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最弱勇者の英雄譚  作者: ギン次郎
4章 回帰する記憶
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4章幕間 誰か

 誰かがいる。

 誰かがいる。

 絶対に誰かがいるはずなんだ。

 でも、それが誰なのかがどうしても分からない。



 最初に違和感があったのはあの時だ。

 それは初めて転生してきた時。俺は遥か上空から自由落下の後に、地面に叩きつけられた。だが、その時はウダッツが下敷きになったとはいえ、俺は不自然な程に無傷だった。


 次に違和感があるのはレンネル大陸の宿屋でのこと。

 俺はそこで『誰か』と会った気がしてならないのである。だが、それがどうしても思い出せない。まるでそんなこと最初からなかったことであるかのように……。


 そして次が竜の谷でのアルファルド戦。

 一度マイによって逆鱗が斬られたのにも関わらず、あの時何故かアルファルドは再び動き出したのだ。

 もちろんそれはアルファルドだからといって普通は出来ないことのはず。なのに、何故かあの暴魔竜は逆鱗を斬られてなお立ち上がった。


 そして最後がバビロニアでの牛老角戦。

 初めの劣勢の時、あと一歩で牛老角の勝利という時にあの時はちょうど雨が降ったのだ。おかげで俺達はなんとかなったのだが……。

 あれにも少し違和感がある。だっていくらなんでも都合が良すぎやしないだろうか? まあ確かに自然現象なんだし……と、言われればそれまでだが……。



 違和感がある。

 ここまでの旅路にどうしても拭いきれない違和感がある。

 だから、この違和感の裏にはきっと『誰か』がいるはずなんだ。



 誰かがいる。

 誰かがいる。

 絶対に誰かがそこにいる。

 でも、それが誰なのかが……どうしても俺には分からない。


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