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大罪と美徳  作者: 秋雨
第6章 絶望と憎悪の宴
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第89話

大罪のナワバリに襲来した、4体の巨大ヒュージ合成獣キメラ

それらに大罪のナワバリの民間人、契約者問わず人を喰らい、街を破壊し、また次を求め駆け抜ける。


また、4体には特徴があった。

巨大である事と、ある伝説上の魔獣をモチーフとしている事。


そして、その魔獣とは“四凶”


「――渾沌か……合成獣キメラとはいえ、魔獣を躾けると言うのも一興か」


熊の様な脚をもち、長い毛の生えた犬の様な姿の巨大ヒュージ合成獣キメラ

傲慢のナワバリに現れた魔獣のその姿は、四凶の1体“コントン”



「おやおや、随分と食欲旺盛ですね――ですが、小生には劣ります」


羊の身体に人面、曲がったつのと虎の牙をもった巨大ヒュージ合成獣キメラ

暴食のナワバリに現れた魔獣のその姿は、四凶の1体“トウテツ”



「――めんどくせえ。随分好き勝手に暴れてくれたブン、キッチリ返す」


虎の身体に人の頭、イノシシの様な長い牙と長い尻尾を持った巨大ヒュージ合成獣キメラ

怠惰のナワバリに現れた魔獣のその姿は、四凶の1体“トウコツ”



「好き放題喰い散らかしやがったなテメエ! カラッカラの日物にしてやるよ!」


翼の生えた獰猛な虎の姿の、巨大ヒュージ合成獣キメラ

強欲のナワバリに現れた魔獣のその姿は、四凶の1体“キュウキ”



そして“嫉妬”、“色欲”のナワバリには、ブレイブクローンとブレイブトレースの襲撃が。

既に多数の死者を出し、乱戦へと発展していた。


そして、憤怒でも……


「怯むな! 1体に最低3人でかかれ!!」

「バイク騎兵隊! 真正面からはダメだよ、トリッキー戦法で連携とって!!」


憤怒の上級系譜、残虐の契約者、久遠光一。

最近上級系譜へと昇格した、冷血の契約者、桐生ナツメ。


その2名による防衛線は、まるで蝗の様な勢いで撃破され続けていた。

ブレイブクローン、ブレイブトレースにより。


「…………」

『…………』


ブレイブクローン

正義の系譜“忠誠”のブレイカーを使用し、投薬などで生体的に上級系譜クラスに強化され、強制学習装置により付け焼刃の思念を扱える生体兵器。


ブレイブトレース

こちらは、より優れた機動力、攻撃力を備え付ける為に身体をサイボーグ化し、手足から身体までが兵器となり、更には一条宇宙の戦闘データがインプットされた生体兵器。


「はっ……はっ……」

「どうする? 光一の兄さん?」

「……ユウを連れて来てくれ。俺がそれまで、持ちこたえる」

「でも、光一の兄さんだけ残してなんて……」

「切り札を切る。だから時間稼ぎくらいなら」

「――うん、わかった」


ナツメは納得した上で、バイクを駆りユウを呼びに。

光一は、黒いジャケットを脱ぎ、手に持った血まみれのガンサイズ諸共に投げ捨てる。


周囲のブレイブクローン、ブレイブトレースが、光一に狙いを定めそれぞれ攻撃態勢をとり、機を伺う。


ゴソっ……


「「「っ!」」」


光一がポケットに手を入れると、周囲がすぐに対応できるように構える。

その光一が取りだしたのは、薬品の詰まった小瓶だった。


その中身は、月に頼み調合してもらった、痛み止めと興奮剤。


「身体の元素の操作は、インプラント手術ほどじゃないがすっげー痛くてな……」


ふたを開け、中身をコクっと飲む。


「だから」


小瓶を姉妹、光一の身体が徐々に黒ずんでいく。

人体の3分の1を占める炭素が、硬度を持っていくことを現すかのように――。


「全身を硬化するには、薬に頼らなきゃならなくてね」


更に光一は、地面に両腕を叩きつけ、土中に含まれている元素を腕に纏い、それを電気を纏った刃の形に模る。

更に顔をそれで覆い、装甲の様な形にして……


「――この“雷凶王”。大罪相手だろうと、引けは取らないぞ!」


光一は切り札を切った。


右手を突き出し、手を広げる。

この状態でしか出来ない事もあり、その代表的な物が……


ピュンッ!


元素操作と発電能力を使用しての、レーザーを放つ事も出来る。

――ただ、昴のそれとは失も精度も異なり、溜めに時間がかかる事が欠点である。


「さあ、どんどん行くぞ!」


ザッ!


「ん?」

「……」


ザンッ!!


「ごふっ!」


光一は今、何が起こったかわからなかった。

1体、明らかに雰囲気の違うブレイブクローンが、一歩踏み出した。


それと同時に腹に激痛が走り、目の前にそのブレイブクローンが居た。


ポタッ……ポタッ……!


そして光一は、今の状態に気付く。

――目の前のブレイブクローンに、腹を貫かれていると。


「――この、感じ……うっ、嘘だロ……!?」


腹を拳で貫かれた状態で、光一は困惑していた。

明らかにブレイブクローンの付け焼刃ではない、系譜ではない大罪や美徳クラスの戦闘力。


それも――


「そっ……そら……さん?」


自身のボスと幾度となく死闘を繰り広げ、親友と呼び同胞と呼んだ、今は亡き男の――


ズボッ!


前勇気の契約者、一条宇宙の物。


そう確信したが、腹から腕を抜かれたと同時に、光一はその場に崩れ膝をつく。


「はっ……はぁっ……」


光一はガンサイズを拾い、それを杖に立ち――。


「……宇宙さん?」

「…………!」

「でも、何故……っ!」


ザンッ!!



「ナツメ、危なくなったら宇佐美を連れて逃げろ。宇佐美も、バイクから降りるな」

「……わかったよ」


宇佐美とナツメを連れ、ブレイブクローンとブレイブトレースを薙ぎ払いつつ。

ユウは戦線へと駆け付けた。


「……! こう、いち……?」


ただ1人のブレイブクローンにより

光一は両腕両足があらぬ方向へと曲がり、瀕死の重体と追い込まれている所へ。


「っ! 兄さん!?」

「え? あれが……! でも、確か先代勇気は死んだ筈じゃ……?」

「その筈だよ……でも、この感じ……!」


「……ユウ……ゆさ、み……?」


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