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たまたま見つけた俺の黒歴史ノートに、とんでもない話が書かれていた件。  作者: TNネイント
「†聖なる書†Ⅰ 勇者ドウコウの伝説の始まり」編
11/66

絵だけの2ページ

 俺はようやく、†聖なる書†Ⅰを10ページまで読み進めた。

 ここまででも、苦痛だと言わざるをえない代物だった。

 それでも俺は、この黒歴史ノートを捨てるべく、次のページに進む。

 しかし、そんな俺の視線に飛び込んできたのは、2体のキャラクターだけが描かれたページだった。

 11ページと12ページは、キャラクターの紹介だけなのだ。

 11ページには戦士と思われる男、12ページには弓使いと思われる女が描かれている。

 まずは11ページの戦士から見ていく事にした。

 のだが―――――。

 「……はあ?」

 呆れるばかりに、思わず声が出てしまう。

 中心にはキャラクターが描かれているのは変わりはない。

 線は以前の2体ほどではないがガタガタだ。

 どう考えても変態にしか見えない鉄で女物の水着を作っただけのような鎧に、宗教的な問題を引き起こしそうな形状の剣、中途半端に付いた筋肉が描かれている。

 顔は性別の違いもあるのか以前の2体の目より細くて鼻が大きく、(ひたい)にはなぜか縦線が。

 そして、そのキャラクターの左に書かれた技の名前と、右上に書かれている二つ名は―――――

 「業火と激流の双剣舞ハイドロアンドプロミネンス」、「第三の目の闇光線(シャドーブラスト)」、「我が正義の光の剣撃(ソードスイング)」といった痛すぎる技名。

 その横には実際にゲーム化されたらゲームバランスが崩壊すること間違い無しであろう発動コマンド。

 二つ名は「第三の目を持ちし消去者(デリーター)」。

 デリーターという事は、どうやら戦士ではないらしい。

 決め台詞は書かれていないが、書き忘れたと考えて良いのだろうか。

 「ジャマクセーノ」というネーミングセンスの無さすぎる名前も、技名と二つ名の痛々しさを加速させる。

 と言っても、「†聖なる書†」のほとんどは中学二年の頃の俺が書いたのだが。


 それにしても、よくこんなノートを7冊も書けたものだと自分でも思ってしまう。

 主人公等は7冊で違ったような気がする。

 そろそろ、12ページの女弓使いに入ろう。


 どう考えてもライトノベルの表紙をトレスしたようにしか見えない目のデザインと姿勢。

 だが、目は少し釣り目にも見える。

 テキトーネと同じくらい小さく描かれた胸、異様に赤い(ほお)、鉄製らしき弓と異様に分厚い装備。

 所謂「ツンデレ」のつもりだったのだろうか。


 当時の俺は、インターネットでの動画視聴にもハマっていた。

 あるドラマCDの音声に違う作品のキャラクター等の音声を足して会話しているように編集されたものや、大型掲示板郡のフラッシュというものを親のパソコンでよく見ていた。

 もしかしたら、それに影響されたものと思われる。


 その周辺には、決め台詞に技やキャラクターの名前が書かれている。

 左上にある技名は「ブレイズ弓矢」「フリーズ弓矢」「ウインド弓矢」、そして「補」の4つ。

 左下には、その発動コマンドも。

 「補」はテヌキーニョスの回復魔法の上位互換だろうか。

 右下の決め台詞は「助けようとは思ってなかったんだから」というチョイスを間違えただろうものだけ。

 右上に書かれている二つ名は「朱の弓使い(アローシューター)」で、名前は「サボテンノ」。

 ジャマクセーノよりは普通だが、何故人間に植物の名前を付けるのかは今の俺には分からない。

 きっと、当時(中学2年生の時)の俺のネーミングセンスの問題だろう。

 それでは、13ページを開こう。

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