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魔法使いの衝突
「「はああああ!」」
二人は互いに、様々な攻撃魔法を唱え合う。
テヌキーニョスの「火」がキイに当たると、キイの「雷」もテヌキーニョスに当たる。
一進一退の攻防が続くなかで、テヌキーニョスはある選択をした。
「喚!」
1メートル70センチほどの人間のような魔物を10体ほど召喚させたのだ。
それは、カキクケンコ壁穴洞窟の迷路にて繁殖していた魔物と同じだった。
名前は「ラリルレバス」という。
しかし、その魔法はキイの前には無意味だった。
「数で勝てると思ってた?」
「え?」
「パーン!」
キイは上級爆発魔法、パーンを唱えられたからだ。
広範囲、高火力を両立させた、爆の強化版に相当する魔法。
これにより、召喚されたラリルレバスの集団だけが焼き付くされた。
何故か、町の建物への被害は無かった。




