人食い植物との戦い、そして宿敵出現
カンスケとリミは、人食いともされる植物「ソンザイーギ」と遭遇した。
「はあああああっ!」
まずはカンスケが走り出し、剣で縦から切りつけようとする。
だが―――――。
ソンザイーギの体が突如として固くなり、剣が跳ね返されて後ろに飛び、草原へ刺さった。
「植物のはずなのに……固い……?」
「……これならやれる、水」
リミも水の玉で攻撃する魔法を唱えるが、固くなった植物の体には通用しない。
その植物は、まずリミを飲み込もうとする。
「効いてませんね……。 これはどうすればいいのでしょうか……」
攻撃が通用しなかった様子を見て、ナイが困り始めた時の事だった。
都合良く、2人に味方が現れた。
「フッ……。 どうやら苦しんでいるようだな……」
その男は黒い鎧を装備し、太く長い真っ黒な剣を両手で握っていた。
「この程度での苦戦はしない事だ、"英雄の子"よ」
どうやらカンスケの事を知っているらしい。
そして男は植物へと走り出し、黒い剣で横から切りつけた。
切りつけられたソンザイーギは横に真っ二つになり、枯れた。
「あれは……誰なんだろう?」
自らの剣を取りに行っていたカンスケも、思わず気にしてしまう。
どうにか剣は折れていなかったが、カンスケが歩いていた道に戻ると―――――。
「貴様が……ドウコウの血を継ぎし者なのか?」
男が先程植物を切った剣をカンスケの首へと向ける。
「確かにそうだ。 でも、そんな僕の首を狙って何をするつもりなんだ?」
カンスケは訊いた話に答えた。
「おいおい……。 俺は貴様が苦戦していた植物を倒してやったんだ、最低限の感謝と礼は必要だろう?」
そう言いつつ、男は首と剣の間を少しずつ短くしていく。
「その事は認めた上で、何かを見返り与えないといけないのは事実だ。 けれど、それが僕のような人間を殺していい事にはならないだろ!」
彼が言っている事に反論していると、男は思わず高笑いをし始めた。
「フッフッフッ……フハハハハハッ! 魔物を平然と殺める貴様如きに、それを言われるとはな!」
「うっ……」
「では、ここで1対1の戦いといこうか……」
男は剣を首の側から離し、カンスケとの勝負を挑んだ。
「構わない。 勝負だ!」
「ほう……。 それならば先に言ってやろう。 貴様はここで我が『タラタラの血を継ぎし者』チャラチャロスの前に敗れ、此所に大いなる醜態を晒す事となるだろう!」
こうして、カンスケはソンザイーギの次にチャラチャロスと戦う事になった。




