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大罪と美徳  作者: 秋雨
第4章 DEUS EX MACHINA
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第73話

「よこせ!」

「ぎゃあっ!」

「人間の分際で生意気にメシ何ざ食ってんじゃねえよ!!」

「契約者様に差し上げろってんだ! テメエ等はただ搾取されてりゃ良いんだよ!!」


グラッ!


「ん?」


ドオォォオオオンッ!!


「え? うわあああああぁぁあっっ!!」

「なっ、なんだ!?」

「くそ、どけ!! 死んでたまうわあああああああっ!!」

「たっ、助けて! 俺が悪か……あああああああああああっ!!」




「地震か?」

「まさか、またあの時の……」

「落ちつきなさい」

「賢二様」

「僕達はそんじょそこらの契約者ではありません。普段一体誰に鍛えられていると思っているのです?」

「そうでしたね」


グラッ!


「来るか? 来るなら来い!」

「俺達は生き残って見せるぞ! 白夜様に鍛えられて呆気なく死んじゃ、白夜様に合わせる顔がねえ!」




「ふぅっ……無事か皆!?」

「ウチは平気! だけど、何人かは……」

「一体何が起こってる?」

「…………」

「! しっかりしろ。大丈夫、俺達がいるから」

「あらら、ダーリンったら」

「? 怒らないの?」

「ご心配なく。上級系譜以上は重婚が許可されてるし、私もダーリンを束縛したくはないからね……秘密にしたら怒るけど」

「あっ、あはは~……っと、京の姉さん、さやかの姉さん、大丈夫?」

「だいじょうぶです~……でもでもぉ、いったいなにがおこってるですか~?」

「……アタシ達、一体どうなるの?」

「大丈夫、大罪の1人がついてるんだから」




「……」


両手を広げた白夜の眼前に広がる、底の見えぬ地割れ。

それは幾多もの命を呑みこみ、街を壊滅させた。


……氷を思わせる鉄仮面の様な無表情を、微塵も変えることなく。


「……あれが、正義と傲慢の真理」

「正義と傲慢の?」

「ああっ……俺の片目、そして宇宙を死なせた憤怒と勇気の真理とは、違う」

「っ!」


宇佐美は目を見開いた。

そんな宇佐美に構わず、ユウは傷が塞がったことを確認すると、ゆっくりと立ち上がる。


「…………」


自身の前に立ちはだかったユウを見ても、白夜の表情は変わらない。


「俺なんか眼中にない、か?」

「敵など最初から居ない」

「……敵として映ってないなら、俺は何てうつる?」

「考える必要もない。敵味方、善悪、そんな物自分に害があるか利があるかの、身勝手で一方的な価値観でしかない」


白夜は足を振り上げ、思い切り地面を踏みつける

その踏みつけた地点を中心に、轟音が響き大地震がひき起こされた。


「――純粋に初心に帰る事を平和の証と信じ、周囲から罵倒される茨の道と知りながらも、自身の対と手をとる事を選んだ勇気」


「――世の害悪を一掃する事を決意し、激し過ぎる時代の流れと壊れゆく世を憂うが故に、孤独に意思を貫き邁進し続けた正義」


「――聖母としての器であるに関わらず、上辺しか見ない者達に真意を捻じ曲げられ、汚名を被せられた慈愛」


「――対を失い、世を崩した重罪人と罵られながらも新たな対を守り、正と負の共存を実現し続ける憤怒」


揺れが収まり、木々が倒れ地面は荒れ果て、あちこちが破壊された光景を白夜は見回す。


「欲望も理性も越えた決断を下したお前達は、悪と評される存在でも、貶されて良い存在でもない。全てをおかしくしているのは、自分の幸福の為に他を省みず、理を捻じ曲げる弱者達」


その中で、水でガードする怜奈に庇われた宇佐美。

そしてマグマで身を守っていたユウ


「――だから消すのかよ? 世界ごと」

「否定まではしない……ただ教えてやるだけだ。“弱さは罪”、目の前の現実に抗えん弱者どもに、許される権利などあってはならない事を」


白夜が踵を返し、その場を離れて行く。


「……宇佐美、シンクロしてくれないか? ――真理を使う」

「っ!」

「真理を使うのに必要なのはシンクロと、俺だけが知ってるシンクロのある特性、シンクロした相手のブレイカーとの一時的な契約だから」

「っ! 待ってください。そんな機能が……」

「あるんだ……俺も宇宙とシンクロして、宇宙が真理を発動させたときに気付いた」

「兄さんが!?」


宇佐美は目を見開いた。

兄が、あの力を……と言う事実に。


「ただ、宇宙は真理の力に耐えきれず暴走。俺も止めようとしたが、真理に敵う訳がなく片目失って……アイツは自滅したよ」

「……」

「出来れば、真理の事までは墓にもっていきたかったし、出来る事なら使いたくなかった……でも、そうも言ってられなくなっちまった。宇佐美」

「……嫌」


宇佐美は俯き、ユウから距離をとった。


「大丈夫、宇佐美に憤怒の契約は……」

「嫌! ――そんな話聞いて、出来る訳ない!!」

「宇佐美さん」


すがりつくように止めようとする宇佐美を、怜奈が止める。

宇佐美が怜奈に振り向くと、怜奈は首を振る。


「……怜奈さん」

「肌で実感しました……あれはワタクシ達美徳ですら、太刀打ちはできません」

「宇佐美じゃ無理。怜奈は今この場に対が居ない……俺しかいない」

「ユウ……もう嫌だよ。誰かを失うなんて」

「死なねえよ……残される側の痛みは、俺だって知ってるんだ」

「……信じるからね? ――シンクロ」


ドクンッ……!


「くっ……」

「ユウ!?」

「大じょ……」


ブシュっ!!


「うっ……くっ……ぅぅううううううああぁぁぁぁあああああああああああっ!!」

「ユウ!?」

「朝霧さん!?」

「ぐぅっっ!! ……待って……ろぉっっ……大神白夜ぁっ!!」


最近、コラボ作品作ろうかなと考えてます。

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