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一人一体で旅が始まる
使命を与えられたカンスケは、こう言ってホニャララ城を出る。
「分かりました。 魔王を倒し、この地に帰ってきます」
カンスケは城下町の人々を無視し、平野の方へと向かっていく。
そして、緑一色の平野を見ながら、平和を取り戻す事を誓った。
「絶対に……平和を取り戻してみせます」
そのカンスケの左肩に、見知らぬ人間のような何かが座っていた。
違う種族なのだろうか。
「……ん?」
カンスケが気付くと、その「何か」は背筋を真っ直ぐにさせて驚き、こう言った。
「なっ、何も危害を加える事はありませんので……」
「まず、誰なのか気になる……」
「私……ですか?」
「そう」
「これから貴方にお供させていただく、「ナイ」と申します」
「それでは、次の村へ」
「分かりました!」
喋り方がほとんど同じだった1人と1体の平和を取り戻す旅が始まるのだった。




