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第二話:風を統べる者

俺は驚きを隠せなかった。

ただのアホな鳥種だと思ってたピトは、自分が大火傷してもなお俺の前に立ち俺を庇おうとした。

ピトは神が嫌いだと言った。でも、ピトは神に愛されているのかもしれない。

全部吹き飛んで消えてしまえとピトが叫んだ瞬間、悪魔種の奴が俺に向けて放ってきた炎を跡形もなく風で吹き消した。

ピトは、能力者だった。未だ加護を与えたことのないと言われる風の女神、アウライの加護を授かった。

そんな驚きも束の間だった。ピトはそのまま意識を失い倒れてしまった、火傷も酷い。

このままでは危ないと俺は判断した。


ホース「ピト、心配するな!俺が助ける!」


そうは言ったものの状況は何一つ変わらない。

相手は炎の神、アラズの加護を授かった者だ……

俺は必死に打開策を考えていたけれど、相手がゆったりとした口調で言ってきた。


???「あぁあ……ビックリしたぁ……その鳥種に死なれちゃ困るなぁ……僕が怒られちゃうよ……」


ホース「怒られる?いや、それよりお前らは何者だ!なぜ俺たちを襲う!」


ベルドラ「あぁ?俺はベルドラ=ビーラ……なんでって……アンタが大地の女神、ガイアの加護持ちだから……かなぁ?ボスが必要って言ってt」


ゴンッ(殴った音)


ベルドラ「イッタァ……何すんのさゼクシー……」


ポイド「下の名で呼ばないで下さい!ポイドと呼べと何度言えば分かるのですか!」


ベルドラ「えぇ……」


ポイド「あと喋りすぎです!」


ホース「悪魔種の次は異形種かよ……」


ポイド「なんですか?異形種では問題ですか?大体!あなた方動物類の種族共は異形種に対し偏見を持っているのです!」


ベルドラ「ポイド……」


ポイド「何故異形種と言うだけでそんな嫌な顔をされなければならないのですか!そもそも!異形種の実態を把握しきれないあなた方に責任があるのです!」


ベルドラ「ねぇ……ポイド……」


ポイド「形が異なるだけで何故理解しようともせず排除しようとするのか理解に苦しむのですよ!」


ベルドラ「ねぇってば……」


ポイド「なんですか!吾輩は今大地柱(ダイチバシラ)に話をですね!」


ベルドラ「もう居ないよ……」


ポイド「何時の間に!何故もっと早く言わないのですか!」


ベルドラ「何度もゼクシーを呼んだよ……」


ポイド「だから上の名前で呼べと!」


~一方ホースの方~


ホース「なんとか隙を見つけて抜け出せたな……このまま急いで国へ戻ろう!ピトの体が熱い……」


ホースは全力で走った。

馬種である彼は本気で走るとかなり速い。

数分で国の門へと着く。そこには犬種の門番二人が立って居た。


門番A「ホース=ベルト様!その鳥種は!」


ホース「そう言うのは後だ!この子は怪我をしている!この子を死なせるわけにはいかない!」


門番A「かしこまりました!門を開けろ!」


門番B「らじゃ!」


門が開くとホースは王城へと向かう。

ホースの帰還に国民は声援を送るがホースの抱えるピトを見た瞬間国民の目線は変わる。

鳥種であるピトへの態度は予想通りだ。しかし、だからこそホースは少し心苦しくもあった。

これで本当によかったのかと、そう思っていた。

王城に着いて直ぐ出迎えてくれたのは猫種の王女、クイーンであった。


クイーン「ホース?その子は?」


ホース「女王陛下!この子を貴方の奇跡で救っては頂けないでしょうか?私の命の恩人でございます。」


クイーン「分かったわ。あなたが誰かのために必死に動くのは珍しいものね……お母さん嬉しいわ!」


そう言うとクイーンはピトに触れる、その瞬間優しい光がピトを包む。

この国の王女、クイーンは生命の神から癒しの奇跡を授かっている。

クイーンは心優しく、誰でもこの奇跡で救ってきた王女だ。


クイーン「これで火傷は治ったわ、後はこの子が目を覚ますのを待つだけよ。それよりホース、状況を説明してちょうだい。」


ホース「分かりました。」


ホースはクイーンに一部始終を説明した。

ピトが幻森の迷い子であること、ピトが自分に話してくれたこと、悪魔種と異形種が襲って来たこと。

そして、ピトが風の加護を授かった子であること、何よりホースがピトの里親になるという事を。


クイーン「なるほど……状況は把握しました。この子には(ワタクシ)の息子を救ってくれたお礼をしなければなりませんね。何より、あなたが無事でよかったですよ。ホース……」


そう言うとクイーンは優しく微笑んだ。

この国の王と女王は猫種である、なのに何故馬種であるホースが二人の子なのか。

彼もまた、王と女王に拾われた迷い子であるからだ。

しかし、ホースはそれを認めはしなかった。何故なら自分は『存在するはずのない』人物であったから。

優しい二人に不相応だと思っていたから。


クイーン「大地の加護を授かった迷い子、そして歴代初の風の加護を授かった迷い子。これは何かの運命かもしれませんね。数億年前の逸話のような、悲劇が起きないといいのですが。」


ホース「そう……ですね。」


数億年前の逸話。それは『十神神話(トシンシンワ)』の物語として現代まで語り継がれてきた。

炎、水、植物、大地、氷、雷、風、光、闇、生命の神々が世界を作り出した。

炎の神は横暴だが仲間思いな神だった。水の神は淑やかで美しい神だった。植物の神は明るく元気な神だった。

大地の神はとても頼もしく誰にでも優しい神だった。氷の神は物静かで大人しい神だった。

雷の神は大雑把で不器用な神だった。風の神は他神を嫌い孤独を好む神だった。

光の神は闇の神と双子の神だった。光と闇は対となり、性格も正反対な神だった。

生命の神は偉大な神だった、すべての神を纏め統一していた。

相性も好みもバラバラではあったが、とても仲が良い関係であった。

世界を作ったあとも、個人個人の特性を生かしより良い世界を作るため頑張っていた。

しかし、それも長くは続かなかった。風の神と光と闇の神が仲間を裏切り、生命の神を殺した。

怒り狂った炎の神は、大地を焦がし仲間だった植物の神を焼き殺した。悲しみに呑まれた水の神はその姿を消した。

氷の神と雷の神は裏切り者の神を止めようとしたが殺されてしまった。

残った大地の神は、狂い踊る炎の神を哀れに思い炎の神を殺した。そして光と闇の神を大地の深淵に封印した。

残った風の神と大地の神は親友同士であった。風の神は自分の犯した罪を思い詰めていた。

親友を殺すことも出来ず、風の神は自らこの命を絶った。

大地の神は最後の一人になってしまった事に涙した、大地は焦げ、生命は絶え、水は枯れ、作ったころとは無残に変わってしまったこの世界に絶望し、最後に大地の神は己の魂を捨て生命の神へと譲った。

生命の神は復活すれど他の神はもう居ない。自分が作り出した我が子の神たちは、母である己を殺し全てを破滅へと導いてしまった。その切っ掛けを作ってしまった生命の神は悔いた。

もう亡き我が子等の化身を作り出し、世界を作り直し生命の神は姿を消した。

そして他種族の住まう下界では神々の加護を持つ者が現れたと言う、今神々の化身が何をしているかは誰も分からないのだとか。

だが誰もが思う、この話は本当に真実なのか?

そして、誰がこの話を伝えて来たのかと。でもある人は言った。僕が伝えて来たのだと。

何時しかこの物語は『時の神の虚言』と言われた。


ちょっとネタ尽きそうw

あ!そうそう!今週の金曜日ポケモン発売日ですね!

え?何が言いたい?(聞いてない

それはですね…暫く投稿ないと思います(;´・ω・)

いやね、ポケモンイーブイするためってのもあるのですが何より…

もうすぐテストがね……言い訳乙なのは重々承知ですが、多分次回の投稿は来年になるかと…

あ!でもキャラ紹介は近いうちに出しますよ!多分な!w

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