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退治を終え
そんな2人に、村の住民達が集まってきた。
「助かりました、勇者さん!」
「これで、何をやられるか怯えずに済む……!」
「お礼にこれを……」
カンスケは囲まれた上に、一人一人の声が大きいせいで反応に戸惑う。
「それほどでも……」
「……行きましょう」
次第に騒ぎは大人しくなっていき、カンスケは人々の中から抜け出せた。
そして彼はこう言い、次の目的地へと向かう。
「また来るかもしれません、それでは」
村を出たカンスケとリミ。
そんな中で、ある城では―――――。
粉々になった、カプセルと思われるものの破片。
そこに、部下である魔物がやってくる。
「甦りましたか、魔王様!」
「所詮剣撃一つで、野望を潰えさせる訳にも行かないからな」
「しかし、申し上げにくい事が……」
「言ってみろ」
「あの忌々しい勇者の子孫が、城へと向かい始めました!」
「ほう。 例え何人を引き連れて現れようが、捻り潰せば良いのみだ」
あの魔王が、また動き出した。




