14.初めてのデート?
凛音と面談をやって1週間、意外と早いタイミングでの誘いだ。
ちょうど今日の仕事が終わったためこのあとはフリーだ。
「とりあえず連絡を返しますか」
このあと予定が空いていることを返信した。
すぐに既読がつき集合場所と時間が返ってきた。
場所が近かったため時間まで余裕があるので少し仕事をすることにした。
(よく考えたら2人でご飯ってデートぽいよなー)
向こうにはそんな意図はないだろう。
(なんか緊張してきた〜)
そんなことを考えていたのであまり仕事は進まなかった。
時間になり集合場所に向かうともうすでに凛音が待っていたが男2人にナンパされていた。
凛音は完全に無視しているようだが男2人は引かないようだ。
(あの見た目ならナンパされてもしょうがないが男も無視されているのだから諦めればいいのに)
そう思っていたら男が凛音に怒鳴り始めた。
これはまずいと思い走って凛音と男の間に割り込んだ。
「なんだてめぇ」
「この子の連れですけど」
そういい彼女をチラッと見ると震えていた。それを見た瞬間、怒りが込み上げてきた。
「俺らの邪魔しやがってタダじゃおかねぇぞ!」
「そっちこそ誰の女に手出してるのかわかってるのか?」
「何、調子にのっているんだよ!」
そういい思いきり突き飛ばしてきた。
「おい、やりすぎやって」
もう1人の男が諌めようとした。
「うるせぇ!」
騒ぎを聞き周りに人が集まりだしていた。
「あれって京凛じゃない?」
「京凛ってあの配信者の?」
「警察呼んだ方がいいんじゃない?」
京凛のことを知っている人がそう言い出した。
「おい、京凛って有名配信者じゃないか?」
男の1人がそう言った。
「嘘だろ?そんな有名人がこんなところにいねぇだろ!」
「周りの人もそう言っているんだからそうだろ!」
「もう辞めようぜ」
「クソが!」
そういい男2人は逃げていった。
「あのすみません。私のせいでこんなことに巻き込まれてしまって怪我はありませんか?」
「心配ありがとうございます。怪我はないですよ。」
周りを見ると結構、人が集まっていた。
「とりあえず目立ちますしここから離れましょうか」
「分かりました」
周りに頭をさげながらその場から離れた。
場所を移し個室の店に入った。
「本当にすみませんでした。」
「小鳥遊さんのせいじゃないです。あいつらが悪いのですから謝らなくていいですよ。」
「それでも私のせいで厄介ごとに巻き込まれてますし」
「僕がしたくてやったことなので本当に気にしなくていいですよ」
「でも…」
凛音はすごく申し訳なさそうにしている。
このままでは彼女は気にするだろう。
「じゃあここのご飯を奢ってもらってもいいですか?それでこの話は終わりにしましょう。」
「分かりました。ありがとうございます。」
(これで少しでも罪悪感をなくしてくれればいいが)
「とりあえず料理頼もうか」
「そうですね」
店員さんを呼んで料理を頼んだ。
・・・・・
少しの沈黙が続く。
「そういえば歌ってみたを出す曲って決まりましたか?」
「はい。デビュー配信の1曲目に歌った曲にしようと思います。」
(やっぱりあの曲にするんだなー)
「そうなんですね。あの曲にした理由とかってありますか?」
「そうですね。学生の頃によく聴いていて1番好きな曲なので選びました。」
「いいですね。学生の頃はどんな感じでした?僕、中学はまともに行ってないですし中卒なので高校も行ってないのでどんな感じなのか聞いてみたいです。」
この時間軸では行っていないので嘘はついていない。
「私は友達がいなかったので勉強を頑張っていました。学校のイベントとかもきちんと参加してなかったので思い出はあまりないですね」
(やばいまずいこと聞いちゃったな。気まずい)
「すみません。たぶん答えたくなかったですよね」
「いえ、もう過ぎたことですしそんな私にも楽しみはあったのであまり気にしてなかったです。」
「あ、そうなんですね。」
(話を変えないと申し訳ない)
「そういえばNoxlunarisの皆さんにも旅行の話をしたのですがどこに行くか決めてますか?」
「まだ決めてないです。みんなで案を出している最中です。」
「どこか行ってみたい場所ってありますか?」
「久しぶりに動物園とか水族館に行ってみたいですね」
「それなら和歌山なら両方ある場所がありますよ。それに温泉も有名ですし空港もあるので行きやすいですよ」
「そんなんですね。詳しいですね。」
「昔、何回か行ったことあるので」
前世の時は旅行が好きでいろんな場所に行ったが1番良かった県だ。
「なんか行ってみたくなりました。メンバーのみんなに案を出しますね。」
「おすすめなので是非お願いします!」
喋っていると料理が届いた。
その後もいろんな事を話した。仕事のことや少しプライベートの事も聞いてみて知らなかった一面を知れた気がする。
「そろそろ出ましょうか」
「そうですね」
お会計を済ませた。
「ご馳走様です」
「いえ、こんなことでお詫びになるか分かりませんが」
「充分ですよ、ありがとうございます」
お礼をいい、家が同じなので2人で帰った。
11月の夜は少し肌寒い。
空が澄んでいるから月がよく見える。
彼女の格好は長袖の服にロングスカートで上は何も羽織ってない。
「小鳥遊さん寒くないですか?」
「少し寒いですね」
「近くのコンビニで温かい飲み物でも買いませんか?」
「そうですね」
近くのコンビニに入りココアとカフェオレを買った。
「奢ってくださりありがとうございます。」
「これくらいは奢らせてください。じゃないと男のメンツがなくなりますから(笑)」
それから歩いて帰りほどなくしてアパートに着いた。
「今日はありがとうございました」
「こちらこそ誘ってくださりありがとうございました。また誘ってくれると嬉しいです。」
「分かりました。あの…」
彼女は何か言いたそうにしている。
「やっぱりなんでもないです。あのお疲れ様でした。おやすみなさい。」
「お疲れ様でした。おやすみなさい。」
恥ずかしそうにそう言い部屋に入っていった。
(最後に何を言おうとしたんだろ)
最後の表情と言い淀んでいたことが気になりあまり寝れなかった。




