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15.年末年始配信

 私、八乙女美礼はNoxlunaris所属のアイドルVtuberの月見里琴莉。

 私は自分で言うのもあれだが可愛くて愛嬌があって友達も多いよ。

 

 そんな私はすごく仲良くなりたい人がいるの。それは同じグループ所属の小鳥遊凪咲ちゃん。

 なんでかというと初めて会った時にこんな可愛い子が存在するんだと一目惚れしちゃった。


 関わってみて思ったが彼女は人と接する時に壁を作っているんだよね。

 私は人と話す時、よく人の顔色をうかがいながら会話する癖があるから人の感情の機微によく気づくの。

 だから分かるけど凪咲ちゃんは仲良くしたいという気持ちが伝わるけど相手の機嫌を損なわないように当たり障りのない会話をしていることが多いんだよね〜


 今までの経験上、大体こういう子は過去に人間関係で何かあったタイプだ。


 過去に何があったかはなんとなく想像もつく。

 だからこれは少しずつ私のことを知ってもらって警戒心を無くして貰うしかないと思うのです。

 

 とりあえず遊びやご飯に行くしかないよね〜

 なんとしてでも仲良くなってやるぞー!


 

 なんて思っていましたが私は今日、彼女の秘密を知ってしまいました。


 それは友達と遊んだ帰りのこと。

 家の最寄りの駅を降り、歩いて帰っていたときなんか人が集まっていたので気になって覗いてみたらなんと凪咲ちゃんと如月さんが男達と揉めていたのです。


 しかも如月さんが突き飛ばされていてこれは警察呼ぶしかないかなって思っていたら周りが騒いでいたせいか男達は逃げていきました。


 一安心しましたがよく考えたら2人は何故一緒にいるのかな?って疑問に思っちゃった。


 そして2人は頭を下げてどこかに向かったから悪いと思いつつも2人の後を追いかけたら個室の飲食店に入って行っちゃったのです。


 えっーと2人ってそういう関係なのかな?それとも仕事の話があってとかかな?でもつい最近、個人面談があったからわざわざプライベートで会う必要ってないよね?


 本人に聞いてみたいけど尾行してたのがバレるから聞くにも聞けない。

 もしかしたらとんでもない場面を見てしまったのかもしれない。


 あーもうどうしよう〜




 

 凛音とご飯に行ってから約2ヶ月が経った。

 あれから3回ほどご飯を食べに行き変化があった。


 まずプライベートの連絡先を交換したのだ。

 会社の端末でプライベートの約束をするのは誰かに見られるわけじゃないけど気が引けるのでこっちから連絡先を聞いたら交換してもらえた。


 あと、今まではあまりプライベートのことに触れず仕事の話題が多かったが凛音からプライベートの話題を出すようになったおかけで趣味の話とかになり会話の幅が広がった。


 こうやってご飯を行く関係になったことと同じアパートに住んでいることは誰も知らないのでバレるとまずいなぁなんて思っている。


 



 年末年始の時期に入り31日から3日間に渡り事務所のメンバーで企画配信をするのだ。


 女性ライバーによる歌枠リレー配信や所属対抗でゲームバトルなどなど大きい企画や俺も混ざってやる企画もあるのだがその内容がお年玉企画だ。



 1日目は歌枠リレー配信からのNoxlunarisのみんなでカウントダウン配信をした。

 とても盛り上がりカウントダウン配信の最大同接はデビュー配信の時に比べて2万人多い10万人を記録した。

 

 そして今日はお年玉企画をやる日だ。


 メンバーはNoxlunarisの5人とやるのだがもちろん普通にあげるのでは面白くないので京凛クイズをやってもらい正解数で順位をつけてあげるのだ。


「皆さんこんにちは!京凛です!今年、一発目の配信はコラボです。コラボ相手はNoxlunarisです!どうぞ〜」


【こんにちは!Noxlunarisです!】


「今日はお年玉企画をやるのですが普通にあげるのは面白くないので京凛クイズで勝負していただきま〜す」

「普通にくださいよー」


 琴莉は場を和ませるために茶々を入れてきた。


[草]

[それはそうw]


 視聴者も面白かったようだ。


「あげたいのはやまやまですがその代わり景品は豪華になってます!」


【おー】


「まず1位の人には焼肉店のギフト券10万円分です!」

「太っ腹ですね!」

 

 涼葉が景品を聞いてテンションが上がったようだ。


[やるやん]

[俺らも参加したい]


「2位の人にはカタログギフト5万円です!」


[いいなー]

[2位でも豪華やな]


「3位の人は女性に人気のブランドのブレスレットです!」

「それ欲しいかも」


 凛音がそう呟いた。


[女心がわかっとるな]

[センスいいやん]


「4位の人には商品券1万円です!」


[全然嬉しいレベル]


「ドベには罰ゲームでASMRをしてもらいまーす」

「うわーこれはやりたくないなぁ」


 翠が嫌そうに言った。


[ASMRやりたくないって言ってたもんね]

[負けられない戦いが始まるw]


「それでは始めたいと思います」

「よーし、1位貰っちゃうよ!」


 琴莉はやる気満々だ。


「第一問、誕生」


ピンポン


「はい、凛音さん」

「3月22日です」

「正解!」

「はや〜い!まだ問題読み終わってないよー」


 琴莉が文句を言っている。


[はやくね]

[マジか]


「それでは2問目、メインチャンネルの登録」


ピンポン


「374万人です」

「正解です」


 みんな驚いて固まっている。


[もしかしてガチファンじゃね?w]

[じみに難しい問題じゃね?]


「3問目、行きますね?初めて出したグッズはな」


ピンポン


「推し活推奨って文字と京凛さんのロゴが入ったTシャツです」

「正解です。正解なのですが本来Tシャツだけでもオッケーでした」


[草]

[草]


(これ勝負にならんのじゃね?)


 このあとも10問くらい出していったが凛音がことごとく正解していった。


[これは本物ですわ]

[ガチオタ混ざってて草]


 今出していった問題の中には当てさせる気のない問題もあったが正解していた。


(これ、ハンデつけないと無理だな)


「今の問題で折り返しですが勝負にならないのでハンデをつけたいと思います」


「ありがたいよー」

「やっとかぁー」


「凛音さんは全員が答えたあとに正解が出ていなかったら答えてください」

「分かりました」


 凛音はそれでも余裕の表情だ。


 このハンデのおかげでみんな正解を出せるようになってきた。

 やっと勝負らしくなってきた。


「今の点数は凛音さんが20点、琴莉さんが3点、涼葉さんが2点、翠さん2点、瑠奈さん1点です。」


[1人だけぶっちぎりで草]

[凛音ちゃんなしでやってたらいい勝負]


「えーこのままだと凛音さんが1位になるので最終問題の点数は20点にしたいと思います」


[クイズ企画あるある]

[救済処置まであるのがお約束]


「ラストの問題行きます。京凛のメインチャンネルの動画投稿数は何本でしょう?」


(さすがの凛音でもわからないだろう。みんな当てずっぽで運でやってくれ)


「400本」

「不正解です」

「370本です」

「不正解です」

「423本です」

「不正解です」

「348本です」

「不正解です」

「482本です」


 凛音が答えた。

 俺は驚いて凛音の顔を見てしまった。

 何故なら正解だからだ。

 

「せい…かい…です。」


[マジか]

[バグってて草]


「ということで凛音さんが1位になので焼肉店のギフト券は凛音さんのものです。」


「あのー」


 凛音は申し訳なさそうに手を上げた。


「景品なのですが3位のブレスレット貰えませんか?」

「えっと?」

「えーいいの?焼肉だよ!焼肉!」

「まぁ凛音さんがそれでいいならブレスレットでも大丈夫ですよ」

「ほんとにいいの?」

「私はこれがいいです」


 琴莉が騒いでいたが凛音がそれでいいならこちらとしても問題ない。


「じゃあ2位の琴莉さんに焼肉店のギフト券をあげますね」

「やった!!!」

「続いて3位が涼葉さんと翠さんが同点なので平和にじゃんけんでお願いします」

「これは負けられないですね」

「それはこちらもだよ」


 2人は気合を入れてじゃんけんをした。

 

【じゃんけんぽん】


 涼葉がグーで翠がチョキだった。


「やったー!」


 涼葉は素を出して喜んでいる。


「まじかー」


 翠は相当落ち込んでいるようだ。


「それでは涼葉さんにカタログギフトで翠さんに商品券1万円です。そしてドベの瑠奈さんには罰ゲームでASMR配信を後日、視聴者アンケートでシチュエーションを決めてお願いします」


[おー]

[最高!!!]


「まじですかーみんなお手柔らかにお願いします」


 しゃーないかーという顔をしている。


「それでは今日の配信は終わりたいと思いまーす」

「今日はありがとうございました!」


 配信が終わった。


 視聴者もみんなも楽しんでもらえたみたいでよかった。

 にしても凛音がまさか京凛のガチオタだったのは予想外だったが…

 今日のこの配信はトレンドに上がるくらい話題になった。

 

 

 後日談だか瑠奈のASMR配信はアンケートの結果、罵倒ASMRになったのだった。



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