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伝説から20年が経ち

 「まだ続くのかよ……めんどくせえ」

 俺は呟きながらも、オレンジのノートのページを開く。

 苦行は、未だに終わらないのだ。


 ――――――――――


 ドウコウが新たな伝説を作り上げてから、20年ほどが経ったランダム国。


 その北部はモザイク塔下町に、ドウコウの家族が暮らしている。

 父はドウコウ、母はテヌキーニョス。

 2人は、旅を終えた後に同居していたのだ。

 年齢は、2人とも37歳である。

 ドウコウは現在も、「伝説の男」として国民に支持されている。

 テヌキーニョスも、現在では「伝説の魔法使い」として魔法使い達の尊敬の的になっている。

 17年前、そんな2人の下に生まれたのが「カンスケ」だ。

 伝説の男と伝説の魔法使いの息子であるという事は、町民の憧れだった。


 そんなある日、男の叫び声が聞こえてきた。

 「ま、魔物だぁぁ!」

 魔物が現れると、カンスケは真っ先に立ち向かう。

 「おい! その格好で魔物に……」

 「大丈夫!」

 男の注意を聞き流し、魔物の前へと走っていく。

 「ナゲが2体か……。 楽勝だ!」

 左手に握った包丁で、カンスケはナゲの1体を切りつける。

 切られたナゲは、その場で倒れる。

 「……!」

 もう片方のナゲは、殺されるという恐怖心から逃げていった。


 「助かった、これはお礼だ」

 「良いんですか? こんなに」

 男はカンスケに、1000Meをお礼として差し出した。

 「要らないなら良いよ……」

 「300Meだけ、なら大丈夫ですか?」

 「う、うん……」

 しかし、カンスケは300Meだけを受け取った。

 人から貰うお金は、一部しか受け取らないのだ。


 そんな中、ランダム国内のある場所では―――――

 「騒がしいな……」

 あの魔王が復活していた。

 それも、ナントカカントカヌスとは違う肉体で―――――。

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