またしても絵だけのページが続く
これの次のページには、タラタラの仲間の3人と1体のイラストが、4ページで描かれている。
漫画よりはマシだとはいえ、イラストだけのページが多すぎるような気がする。
説明不足になってしまう面もあるにはあるのだろうが……。
最初のページには、ドウコウ対タラタラではほとんどセリフが無かった男のイラストがある。
いつも通り、真ん中のイラストの周辺に様々な紹介文が書かれている。
装備は分厚そうな灰色の鎧、左手に太く長いが何故か先端が変な剣。
顔も筋肉の割れている男によくあるゴツゴツした顔付き。
それでいて、何か悪そうな気配のようなものを感じる。
ドウコウの仲間なら、ジャマクセーノにあたるポジションのつもりだったのだろうか。
その代わり、技の名前は「ロロロロロ」「ンゴゴ」等手抜きと言わざるをえないものだった。
二つ名は「タラタラお墨付きの戦士」で、名前は「ザジズゼ」。
ここでも、当時の俺のネーミングセンスの無さを痛感させられる。
この次のページは、タラタラの真横にいたと思われる妖精の紹介だ。
焦茶のロング、紺色の服装。
肌も少し黒くなっている。
羽は赤のひし形のような形だ。
そんなキャラクターの名前は「ナニイルテ」で、二つ名は「反対の道を教えし者」。
反対の道とは、テキトーネとは正反対という事なのだろうか。
まだまだイラストは続く。
左下から読まされる漫画よりはまだマシなのだが。
次のイラストは、テヌキーニョスのポジションのようなキャラクター。
こちらも、タラタラの仲間の一人だ。
形だけ見れば教会に居そうなのに、黒地に青、黄、赤のストライプというカラーリングのせいでダサくなっている服装、豚の死骸を1000℃の高温で溶かして剣の型に流したと説明されている武器。
豚は鉄製のクリーチャーだったとでも言うのだろうか―――――?
髪型が長い黒髪のストレートという事も重なり、俺の中では「場違い」という言葉しか浮かばない。
技は爆発魔法と思われしき説明の載っている「パーン」と、この魔法を使うととんでもない事が起こるとしか説明されていない「ポア」の2つしか書かれていない。
魔法の名前もまずいのに、二つ名は「信仰に抗いし魔法使い」。
宗教の暗喩にしか見えない。
しかも、武器が魔法を使えるようには見えない。
名前が「キイ」という、先程までと比べてシンプルな名前も、何かの皮肉に感じ取れる。
そんな事も気にせず、俺は次のページのイラストへ。
青と赤のツインテールで、黄色を基調とした服装。
武器は弓矢で、ドウコウの仲間の一人であるサボテンノとは正反対のものと思われる。
技は「ワヲン」、「炎氷雷の衝撃波」「弓撃の流星」の3つ。
二つ名は「タラタラと旅する弓使い」で、名前は「ソオ」。
こちらも比較的シンプルな部類に入るが、何か裏がありそうだ。
そして、何故か書かれていたキャラクター説明には「女性でありながら、キイに恋心を抱く」という文章が。
ただ、この設定を考えたのは中学2年の時の幼馴染みだった気がする。
キイが当時の俺で、ソオが当時の幼馴染みだったか。
この苦痛の連続をも乗り越え、俺は†聖なる書†1を読み進めていく―――――




