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追放王子と残酷王妃  作者: ナナイロナイト
第二幕 愛し合う二人
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ソコレイニ伯爵夫人からメローア王妃への手紙

『親愛なるメローア妃陛下。謹んで申し上げます。

 寒さ厳しき折、いかがお過ごしでしょうか。このところ舞踏会でもお見かけできておりませんが、お体が心配です。

 帝国ツヤマドルトとの戦争が始まりそうで、とても心配しております。その際には、バラストゥル国王陛下もお忙しくなるのでしょう。

 舞踏会も戦況次第では中止になるとか。ますますお会いできる機会が減ってしまいます。

 次にお会いできたときは、少しでも妃陛下の慰めとなれますよう故郷バリステのお話をしたいと思っております。

 今頃は、バリステ最大のお祭りが開催されていることでしょう。バラストゥルに嫁いでからはとても静かに暮らしておりますので、時折、バリステ城下の賑やかなお祭りを思い出しては郷愁に浸っております。

 娘のアサヒとユウキは12歳になりました。とても仲良くて親として心配になるほどです。

 大人になりつつある二人を、いつまでも狭い世界に閉じ込めておいては健全な貴族になれないと思い、寄宿学校に入学させようとソコレイニ伯爵と相談しております。

 その際に、王室の推薦状をいただければ幸いです。

 王家の子女も通われております名門サントリーニ校がアサヒの進路希望先です。

 ユウキはとても利発です。芸術・算術・剣術、どれも教えればすぐに吸収して自分のものにしてしまいます。

 先生方が「自分が教える必要がない」と舌を巻いて辞めてしまうほどです。毎回、家庭教師選びに困ってしまいます。

 顔立ちも整っており、12歳にして逞しさの中に爽やかさもあり、遊びにくる婦人方に大人気です。

 貴族のご令嬢との縁談もすでにいくつか頂いておりますが、本人はまだ早いと、聞く耳を持ちません。ずっとアサヒと暮らしたいと言うので、仲良いことはうれしいのですが、そういうわけにもいかず困ってしまいます。

 ユウキには、世界中から王子・皇太子が集まるという国外のロレアンド校を受けさせようと思っております。ここで国際感覚が身に着き、各国とのパイプができると思います。いずれ、バラストゥル王国を背負って立つ素晴らしい人材になるはずです。

 どうか、メローア妃陛下のお力添えをお願い致します。

 いついかなる時も、私はメローア妃陛下の心の友です。

 バラストゥル王室の益々のご発展とご繁栄をお祈り申し上げます。 かしこ』

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