもっとフランクに話して良いですよ!」

「仕事などで気を遣ってくれてるのは分かっていますし頑張りすぎていると思うので会話くらいは楽に行きましょう」

「常に気を張ってたら疲れちゃいますよ」


 みんな、俺のことを気遣ってくれてるのがわかって泣きそう。

 前世も合わせると精神年齢が38歳なので涙脆くなっている。


「ありがとう。ちょっとは気を抜いて仕事するよ」

「うんうん、それでいいんですよ」

「これからもお願いしますね」

「「はい!こちらこそよろしくお願いします!」」

 

(みんないい子すぎるわ。採用して本当によかった。)


「それでは私たちはこのあとバレンタイン配信をしないといけないので失礼しますね」

「頑張ってください。配信楽しみにしてますね」


 みんなに心配かけすぎないように頑張っていこうと決めた。


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