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亡国からの冒険者(無)  作者: 圭作
第1章 レベッカ
7/11

リナルド・リアン

 リナルドが元賢者であると思い出したのは4歳の頃である。


 そして思い出す度に…今までは新しい発見ばかりの鮮やかな世界が知っていることばかりになり……暗くつまらない世界になるのだ。


 それが分かってるからこそ無理に記憶を引き継ぎたいとは思わなかったのだ。


 そんなある日、今の父親に連れられ王宮で勉強する事となる。

 そこで僕は不思議な少年に出会ったのだ……


 彼は、僕の事を見るなりお前は今日から俺の弟だ!なんて意味の分からない事を言いこれだから子供は…と呆れながらも半年ほど一緒に学んでいるうちに

 彼の生い立ちを知る機会が何度かあった。


 彼は、大英雄(あいつ)の子孫みたいでそれでいて聖痕が無いことを陰では無能王子と言われてるらしい…

 それを知っていながらも、それと向き合い自分なりに腐らずに生きていると知り久しぶりに少しだけ興味が湧いたてきたんだ。


 いつしか僕にも何か出来ることが無いか?と思うようになっていた。


 そんなある日、王宮にモーティシアという魔女がやってきたのだが…

 王様がわざわざ僕の為に呼んでくれたものだった。


 また魔法をもっと覚えたいと思っていた僕は本当に助かった。


 (そもそも早く記憶なんて消えればいいのに!)

 と思っていた僕は今まで魔法の練習をしなかった

 だからそのせいで聖痕の力が少し使える程度だったんだ。


 因みに僕の聖痕は、何度転生してもいつもヒュノプスが宿ってくれて

 またこの力も更に使いこなせるようになりたいとも思っていた。


 モーティシアは優秀な魔女で、僕の左手にある聖痕を見てヒュノプスである事に気づき、かつて賢者が宿していたという事まで知っていた。

 そこで少しだけ驚かせてやろう!と思い僕が賢者だと打ち明けてみたのだ。

 すると…全く驚くことなく信じてくれたが……

 正直驚かせなかったのが少し悔しかった。



 ある日モーティシアから相談があった。

 僕は珍しい事もあるものだとなぁ…と思いどんな話だい?と尋ねると…



 「最近、王子からその、視線がヤラシイ気がして」

 「ティヒヒ、ガト兄も大英雄に似てきたね」



 ただ、その年からガト兄はどこか行き詰まってるような…そんな気がする。

 だからこそ 少しでも力になってあげたくて僕は必死に魔法を覚え研究した。


 以前より大英雄が試練の間で後継者を待っているのは知ってたが、連絡手段がなかった無かったのだ。

 だからモーティシアの手も借り研究を重ね18歳の時に完成させたのだ。


 そこから大英雄と連絡を取り…ガト兄に足りない物は1つだと知り、まずは僕が賢者の生まれ変わりである事を王に打ち明けた

 そして信じてもらい作戦を実行したのだ。


 数日で帰ってくるとそう考えていたのに5年、10年と過ぎていったのだ。

 王は僕を責める事なくそのまま息を引き取り年々国は弱体化していった。


 20年が経過したある日…災厄は突然訪れる。


 それは皆が寝静まる深夜の出来事だった…

 何の前触れもなく王都の中心部から大きな塔のような物が

 モンスターと呼ばれる化け物共と一緒に現れたのだ。


 深夜だったのと弱体した国の兵士達では対応しきれず…

 あっさりと王都は陥落し、僕もまた港町のディステネに身を寄せていた。

 世界の様々な場所でこの現象が起きた為支援も期待出来ないとの事


 それを知り僕はせめて、ガト兄が帰った時に知っている町を残してあげようと思い決意する。


 そして歳を全く取らないモーティシアに別れを告げ、1人王都に向かったのだ。


 長い間常に研究を重ねてきた成果の一つである、自分の命と引き換えに特上級の大魔法を王都のダンジョンと後に呼ばれるものに放ち消滅させ…



 「待ってるから」



 と言い残し、静かに目を閉じた。





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