薄れゆくあなたにもう一度
たとえあなたが私を忘れても、私はあなたを覚えてる。
あなたが自分をわからなくても、私があなたに伝えるよ。
今はそんなこと言えないけど、不安そうなあなたをみてるから、
「ごめんね」何て言わないで、「ありがとう」って言って欲しい。
苦しいのはわかってる、だから我慢しないでいいよ。
あなたは強がりだから、見せないとは思うけど、
頼って欲しいんだよ?
たとえあなたに残された、時間が少なくても、
私があなたを暖める。だからせめて諦めないで。
どんどん薄れ行くあなたの意識、さらさらこぼれ落ち行く楽しい記憶。
なんだか軽くなったみたい。少し小さくなったみたい。
見上げるほどあったあなたの顔が、もう目の前に落ちている。
キラキラ輝いていたあなたの瞳、今は曇ってどこを見ているの?
私はここにいるのに、ちゃんと目の前に立っているのに、
あなたはもう私を見ない。あなたから私は消えたのね。
あなたが目を開けなくなって、あなたが箱に閉じ込められて、
今目の前で空に昇って、いつか小さくなって戻ってくる。
私もそろそろ限界そうで、もうすぐあなたに再会できそう。
そのときあなたは、分かってくれる?
もう一度私の名前呼んでくれる?あの優しい声でもう一度、
「・・・」って私のことを、もうダメみたい。
自分の名前もわからない。誰かが私を呼んでいる。
また会おうね。