表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大罪と美徳  作者: 秋雨
第4章 DEUS EX MACHINA
78/130

第71話

「次の区域だ行くぞ!」

「おーい、こっち来てくれ!」

「B班頼む!」


所は憤怒のナワバリ。

あちこちで復興作業が行われ、人々は落ち着きを取り戻しつつあった。


「ふうっ……」

「大丈夫? 光一の兄さん?


復興の指揮を執ってる光一と、運搬関連での指揮を執るナツメ。


「心配すんな。もうちょいだ」

「でも少し横になっといたら? また最近寝てないでしょ?」

「そうだな。それじゃ……」


シュル……!


「ん? うわっ!」

「光一の兄さん!?」


光一の胴体に突如何かが巻きつき、それが光一を一本釣り。

その光一は……


「むぐーっ!!」

「ん~……久しぶりのダーリンの感触と匂い~♪」


最早同じみの光景。

色欲の契約者花柳月の胸に顔を埋める様な形で、抱きしめられていた。



数十分後


「ん~、幸せ♪」

「一応同盟結んでるとはいえ、こっちに来るなら一報入れて」

「いれたわよ? 医療班連れて行くってナツメちゃんに」

「ナツメ?」

「ここを出る前のユウの兄さんには報告しといたから、大丈夫」

「――とりあえずの文句は後にしとこう。今は色欲の応援がある事はありがたい」


色欲のナワバリは、最も医療が進んでいる事で有名

その医療班ともなれば、復旧作業の今では何よりありがたい。


「さて……ダーリンまた寝てないでしょ?」

「忙しいんだよ」

「ちょっと待ってて、今栄養剤あげるから」

「ちゃんと瓶に入った状態でくれるならね?」


余談だが口移しや、胸の谷間に注いで呑ませようとしたことあり。


「そんなことしないわよ」

「そっか、それなら……」

「だって入浴剤として使う栄養剤だから」

「さて、仕事仕事」


タッタッタッタッタ!


「大変です!」

「どうした!?」




「第三次世界大戦」


白夜が切り出したのは、その一言だった。

大罪、美徳の14人が治め、世に契約者の存在を知らしめる一因ともいえる大戦。


「……我ら14人の力をもって、あの戦争は終結を見た。その後も我らの力を持って復興は進み、契約者社会が生まれた」

「いきなり何を言うかと思えば、昔話かよ?」

「あれから7年……一条宇宙と北郷正輝の決闘、勇気と憤怒の同盟と、我ら14人は世を動かす中心となるまでに至った。しかし、それ以外は一体何が変わった? ――人は何1つ変わっていなければ、何1つ学んではいない。その証拠に、まずは一条宇宙の死」


ユウは眼帯を抑え、宇佐美は自身の勇気のブレイカーを握りしめた。


「正と負の均衡の崩壊……偉そうに言おうが、所詮上辺だけの力を得て浮足立つガキどもが、振り下ろされる拳骨がなくなったと喜び、調子に乗っただけ」

「……お前から見ればそうだろうな。だが」

「それから慈愛の崩壊が起こり、世は再び乱れるが……ナワバリ奪還戦を経て、漸く秩序は安定。それを持って、憤怒と慈愛は同盟を結び、世は安寧を迎える筈だった」

「……」


沈痛な表情で、怜奈は目をつむりうつむいた。


「慈愛の本質を忘れ、くだらない差別意識のもとに独断専行した慈愛傘下の契約者により、憤怒のナワバリで契約者や住民が殺される事件が勃発。憤怒と慈愛の全面戦争に発展し」

「待ってください! あれは……」

「“知識”の介入があったとはいえ、そう言う考えがのさばっていたのも事実」

「っ!」

「宇佐美、ちょっと黙っててくれ――前置きはもう良いだろ? そろそろ俺を引き入れ、何をしたいのかを言って貰えないか?」

「世界を壊す」

「「「っ!!?」」」


宇佐美は当然として、ユウも怜奈もぎょっと目を見開いた。


「くだらない差別意識が染みつきすぎたこの世界を壊し、その上で新しい時代を創り上げる」

「……世界を壊す必要性について聞かせてもらおうか?」

「人は幼稚だ。だから力を振るう事の意味を理解出来ない……理解させるためにこの世界ごと、永遠に消えぬ傷を刻みつける。この乱世だ、こうでもしなければ」

「ふざけんな!!」


ユウが激高し、白夜の胸ぐらをつかんだ。


「テメエ、そんな事の為に真理に手を出したのか!?」

「そうだ」


しかし当人は表情を変えることも抵抗する素振りもなく、淡々とそう返した


「……色々と納得出来たぜ。あの時真理を狙っている事を告げたのは」

「全てはお前をここにおびき寄せる為だ」

「やられた……!」


そうこう言っている間に、白夜は足を振り上げ……


「っ!」


それに気付いたユウと怜奈が、宇佐美を抱き抱えその場を離れる。

しかしそれはハッタリで、白夜はゆっくりと足を降ろし携帯を取り出す


「私だ。既に目的は達成した、引き揚げろ」

「? ……ああ、そういうことか」

「お前が来ても、一条宇佐美がいなければ話になるまい?」

「本当にやってくれやがったな。どう転んでも結局……」


背の斬城刀を引き抜き、構える。


「俺が真理を使うように仕向け、ぶつかるように仕組んでたとは」

「悔やむ事はない……私が真理の正体を把握した時点で、既に決まっていた事だ」


白夜も空間を叩き割り、そこから大剣を取り出す。


「私はこれより世の人間すべてに、世界の崩壊と言う試練を課す。弱さは罪……それを思い知らせるために」

「世界を壊す何て簡単にやろうとするなよ!」

「しつけのなってないガキどもへの仕置きだ。引っ叩かれねばわからんのが悪い」


ガギイッ!


「否定はできないが……こんなこと許したら、あの世で宇宙に合わせる顔がねえ」

「なら止めて見せる事だな」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ