東カンタラ洞窟
100体近くの魔王軍の兵士が、隙間なく配備された間。
見た目だけだと、ただ悪魔の角と翼の生えただけの男の集団に見える。
それでも一行は、1体1体を倒していく。
しかし、ほとんどの敵が棒立ちだ。
「はああああ!」
剣を振るうと、1体の敵に25ダメージを与える。
「ここで死ねるかあああ!」
ドウコウとジャマクセーノは、次々と敵をなぎ倒していく。
「左、左下、下、右下、右+Bボタンで、合体奥義を発動できます!」
「よし、いくぞ!」
彼の掛け声から、合体奥義が発動される。
「魔力の限界を、ここで!」
「俺は、悪だけを切り裂く!」
「この矢で、全てを変える!」
「合体奥義……ヤルキアンノカカス!」
この奥義で、大量の兵の間は白色の「裁きの光」で覆われた。
「さすがです、ドウコウさん!」
「こんなチョロいんだなー……」
「これだと、何か歯応えのようなものが無いんだよな」
「行きましょう。 そんな事、気にしてたら負けよ」
「そうだな。 行くぞ、洞窟の深層へ!」
呆れるテヌキーニョスとジャマクセーノを、サボテンノとドウコウがまとめる。
――――――――――
何が「やる気あんのかカス」だよ、ただの暴言じゃねえか。
ネーミングセンスが無さすぎるだろうが、当時の俺。
そう感じたページだった。
その次のページには、ドウコウのイラストがある。
†聖なる書†の主人公という事もあるのか、以前の4人よりは力の入れようが感じられる。
しかし、容姿はどこかで見覚えがあるものが混ざり合っているようだ。
金髪でボサボサにも見える髪は「ラットインジャスティカ」の主人公である「ジン」に酷似していて、鎧のデザインは「ディフィーテッドデビルV」の主人公の装備する青色の鎧を赤色に変えただけに見える。
そして、右目に眼帯。
その割には、剣の形状は普通だが。
この人物像の周辺には、例に漏れず技名や二つ名が。
「合体奥義・ヤルキアンノカカス」を筆頭に、「剣技・ニゲロ」「奥義・テッタイ」といったこれまた適当すぎるネーミング。
そして、格闘ゲームを彷彿とさせる技の発動コマンド。
二つ名は「伝説を目指し進み行く正義の勇者」。
住居侵入で村から追放された事を含めてそんな二つ名を付けているのかは、今の俺には分からない。