まず村へ
ナイの存在を確認したカンスケは、こう話しかける。
「それで、ここから一番近い村は?」
「1時間くらい歩くと、カウタという村があります」
「そこに行ったら、魔王城に近付けるのか?」
「……はい」
そうして、カンスケはカウタ村へ。
その道中、髪や装備が青色の魔法使いらしき姿の女性がいた。
左手には、蒼木で作られた青色の杖。
肩までの髪は、布製の輪で馬の尻尾のように束ねられていた。
城に向かっていたのを迷っているようだったのか、カンスケは話を聞く。
「すいません、何やってるんですか?」
「……誰?」
「僕の名はカンスケ、旅をしています」
「へえ……」
口数もあまり多くは無かった。
「ところで、名前は?」
名前を聞かれると、声の大きさを下げてこう言った。
「……リミ」
「リミ……? それは名前ですか?」
名前らしき単語を聞いたカンスケは、次に質問を投げかけた。
すると、首をわずかに上下に振る。
「リミというんですね?」
「……そうだけど、用は?」
リミは逆に、カンスケに質問を投げかける。
「旅をしているので、それについていってほしいんです」
「……仕方ない」
こうして、カンスケはリミを仲間にする事ができた。
――――――――――
リミという名前は、俺の幼馴染みの「凪屋里美」から来ている。
現在は蜻蛉学院大学という所に進学しており、体育会は卓球部のエースとして上手くやっているらしい。
高校の時から、そこそこ卓球は強いとは聞いていた。
そういえば、蜻蛉学院はもともと俺の通っている蜉蝣学園と同じ学校だったというが、話が長くなるので今は触れないでおこう。
その情報も、知人の母からの又聞きでしかないのだが。
そろそろ、次のページに入ろう。
やはりというべきか、リミのキャラクター紹介ページになっている。
構成等は今までのキャラクターと同じなのだが、作風が少し違う。
目のデザインが、異様に凛々しく見えるのだ。
そういえば、このキャラクターは考えたのも描いたのも凪屋だったか。
俺が話を書いて、一部のキャラクターは凪屋が描く事になっていた気がする。
だから、凪屋もこのノートを見た時は活気を失っていたのかもしれない。
服装は「Ⅰ」のソオだかキイだかのそれに似た、青い修道服のようなデザインになっている。
技名は「攻」「療」「水」といった、「Ⅰ」でテヌキーニョスが使っていた魔法のようなものが多い。
「†聖なる書†」では、魔法は大体漢字一文字なのだろうか。
やはりというべきか、技のコマンドも書かれている。
二つ名は「青の修道魔女」。
それと似たような名前の少年漫画を見た事があるような気がするが、その事は気にしないでおこう。




