表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王様は魔法使い  作者: 萩野満月
第一部 名前を憶えてもらえない系女子
1/12

プロローグ


 ある日、一人の女性が針仕事をしていた。


 大きな黒壇の窓枠のある薄暗い部屋。

 小さなテーブルとイスだけの殺風景な部屋に、

 黒いローブで身を包んだ女性が座っている。


「あら、雪だわ。」

 

 女性が窓の外をみようと、体を起こすと右手に激痛が走った。  

 

「・・・切ってしまったわ。」


 指先から出たばかりの鮮血は、鮮やかな朱色。

 

「綺麗ね。」 


 女性は、しばらく自身の指先を眺めていた。


 やがて手に持った裁縫道具をテーブルに置き、黒壇の窓に近づいた。

 女性はお腹に手を回し、歌うように語りかける。


「この雪のように白く、

 この血のように赤く、

 この窓枠のように真っ黒な子供でありますように。」


 女性が優しくお腹を撫でる姿は、まるで聖母そのもの。


「あたしの可愛い子供、エリザベット。どうか、あなたの人生に幸あらんことを。」






 その年の雪解け、とある国の侯爵家に容貌の優れた娘が誕生する。

 彼女の母が願った通り、

 雪のように白い肌、血のように赤い頬や唇、黒檀の窓枠の木のように黒い髪を持つ娘。

 人々はその姿から、御伽噺に出てくる「白雪姫」ようだと、口々に褒め称えていた。


 彼女の名前は、エリザベット・ロチュス・トランティニャン。

 トランティニャン侯爵家の一人娘。


 やがて、彼女のもとには、7人の小人と白馬に乗った王子様が現れる。

 

 これは、とある小さな国のお話。


初投稿です。緊張しますね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ