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たまたま見つけた俺の黒歴史ノートに、とんでもない話が書かれていた件。  作者: TNネイント
「†聖なる書†Ⅰ 勇者ドウコウの伝説の始まり」編
18/66

勇者、魔法使いに勝手に金を使われた挙げ句起こされる

 このイラストの次のページには、先程の話の続きが書かれている。

 まだまだページがあるという事に、俺は呆れそうになる。

 しかも、これだけで終わりではないのだ。

 結局、ここも読み進める事にした。


 ――――――――――


 そして、宿屋の一室での夜。

「おい、茶髪! 安静にさせた方が良いだろ!」

「確かに、無理に起こすというのもどうかと……」

 ジャマクセーノとテキトーネが、必死にドウコウの身体を揺らすテヌキーニョスを止めようとする。

「そんな事はどうでもいい! とにかく、ドウコウを起こすしか無いんだよ!」

「それが余計なんだろうが! 何回言えば分かるんだ!」

「余計じゃない! ドウコウがいないと、私もここにはいなかったかもしれないから!」

「確かにそうだ、俺も酒場の酔っ払いのままだったと思う。 ただ、それがその行動に至る切っ掛けにはならないだろ!」

 彼は、彼女を説得しようとする。

「疲れているだけだと思うわ。 ジャマクセーノの言う通り、安静にさせてあげなさい」

「……分かったよ」

 しかし、サボテンノに言われると、テヌキーニョスは勇者を起こすのをやめた。

 彼女は、2人より早く眠りについた。

「サボテンノさんが寝たので、あなたたちも静かにしてくださいね」

 テキトーネは、自らの口の前に人指し指を立てながら囁く。

 すると、数分で2人は寝た。

 その直後、彼女も眠りにつく。


 そして、翌朝。

 しかし、ドウコウは起きない。

 すでに起きていたテヌキーニョスが、またも起こそうとし始める。

 他の2人は、この様子を無視した。

 その数十分後の事だった。


「ふああああ……あ?」

 あくびと共に、彼は目を覚ました。

 そこに飛び込んだのは、身体を揺すり続けていた魔法使いだった。

「く、苦しい……」

「やっと……起きましたね」

「何があってここに……?」

 しかし、勇者は自分の居場所を知らない。

「あの戦闘の後、倒れていたんですよ」

「それでテヌキーニョス……だっけ? とにかく、この子があんたの金を勝手に使ってこの宿屋に泊まらせたのよ」


 そこに、1人と1体が説明に入る。

「……そうなのか。 大変だったんだな……」

「本当に大変だったんだから!」

「もう話はいいだろ。 そろそろ出るぞ」

 ジャマクセーノは先に宿屋を出る。

 その後、3人が宿屋を出た。


 その先には、数人程のカンタラの住民が。

「洞窟攻略、おめでとう!」

「ありがとうございます!」

 住民達はドウコウを取り囲むと、感謝と思われしき事を喋り始めた。

「あ、ああ……」

 本人は少し嫌がっているようだった。

 精は住民に対し、呆れ気味にこう言う。

「甘くしすぎるとこれですからね、この人」

 ドウコウが、そこへ優しめに頭を叩く。

「それは余計だ。 とにかく、次の町に行くぞ」

「はい」

 そう言って、ドウコウ達はカンタラの町を去った。

 東カンタラ洞窟の魔王軍の勢力を一掃した、という功績を残して。

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