村人からの反応は
ドウコウは村人の家を出る。
すると、村人の集団が取り囲んできた。
「お前、本当に勇者なのか?」
「人の家に入り込んで、恥ずかしく無いとは思わないの!?」
罵声や怒号が飛び交う。
それでも黙秘を続けるドウコウ。
そんな中、ある一人が弁明に入った。
「落ち着こう、落ち着こうよ……」
――――――――――
ノートの5ページは、ここまでしか書かれていない。
しかし、その次のページには弁明している人物と思われるキャラクターのイラストが。
挿絵のようなものだったのだろうか。
茶色の長い髪、左手に古そうな杖、異様に大きく描かれた胸。
服装から、魔法使いかシスターという設定なのか?
その割には軽装な気もするが。
顔や体の線は、今の自分から見ればガタガタだ。
目は異様に大きく描かれており、ガタガタな線も相まって気持ち悪い。
そして、そのキャラクターの絵の周りには、「神を信じし魔法使い」という二つ名らしきもの、
「火」「水」「助」という適当すぎる魔法の名前とその発動コマンド、
「攻撃」「防御」といったステータス、
「悪は、神の業火に焼き払われよ」という痛々しいセリフが書かれていた。
キャラクター名も、二つ名の下にデカデカと書かれている。
「テヌキーニョス」という名前だった。
なんというネーミングセンスだ―――――。