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大罪と美徳  作者: 秋雨
第4章 DEUS EX MACHINA
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第67話

「死ねコラアっ!!」

「お前が死ね! 絶対生きて帰るんだ!!」

「やかましい! お前ら負の契約者は死んでりゃいいんだよ!」

「お前らが死ね、偽善の契約者どもが!!」


ビキビキビキビキ……!!


「ん? 何だ?」


バガアッ!!!


「え? うわああああああああっ!!」

「なっ、何だ!?」

「助けてえっ!!」

「ぎゃあああああああああああっ!!」




「はぁっ……もう殺すなら殺してくれ」

「……俺達、一体どうなっちまうんだよ?」

「うわああああああああああああんっ!!」

「外に出ちゃダメよ。殺されちゃうわ」


ゴォォォォオオオオッ!!


「ん? なんだ、この音?」

「なんか、竜巻の様な……え?」


バキバキバキバキバキバキッ!!


「え? わあああああああああああっ!!」

「きゃああああああああああああっ!!」

「ママあっ!!」




「はぁっ……はぁっ……」

「……何なんだ? 明らかに、大罪や美徳の力を、大きく超えてる?」

「わからんか……北郷?」


体中から血を出したかのように、全身が鮮血に染まった姿。

そして息も絶え絶えで、どう考えてもまともに立てる体ではない。


……にもかかわらず、その男は立っていた。

表情1つ帰ることなく……


「邪道ではあるが、私は今を持って“真理”の契約者となった」

「“真理”……!? 邪道、だと?」


白夜は両手を突き出し、ぐっとにぎりしめる。

右腕に“傲慢”のブレイカー、そして左手に“正義”のブレイカー。


その2つが起動音を鳴らし、白い結晶のペンダントと呼応し始める。


「正義のブレイカーが……契約が、上書きされた!?」

「……どうやら……私の、正義が……お前より、上だった……らしいな」

「だが……まさか、複数契約!? よもや、最近フォールダウンで起こっていると言う複数契約は、お前の仕業だったのか!?」

「いや……フォールダウン、から……奪い、開発元を……わりだし、独自に……手を加えた」


突き出した両手をぐっとにぎりしめ、引き裂くように開く。

それに呼応する様に空間が敗れ、そして地面が裂け一直線に亀裂は走り、地割れは進んでいく。


ブシュっ!


「……が、どうやら……まだ未完成で、急ぎ過ぎたか……」


ポタッ、ポタッ……!


「私の……肉体を、もって……しても、この様とは」


それと同時に、白夜の傷から血が噴き出し、滴り落ちて行く。


「……! 大神、我の正義を返せ!!」


右手どころか、契約者の力も失った状態だと言うのに、残った左腕で白夜に殴りかかる。


「……」


その左腕も、白夜のそっと突き出した腕に止められる。


「諦めろ……正義は、最早……私の、物だ」

「……! ……ここまで、か。いいだろう、殺せ」

「何を、言っている……? 殺しは、しない」


その腕を掴まれ、白夜は空間を叩き割る。


「……何をする気だ!?」

「裁きとは……痛みではなく、悔いを与える物」

「……まさか!」

「痛みも、罵倒もいらない……ただ、彷徨い続けろ……食料くらいは、送ってやる」


その割れ目に、北郷正輝を放り込み……空間を閉じた。


「……さて」


視界がかすみ始め、足も限界を超えた状態。

白夜は正義のブレイカーを外し、白い結晶のペンダントも降ろす。


再度空間を叩き割り、その中に身を投じ……

白夜は異様な文様が広がる空間の中……


「……しばし、眠るか」


白夜はその場に座禅を組み、そっと目を閉じる。


身体を膜で覆うイメージ――思念で身体に膜を張り、出血を止める。



――所変わって


「……なんだったんだ、一体?」


憤怒と希望の戦場……跡地。

突如襲った地割れ、そして不自然な突風。


それにより互いの軍勢が薙ぎ払われ、呑みこまれ、とても戦争どころではない状態へと陥っていた。


「ナワバリは無事か!?」

「それが、連絡が途絶えてまして!」

「なんだと!? すぐ戻るぞ!!」

「待て!」


王牙の周囲の指示を遮ったのは、ユウだった。


「光一に向かわせたんだ。今確認をとってる」

「! そうか……すまない」

「いや……あっ、光一か? 無事だったか。それで、今どこに……そうか」


携帯を降ろし、ユウは頭を抑える。


「突風の直撃を受けたらしく、半壊してるって」

「! ……情報、感謝する。すまないが」

「わかってる」

「ヤロウども、引き上げるぞ!!」

「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」」」


残った軍勢を率い、希望の勢力は退却。


「……こうしちゃいられねえ。すぐにナワバリの状況を確認しろ!」

「「「了解!!」」」

「…………」

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