伝説の始まり
ウンタラ城―――――
ここに、新たな勇者が誕生しようとしていた。
「ドウコウ。 お前は魔王・ナントカカントカヌスを倒し、このランダム国を救う勇者となるのだ」
金色の玉座に座る「フンダララ国王」は、国に住む青年・ドウコウをこの城に呼び出した。
赤と金色のローブ。
白髪に白い髭を生やした男は、まさに「王」と呼べるものだった。
「分かりました、フンダララ国王!」
ドウコウはこの国王に言われた事に対し、そう返した。
「宜しい。 ならば、これを受け取ってくれたまえ」
国王がそう言うと、どこからか兵士がやってくる。
ドウコウに対し、赤い鎧や剣を勝手に装備させる。
「えっ?」
彼は、思わず困惑してしまう。
すると、国王はこう言って、彼に1000Meを与えた。
「これは、我々ランダム国からの新たな勇者の誕生を祝っての「特別支給品」だ。 旅の途中でどう使うかはお前に委ねる」
「分かりました! 魔王から、この手で世界を救ってみせます!」
そう言って、ドウコウは王室から出た。
「……行ってしまったか」
彼は城からも出ると、城下町の出口に向かい始めた。
「あれは……新しい勇者?」
「誰だよ、あれ……」
走っていると聞こえてくる、住民の声。
それでも彼は、城下町の出口を見つけてはこう言い、魔王を倒して世界を平和にするために旅立った。
「俺は……世界を救う!」
ドウコウの長い旅は、ここから始まった。