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盗みをやらかすという事
ドウコウとテキトーネは、ドウタラを目指して進む。
城下町を旅立って40分ほど過ぎ、到着。
「着きましたね……」
「もっと近い所があっただろ……」
村に着き、話しながら歩く。
まずドウコウが訪れたのは、村人の家。
「町に来たんだ、こうやって金を稼ごう」
机や棚が置かれている。
「ドウコウさん!? いけませんよ、その行為は! 勇者というのはそういう事ではな……」
「金が無いんだ、これぐらい普通だろ?」
「嘘は、ついてはいけません! とにかく、この事をやってしまうと村人からは……あの……」
テキトーネの注意も無視し、ドウコウは棚の中から200Meを盗り、袋の中へ入れる。
「本当に何やってるんですか!?」
「泥棒は、勇者の特権! だろ?」
「そんな訳がありません! 今すぐ、棚の中に戻してください!」
「しょうがねえな……」
彼はそう言って、200Meを元の棚に戻す。
「……他の町や村でも、絶対にやらないでくださいね?」
彼女は、彼に向かって警告した。
「……まあ、それが普通か」