魔王軍探し
しかし、魔王軍探しは数分で投げ出す者もいた。
「はー、めんどくさ。 それらしいの全然見つからないんだけど?」
「大体、どれがどう魔王軍なのか分からないと、私としても行動できる訳がないじゃない!」
「それなぁ……。 共通のマークか何かあったりするの?」
テヌキーニョスとサボテンノだ。
元々この2人は、多数決でも洞窟派だった。
「おい、何やってるんだ! さっさと手伝え!」
そこにジャマクセーノがやってきて、2人に渇を―――――
「予め、どういう格好なのか聞いておけば良かったじゃない!」
「単純にめんどくさいからなぁ」
それどころではなかったようだ。
そんな状況で、ドウコウとテキトーネがやってくる。
「だからドウコウさんは……。 濡れ衣を着せてしまう可能性だってありますし、仮に魔王軍だと分かったところでそれがちゃんとした功績になるか……」
「お前は俺に乗って魔王軍の方を優先したんだろ? 今頃何を言って……」
愚痴を言い始めるテキトーネと、今にもそれにキレそうなドウコウ。
「乗った結果が今なのかと考えて失望しているんですよ、私は」
説教の次は失望宣言を受ける勇者。
「だから洞窟のがいいって……」
「そうよ」
「……これはドウコウが悪いよな」
仲間からも呆れられる。
「しょうがない、洞窟を攻略するぞ」
そんなドウコウが編み出した選択肢が、予定の変更だった。
「ですね」
「確かにそうだけど……」
「最初からそうしなさい!」
「俺の力の見せどころだな!」
仲間たちの表情は、大きく変わった。
「聞いた話だと、ここから東に歩いていると見えてくるらしいです」
「そんじやま、行くぞ!」
「オーッ!!」
こうして、ドウコウ一行は洞窟を目指すことに。