怪64
メルティの願いを叶えるため、クラウスは早速ユリアン達を誘おうとした。
「お。いたいた、ユリアン。今日の放課後……ど、どうしたんだ?」
「……はぁ?」
一年の教室から出てきたユリアンを見かけて声をかけたクラウスは、振り向いた彼の顔を見てぎょっとした。
夕日色の髪と整った甘い顔立ちが特徴のユリアンが、げっそりと憔悴して別人のようにやつれている。
「何があったんだ? 病気か?」
「何をおっしゃっているんです。僕は至って健康ですよ……」
ユリアンはにやーっと笑うが、どこか目の焦点が合っていない。その異様さに、クラウスは背筋を寒くした。
「それで、何かご用ですか?」
「あ、ああ。久々に一緒に茶でもどうかと……」
「申し訳ありません。帰ってやることがあるので」
「そ、そうか」
ユリアンはふらふらとした足取りで去っていった。
「早く帰って、コックリさんとお話しなくては……」と小さく呟くのが聞こえてくる。
「いったいどうしたんだ? ユリアンの奴……」
尋常ではない様子に不安になり、クラウスは二年の教室に向かいアメリアの姿を探した。
だが、その前にショーンを見つけて声をかける。
「ショーン。今、ユリアンに会ったんだが、何故かものすごくやつれているんだ。何があったか知らないか?」
ショーンは眉をひそめて顔を上げた。
「いや。最近は話もしていないが」
「そうか……うん。ちょっと調子が悪いだけかもな。そうだ、ショーン。久々にメルティと一緒に茶会をしないか」
「悪いが、そんな暇は……」
「メルティがアメリアも誘いたいというんだ。アメリアの奴も最近なんだか様子がおかしいことがあるし、一度じっくり話し合うべきだと思ってな」
それを聞いたショーンの耳がぴくりと動いた。
「アメリア嬢も……」
「ああ。これから誘うんだが」
「なら、俺も一緒にいこう」
ショーンはおもむろに立ち上がった。
(どうせ、アメリア嬢からは話を聞かねばと思っていた)
丁度良い機会だ。そう思い、ショーンはクラウスと共にアメリアを探しに出た。




