12.隣に推しが引っ越してきた
あの収録の日から2ヶ月が経ちその間にVプロ1期生のデビュー配信があった。
本来、凛音を合わせて5人がデビューする予定だったがその凛音は今はうちの事務所にいる。
この時間軸ではどうなるか気になり見てみたら4人は変わらなかったが凛音の枠に未来でも心当たりがない人がデビューしていた。
それに前世の時よりもデビュー時期が遅いのだ。
理由を考えると俺たちの事務所と時期が被ったからずらしたとしか思えない。
こういうのを見ると俺というイレギュラーのせいで変わってしまったのだと実感してしまう。
未来を変えてしまった分、自分の影響力でVtuber業界を盛り上げれるようにしたいと思う。
そして今日は遂に収録していた曲をNoxlunarisの公式チャンネルに投稿する日だ。
この曲には夢に向かってどんな障害があっても乗り越えて突き進んで行くって意味が込められた歌詞になっていて曲名は[Pursue your dreams]になっている。
記念すべき1曲目という事でこの曲はグループの代表曲になるだろう。
今日はオフの日で曲の投稿も19時に公開予定になっているからそれまで暇になる予定だったのだが・・・
まさかの凛音が隣に引っ越しにくる日なのだ。
あの時は冗談で言っているのかと思っていたがこの前、仕事で会った時に今日引っ越してくることを伝えてきた。
正直なんで?って感じだ。
確かに立地と配信環境もいいし希望の予算くらいの場所ではある。でも隣が社長でしかも同年代の男が住んでいると普通は嫌だと思う。
まぁ本人がいいならこっちは何も言う事はない。
とりあえず何かあった時のために家にいるつもりだが食べるものが何もないので買い出しに行くことにした。
出前でも頼めばいいのだが貧乏性が抜けておらず本当に忙しい時以外は自炊するようにしているのだ。
外に出てみると引っ越し業者が来ていて荷物を運び入れていた。
邪魔にならないように前を通ると凛音が見えた。
向こうもこっちに気付き軽く会釈をしてきた。
特に問題がなさそうだったのでそのまま買い出しに向かった。
買い出しが終わり戻ってきたら引っ越し業者は帰っていた。
家に入り食材を冷蔵庫にしまっていたらインターホンがなった。
荷物とか頼んでいないので宅配業者ではない。
たぶん凛音だろう。
ガチャ
ドアを開けると立っていたのはやっぱり凛音だった。
「こんにちは、引っ越しの挨拶に来ました」
「わざわざありがとうございます。今のところ問題ってありませんか?」
「特には大丈夫です。心配してくださりありがとうございます。」
「そうか、せっかく隣人なんだから困ったことがあったら頼ってください。」
「分かりました。これからお願いします。」
そういい彼女は自分の部屋に戻っていった。
「はぁーこれからどうなることやら」
そういえば凛音って基本、なんでも出来る子だが料理は壊滅的だったはずだ。
Vプロにいたときに料理配信をメンバーとしていたが凛音に料理をやらすのは危険と判断を受けその配信をきっかけによくメンバーにご飯を差し入れてもらうことが多かった。
それを思い出してしまったため少し心配になってきた。
だからって差し入れするのは彼女の迷惑になるかもしれない。
でも推しには健康的な食事をして欲しいとファン目線で思う。
今日は角煮を作ろうとブロック肉を買ってきていたのでちょうどいい。
2人分作ってタッパーに入れて持っていこう。
そうと決まれば夜ご飯を作りますか。
とりあえず肉を切りフライパンで焼き目をつける。
その間にゆで卵を作っておく。
長ネギと大根を切る。
炊飯器に調味料と水と肉とゆで卵と大根と長ネギの青い部分を入れて炊飯ボタンを押したらあとは待つだけだ。
簡単に作れるからたまぁに作ったりする。
出来たので温かいうちに持っていこう。
インターホンを鳴らす。
ドアが開いた。
「すみません、いきなり来てしまって。今って大丈夫ですか?」
「大丈夫です」
「ありがとうございます。夜ご飯ってもう食べました?」
「いえ、まだ荷解きをしていたので夜ご飯の買い出しにも行けてなかったです。」
「よかったです。夜ご飯を作りすぎちゃったのでよかったら食べてもらえませんか?」
凛音は少し驚いた顔をした。
「いいんですか?お金払いますね。」
「いえいえ、お願いしている側なのでお金はいらないです。」
「そうですか。じゃあありがたく頂きます。」
「はい。タッパーも返さなくていいので。それじゃあ失礼します。」
そして部屋に戻ってきた。
「受け取ってもらえてよかった。迷惑じゃなかったかな?」
今更そんなことを考えてしまったが渡し終わったあとだからもう遅い。
「もうちょっとで新曲が投稿されるし見て忘れよ」
そういいパソコンを開く。
曲が投稿された。
「やっぱり自分でメンバーを集めただけあって声もいいし歌も上手い。コメントも褒めている感想が多くて嬉しいな」
みんなのモチベにもなると思うしライブへの第一歩だ。
「次はソロ曲を用意してあげないとな」
そう言い次のことを考えるのであった。




