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高卒サラリーマンが脱サラして田舎でスローライフするだけの話  作者: らいお


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夢への足掛かり編 第四話

7月5日 AM11:30


 霞ヶ浦に到着するころには、もう昼前になっていた。

 夏の照りつけるような日差しが湖に乱反射してキラキラと眩く煌めいている。今は7月上旬なので例年通りであればもうすぐ梅雨明けのはずだが、まるでもう梅雨が明けたかのような快晴だった。直射日光が暑すぎる。

 俺は湖周辺の駐輪場にバイクを止め、辺りを散策していた。

 昼前なのでどこか涼しい場所にでも移動して、昼食でも食べよう。

 さて、茨城の美味しい料理と言ったら何だろうか。あんこう、あいなめ、常陸牛(ひたちぎゅう)など様々なものが思い浮かぶ。まぁ、湖周辺を歩いていれば食事処なんて見つかるか。

 そう思って、ひとまずは湖周辺を散策してみる事にした。


 歩きながら散策してみると、心地よい風が吹き抜けて日光で火照った身体を涼ませてくれる。湖では、ヨットを楽しんでいる人達も見えた。いいね、楽しそうだ。こういったマリンスポーツ…湖だからレイクスポーツか?もやってみたいとは思うよ。釣りなんかも出来そうだね。やってみたい事が沢山だ。

 軽く調べてみたが、この湖周辺はワカサギが釣れるらしく、ワカサギの天ぷら料理などが美味しいらしい。ワカサギを食べれる店を探してみよう。


 湖周辺は出店なども多く、お土産屋や飲食店が多く見受けられた。甘い匂いやしょっぱい匂いなど色々な味覚をくすぐる匂いが漂っていた。ここにいるだけでお腹が空いてくる。アイスを持って嬉しそうにはしゃいでいる子もいるな。俺も昼食を食べたらアイスでも買ってみるか。こんな暑い日に食べるんだ、さぞ美味しい事だろう。


 にしても、今日は平日にもかかわらず観光地という事もあってか流石に人が多いな。まだ12時には回っていないものの、早めに昼食を食べに行かなければ店が混み合ってしまうだろう。さて、どうしたものか。

 すると、”ワカサギ”と大きく書かれた垂れ幕を店先に掲げている店を見つけた。ちょうどいいな、あそこの店で食べよう。

 店内に入ると、香ばしい匂いが漂っていた。テーブルはほとんど埋まっていたが、1人だしすぐ席に案内されるだろう。


「何名様ですかー?」


 店員が忙しそうに聞いてくる。


「一人です。」

「では、こちらにどうぞー。」


 どうやら、席が空いていたようですぐにカウンター席に通された。

 メニューを見ると、表の垂れ幕でデカデカと示していた通り、ワカサギづくしだった。ワカサギの天ぷらに素揚げ、フリット、唐揚げ、南蛮漬けに佃煮などなど…こんなにもワカサギ料理があるとは驚きだった。

 旬が冬頃らしいのでちょっと味は落ちるとの事だが、別に旬じゃないからといって不味いわけでは無いだろう。

 俺は、どの料理もそこまで量は多くなさそうに感じたので、ワカサギの天ぷら定食に素揚げ、南蛮漬けを注文する。


 少しすると、素揚げと南蛮漬けが先に出てきた。

 素揚げはその名の通りそのまま揚げたもの。塩コショウで食べるらしい。南蛮漬けはワカサギ以外にもたまねぎ、ピーマン、にんじんが入っていて、彩的にも綺麗だった。


 素揚げから食べてみたが、揚げ料理にも関わらず存外サッパリとしていた。外側は揚げられているのでサクサクとしていたが、中が小ぶりにもかかわらず肉厚で食べ応えがある。噛むほどに甘みが出てきて塩コショウが良いアクセントとなってとても美味しい。

 南蛮漬けは甘辛いタレがとても美味しかった。ワカサギの甘みを殺さない程度の味付けにされていて、メインがワカサギだということを主張しているかのようだった。野菜類もとても美味しく、ワカサギのサクサクとした食感とは相反するようなシャキシャキとした食感は食べていて楽しさすら感じる。

 素揚げも南蛮漬けも、どちらも箸が進んで食べ終えた頃に、天ぷら定食が出てきた。

 天ぷらは衣が厚く、ぱっと見はワカサギの形をした衣のように見える。だが食べてみるとしっかりとワカサギは存在し、素揚げとはまた違ったサクサクとした食感と、油の甘みとワカサギの甘みが絶妙に合わさり白米が進む味付けだった。付け合わせの汁物も、飲んでみるとワカサギの甘みを感じたのでダシを取っているのだろう。箸が止まらず、ノンストップでかきこむように食べてしまった。


(はぁ…美味かった…)


 ワカサギ、とても上手いじゃないか。あの小ぶりな身からは到底想像も付かないような美味さのオンパレードだった。これでまだ旬を迎えていないだと?今から旬を迎えるのが楽しみだ。引っ越しして落ち着いた頃には丁度旬を迎えているだろうから、また食べに来よう。

 俺は別に美食家というわけでは無いが、また旬を迎えたワカサギを食べると誓い、その店を後にした。


 俺は店を出たその足で先程見たアイスを買う。どうやらサツマイモのアイスのようだ。

 サツマイモと言えば、俺の大好物だ。干し芋に甘煮、焼き芋や大学芋などなど…白米にも合うサツマイモは俺の中では万能食材と言っても良いだろう。

 サツマイモアイスを食べてみると、優しい甘さがまるで包み込んでくれているかのようだった…そうだ、お土産に干し芋を買いたかったんだ。バイクを売る青央(あお)さんにもそうだが、ほなみさんにも買っていこう。今度料理練習の手伝いをした時にでも渡そう。




 その後俺は、お土産として干し芋を何個か買い、駐輪場に戻り観光を楽しんだ。大杉神社や息栖神社などの神社も巡ったし、北浦の方にも足を延ばし大野潮騒はなます公園など色々な場所へも赴いて、その後帰路についた。

 最初は茨城って何があったっけ?とすら思っていた俺だが、俺が知らないだけで行ってみれば観光名所も沢山あるし、飯も美味い。こんな魅力的な所がある場所に俺は住めるとは、良い買い物をしたものだ。…俺が住む場所は夜になると街灯すら無い辺りが農園の片田舎なわけだがね。


 今日だけで何百キロツーリングしただろうか?最後にこのバイクと良い思い出が作れたと思う。そして、茨城の魅力も知れたしとても唯意義な一日だった。


 これでバイクとのラストランが終わった。あと引っ越しまでに俺がやる事と言えば、

・青央さんにバイクを売る

・納車

・引っ越し準備

・引っ越し手続きの残処理

くらいだろう。着実に事が運んでいる。


 さて、青央さんにバイクを売る日程の調整でもするか。いや、その前にツーリングでついた汚れを洗車するのが先か?

 俺は仕事をしていた時とは違った、有意義な忙しさに包まれながらその日はベッドに入るのだった。


私は料理の描写や食べる描写が苦手だと判明しました。

今回の話は書いていてわからなかった…

慣れないことはするものじゃないですね…

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