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9話 勉強会のお誘い

7月20日まで毎日投稿(午後8時50分ごろ)目指します。

このまま続けていいんだろうか。俺のせいで迷惑をかけているんじゃないか。

逮捕はされないといわれたけど、いまのままじゃまずい。

『どうやら売国奴の息子を斬ったようだな』

「枝葉の時ほど国民は支持してくれてないぞ。どうするんだよ」

『6月13日。その日までに体を取り戻したい』

「乗っ取るつもりだろ。そうはさせないぞ」

『では約束しよう。これからは斬る場合に事前に通告する。破った場合はこの体から出ていく』

「今度こそ本当だな。お前、前回は許可なしで出てこないとか言ってなかったか?」

『悪人を見ると体が勝手に反応してしまうんだ。だが、米をすべて取り戻せば抑えられる』

「いってもいいが、一つ約束しろ。今度こそ人を斬るな」

『そんな約束はできない』

「なら、ずっと家にこもる。お前、おかしいよ。2人も斬ったんだぞ。穴あきバケツと柿音さんがごまかしてくれなかったら俺は今頃逮捕されてたんだ」

『わかった。12日までは斬らない。約束しよう』

「いくぞ」

そのとき、またチャイムが鳴る。

ピンポーン!

「なんだ!? また警察か」

穴あきバケツが失敗したのか。それとも。

「出るしかないか」

ドアを開けると、郵便の人が荷物を持って立っている。

「お届け物です」

「あ、はい」

荷物を受け取る。

「なんだ?」

荷物を開けると中には米袋が入っていた。

なかに手紙が入っていた。

『少し食べたら変な夢を見るようになって。返品します』

と書かれていた。着払いだったので代金を払う。

これで米の回収は終わった。なにも起きなくてよかった。

あとは、お米を食べる。

白米の分身にあたるお米を俺が全部食べないと能力が発揮できないらしい。

世直し侍には全員結界を張る能力がある。結界に対象者と自分を閉じ込めれば、中で何が怒ろうと目撃される心配はない、だそうだ。

警察に捕まるのはごめんだ。それは世直し侍も同意見だが理由は違う。逮捕されたら世直しができなくなるのが嫌だそうだ。

『それにしても変な話だ。世直しをしようとする善人をとらえるとは、官憲は腐っている。あの犯罪者議員どもを真っ先に逮捕するべきじゃないのか?』

言っていることは半分くらいそう思う。

米一俵60キロのうち58キロを無事回収した。

あとは回収したお米を食べるだけだ。残り20キロ分。

朝から米、昼も米、夜も米。

さすがに飽きるかと思ったが、最初は変な味がすると思っていたこの米もだいぶなじんできたのかおいしく感じる。どれだけ食べても飽きる気配はない。

朝、昼、夜と毎食ご飯を食べて回収したお米を食べていく。それでも食べ終わるのは7月になりそうだ。

「なあ世直し侍。ほかの人が食べた2キロ分はどうなるんだ?」

「問題ない。追加で発注しておいた。58キロでも能力発揮に支障はない」


柿音さんから6月7日に勉強会をしないかというお誘いがあった。

柿音さんは引きこもりだと聞いていたから勉強会に誘ってくるのはかなり意外な感じがした。正直、休日にわざわざ勉強なんてやりたくはない。

「それで勉強会ってなんの勉強会?」

とSNSで返事をすると、ZOOMのアカウントが送られた。

どうやらネット上の勉強会のようだ。

なんだか嫌な予感が。もしかして投資詐欺とかそういうやつか? いや、世直し侍に選ばれた人がそんなことしないか。

柿音さんをどの程度信用していいかわからないが特にやることもないので参加することにした。


6月7日午後6時からオンライン勉強会が始まった。

いったいなにを勉強するんだ。

見えるのは7人。男が4人、女が3人。柿音さんもいる。

あれ? 7人?

男性が発言する。

「全員ログインしたのを確認しました。さっそく民主主義を考える勉強会を開始します。司会は太陽が行います。そうそう。今回は初参加者の方がいらっしゃいます。最初に注意しておきますが、この勉強会ではくれぐれも本名を使わないでください。わたしが太陽、そして、ほかの方が月、火星、水星、木星、金星、土星とそれぞれ名乗っています。初参加のあなたはそうですね冥王星と名乗ってもらいましょう」

なんだ。なんで惑星の名前? 

本名を名乗らないのは実名ばれを防ぐためだからわかるけど、なんか怪しいやつらだな。それとも中二病なのか? いや、中二病ならネプチューンとか、ウラヌスとか名乗るか。


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