初めての洞窟
「……遠いな」
十数分歩いたところで、ドウコウがこう言い始める。
「洞窟はもう見えてるのよ?」
それでも、洞窟の入り口が見えてくるまでには歩いてきた。
「……あれか」
一行は、洞窟の入り口の前で立ち止まる。
「着いたな……」
「そんじゃ、行こっか」
こうして、ドウコウ達は東カンタラ洞窟の中へ。
すると、どこからか声が聞こえてくる。
「ククク……。 ようこそ、光という名の希望の無い、闇だけの世界へ……。 我の構築されし、暗黒の洞窟で苦しめ!」
「誰だ? さっきのは」
「ナントカカントカヌスとかいうのじゃない? 知らない」
「それなら、どうやってここに声を……?」
「そういう魔法を使っているんだろうな」
会話しながら洞窟を進むドウコウ達。
しかし、その気の緩みが仇となる―――――
「ここで死ねえええ!」
大量の魔王軍の兵士のいる場所に足を踏み込んでしまったのだ。
すぐに取り囲まれたドウコウ達一行。
「……やるしかないみたいだ」
彼はそう言って、剣を敵の方に向ける。
「……だね」
「そうだな」
「ここで死ぬわけにはいかないわ!」
その仲間たちも、自分の武器を前に向ける。