5/66
一旦読むのを止めて
なんだ、この駄作は―――――?
大体、小説なのに何故コマンドや十字キーや操作ボタンが出てくるのか?
ネーミングセンスが無さすぎないか?
そんな俺が、最初だけ読んで初めて口に発した言葉は――――
「一体なんなんだよ、これ……」
これだった。
「自分のものなんだからさ、どういう経緯でこれを書いたのかくらいは思い出せるでしょ?」
「これが全7巻……。 苦痛だ」
「でも、読まないと捨てられないでしょ? どうせなら全部……というか、掃除は?」
「……読み終わった後に」
「そっか……。 それじゃ、私は別の部屋を掃除しておくから」
そう言って、幼馴染みは部屋を出る。
「……仕方ない、読むか」
彼女が部屋を出た後に、俺はノートを読む事を再開した。