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たまたま見つけた俺の黒歴史ノートに、とんでもない話が書かれていた件。  作者: TNネイント
「†聖なる書†Ⅰ 勇者ドウコウの伝説の始まり」編
34/66

塔を抜け出して

 この次のページは、「緑の人外」の紹介になっている。

 構図はほとんど同じだ。

 緑色の肌、様々な形の触手等が描かれている。


 その名前は、よりにもよって「ん゛」。

 当時の俺が、それほどふざけてノートを書いていたという事だろうか。

 他の情報は一切書かれていない。

 タラタラとその仲間以外の敵が手抜きという事か。


 この挿絵の次のページは、話の続きが書かれている。

 この男? を倒した後の話だと思われる。

 ここまで、40ページは読み進めた気がする。

 しかし、ノートは72ページまで。

 ただ、このノートの最後の内容は覚えていない。




 ――――――――――




 敵を倒したドウコウは呟いた。

「……やったな」

 その仲間はというと、脱出方法でのやり取りを繰り広げていた。

「とりあえず……どうする?」

「転送魔法くらい、使えるはずよね?」

「私も、魔法使いではあるけど……」

「どうするんだよ、階段を下るのか!?」

「ごめん、それしか選択肢が無いんだよね……」

「……いや、みんなを覆う球体を生成する魔法なら使えたかも」

「最初から言いなさいよ!」

「それで降りるのか?」

「そんな感じかな」


「何の話だ?」

 ドウコウが会話に入ってくる。

「どうやってここから出るか、って話」

「あ、ああ」

「テヌキーニョスが魔法で生成した球体にみんなで入る、という事になったのよね」

「……そうなのか?」

「私は飛べるので、あまり関係は無いですね」

 テキトーネはそういって、先に1階へ向かう。


「ここは確か、階段が塔の壁沿いだったから……行けるかもしれない」

 少し階段を降り、テヌキーニョスは魔法を唱える。


「そんじゃ、いくよ。 球水!」

 生成された球水は、4人を包み込んだ。

「これ、叩いてもいいのか?」

「叩きすぎると割れるから、気を付けてね」

「それにしても、どうやってこの魔法を覚えたわけ?」

 サボテンノは、テヌキーニョスに話を訊く。

「街並みは古くさいのに、何故か銃やホバーボードが普及している国の魔法使いに教えてもらったんだよね」

「そんな国があるのね……」

「その国は、ランダム国からも転送魔法とかで行けるはず。 キマグレ王国……だったかな?」

「へぇ……」

 このあと、包み込んだ球体は1階に。

 そして、球体は音を立てずに破裂する。


「……着いたな」

「そんじゃ、行こうぜ!」

 塔を攻略したドウコウ達。


 次は、何処を目指すのだろうか―――――。

 キマグレ王国の魔法使いについては、一部他作品から参考にさせて頂いた箇所があります。

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