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男と男(?)の対談。それから紅茶。

―――前書きは、あるが、内容は無い様だ。
















冗談だよ


 なんと書けばいいのやら良く分からないが、とりあえず出だしをかいてみよう。まずは、この状況からだ。大丈夫、落ち着けば何とでもなるとも…

 OK、ここはどこだ?絶対日本じゃないよな。

 次、こいつらは誰だ?なぜ見知らぬ人間が俺の顔を覗き込んでる?

 

 結論。これ、アレだな。



 異世界転生ってやつだ。








 は?

やあ!ようこそ我が館へ!歓迎するよ。


なに、そんなに緊張しなくてもいい。そうだ、緊張をほぐすために紅茶でも入れてあげよう。

「ベス!ベス!」

「はい―――()()()。」

「この方に紅茶を入れて差し上げて?」

「はい、お嬢様。」


ん?きみ、僕がお嬢様と呼ばれているのに驚いているのかい?


まあ、そう驚くなよ。この館へ来た客人はみんなそんなことを考えるものさ。


よろしい、何故僕がお嬢様と呼ばれているか、教えてあげよう。あれは忘れもしない、5月20日―――そう、僕の誕生日―――のことだった…。





―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「オギャァァ!」


寒い。


「オギャァァ!」


眩しい。


「おお、元気な赤ん坊だ!」


…誰だ?


「よく頑張ったぞ、ウェルナ。」

「父さん、この子が僕の妹?」

「そうだよ、セドルや。」

「ふうん…なんだかしわくちゃで、まるでお猿みたいだ!」

「こら、セドル。今の言葉、きっと後悔するぞ。なんてったってウェルナの子供だ。きっと将来、絶世の美女になるに違いない!」


…は?


…絶世の美女?


…俺、男だけど?


「でもなあ。僕にはとてもそんな…」

「コホン!セドルや、母さんは赤ちゃんを産んだからとても疲れているんだ。――ベス!」

「はい、何でしょうか、旦那様。」

「セドルを部屋に連れて行っておくれ。」

「かしこまりました―――セドル坊ちゃま、このベーカーと共にお部屋へまいりましょう。」

「…分かったよ」

「ああ、そうだ、ベス。」

「…? 何でございましょう。」

「あとで私の部屋へ来てくれ。この娘のことで大事な話がある。」

「はあ、かしこまりました。」


…なあ。


これ、どうなってんの?



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


とまあ、こんな感じだよ。

どうだい、なんとなく分かったかな?

そう、僕は転生者なんだよ。


…意外と反応が薄いね。そういえば、こっちの世界にも転生モノの本があるんだっけ。

「お嬢様、紅茶をお持ちしました。」

「ありがとう、ベス。もう、戻っていいわよ。」

「ありがとうございます。では、これで失礼いたします。」


…行ったかな?お察しの通り、僕はベス――本名はベーカーと言うけれど――には、このことは話していないんだ。当然、兄上にもね。

ベスはいい奴だよ。忠誠心が高いし、能力も高い。

…僕が彼に好かれているかは、微妙なところだけどね。ま、おてんば姫とでも思ってるんじゃないかな?その方が都合がいいからね、色々と。


さ、遠慮せず、紅茶を飲みたまえよ。


ん?話の続き?


驚いたな、ほとんどの客人はさっきの話で満足するんだけど…

まあ、いいさ。優雅なティータイムの雑談と行こうか?



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


3歳のころ



【そうは言っても、生まれて1、2年は特に何もなかったからね。3歳のころから続けようか。】


ふーむ、どうやらここはブリストル共和国と言うらしい。

そして、我が親愛なる父、ここらで言う父様は、ブリストルで1、2を争う大領主であった。


領地の名前はコリョエフ。クソダサいことこの上ないので、成人したら父様に掛け合って変えてもらおうかしらん。


それはさておき、この部屋はどこの部屋だろう。この館、無駄に馬鹿でかいからしょっちゅう道に迷うのだが。


んまあ、本棚と本であふれているあたり、図書室なのだろう。だが問題は、この館には図書室が6つほどあるということだ。こんだけたくさんの本を、誰が読むというのか。


「お嬢様ー!」


ん?


「お、じょ、う、さ、まー!」


しめた、救助が来たぞう!


「あー、うー」


「お嬢様!ここにおられましたか。」


ええと…誰だっけ。


「…だれ?」

「ええっ!この忠実なウィルソンの事を、お忘れですか!」


ああ、思い出した。俺の専属執事とか言う坊主だったか。


「…ウィル?」

「そうです!あなた様の奴隷、ウィルでございます!」

「いや、違うだろ…」

なんか階級が執事から下がりまくってるんですけど。ていうか階級ですらないし。

「お嬢様、とにかくお部屋へ戻りましょう?ね?」


…いやだなぁ…。

ちょっとこの図書室に興味が湧いたんでちょっと見て回りたいんですけど。ダメすかね。


「…ほん」

「えっ?」

「ほん、もて。これとあれとそれ。」

「ははあ、絵本ですね…って、これ教導書じゃないですか!?」

「…?いいからもて。きみ、どれーだろ。」

「ええ…」


持ってくれた。うん、めっちゃ胡散臭そうだけど、とりあえず持ってくれたよ。よかったね。


「おr…わたしももて」

「ええっ、さすがにこれ以上は…」

「ばかか。きみ、ふゆーまほう、つかえたろ。」

「あっ、なるほど~!流石お嬢様、あったま良い~!」


…馬鹿だな、こいつは…




クギリ:::::クギリ:::::クギリ




さて、部屋に戻ったことだし、この教導書とやらを読んでみるか。


ぺラリ。


「ええ…」


なんか隣でドン引きしてるヤツがいるな。


邪魔くせえな、オイ!


「…ひまなら、かえっていいよ」

「えっ、いや、執事としてそういうわけには…」

「…かあさまのまねするね」

「?」

「れでぃーのへやにはいってやることなすことをみるだなんて、さいてい!へんたい!すけべい!」

「!!!」


ふふふ、どうだ、てき面だろう?こっちは中身は男なんだ、男がされて嫌な事くらい知ってら!


「…」


「…なんか、違うんだよな…」


「レディーって言うより、幼zy」

「ベス!ベス!ここにへんたいがいるわ!たすけてぇ!」

「お嬢様、どうなさいました!」


おお、流石は忠犬。ご主人様の愛娘の叫びにも駆けつけるとは、有能じゃのう!


「ウィルソン君、こっちへ来たまえ。」

「い、いや、違うんです、執事長―――」

「やかましい!さっさとこっちへ来い!」

「ひいいっ!」

「ベス。」

「はい、何でしょう?」


ここでこれを言ったら、ウィルは骨の一本や二本は折れるだろう。

でもね、読書家の読書を邪魔した罰は重いんだよ、ウィルソン君?


「せいぜい、かわいがってさしあげてね?」

「! ええ、かしこまりました」

「お、お嬢様ぁ!」

「あんしんしてね、ウィル。ひとことくらいはなぐさめてあげるから…」


いやあ、ベスのニヤ付きがすごかったなあ。

ウィルソン…ご愁傷さまです(笑)



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


ま、3歳はこんな感じだったなぁ。あの後ウィルソンが拗ねちゃって、仲直りするのが大変だった…


おや、きみ、全然紅茶を飲んでいないじゃないか。

きみ、きみ、それは良くないよ。

紅茶が冷めて、美味しくなくなってしまうじゃないか。

ベスの入れる紅茶は最高だよ。紅茶が嫌いでも飲める、優しい味付けなんだ。なんてったって僕が抵抗なく飲めてるんだからね。


どうだい、美味いだろう?

っと、もうこんな時間か。悪いけど、僕はこれから仕事なんだ。

え?もう21時だろう、って?

まあ、細かいことを気にしないでくれたまえよ。誰にでも秘密はあるのさ。

「ウィル!」

「はい、何でしょう?」

「この方を客室へご案内してあげて。」

「ははっ、かしこまりました。」

今日はぐっすり眠るといい。ウチの布団はふっかふかだよ。


続きはまた明日、ってやつだ。

私は、この大豪邸の客室へ案内された。

「こちらがあなた様のお部屋になります。今日はぐっすりお休みください。お手洗いはあちらの角にございます。ほかに何かあれば、お近くのメイドか誰かに声を掛けてください。」

「はい、ありがとうございます。」

「いえいえ…では、おやすみなさい。」

「ええ、おやすみなさい。」


ふう…今日は疲れたな。

ミューラーの紹介ではるばるやって来たが…なるほど、確かに彼女―――いや、彼は面白い人物だ。

まさか、転生者が現実にいるとはな。

また明日もあのような話を聞けることを願おう。


明日に備えて、今日はもう寝ておこうか。


そうだ、寝る前に今日の話を書き留めておこう。もしかすると、忘れてしまうかもしれないから……。

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