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大罪と美徳  作者: 秋雨
第4章 DEUS EX MACHINA
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第65話

敵から奪ったメガホースを駆り、光一は単身で希望のナワバリを目指していた。

目的は希望のナワバリを制圧し、降伏を進言するために。


「……希望のナワバリの住民には悪いけど」


正のナワバリは負の契約者を、負のナワバリは正の契約者を。

増して、契約者の中でも有数の上級系譜に占拠されれば、一般人には良くても発狂する者が出るかもしれない。


……が、現状他に短期決着の手段はなく、光一はひたすらに奪ったメガホースに跨り、道路を駆けている。


「しかし、流石は希望自慢の熱血騎馬軍のメガホース。早い早い……ワガママ娘の護衛でも、やってみるもんだね」


とある資産家の依頼での護衛で、乗馬クラブに付き合わされた経験が活き、光一は特に苦も無くメガホースを乗りこなしていた


「……さて、一刻も早く。ん?」


「死ね死ね死ね死ね死ね死ねええええ!!」


轟音、悲鳴、怒号、罵声。

それらが土煙と爆発音と共に、光一に耳に届く。


「大人しく死ねコラ!!」

「ひいいっ!」

「せめて楽に殺してやるからなあ!!」

「ぎゃあっ!」


先に進んで出くわしたのは、契約者の殺し合い。

既に勝負がついたのか、戦意を失った側を勝者側と思われる一方が、惨殺しつくしている光景。


この乱世において、当然のように繰り広げられている光景だった。


「……百聞は一見にしかず、だな。目の当たりにすると不快感も出てきやがる」


「おい、アレ……!」

「ざっ、残虐の!? なんでこんなところいるんだよ!?」

「そんな事どうでも良い! やるぞ!!」

「死んでたまるか! 来るなら来やがれ!!」


惨殺していたのは正の契約者側だったらしく、光一の姿を見るや否や臨戦態勢に。


「おい待て! 俺は……」

「撃て撃て撃て撃て撃て撃て!!」

「馬を狙え!! 取り囲め!! 絶対に生きて帰るんだ!!」

「「「おおおおおおおおっ!!」」」

「くっそ!」


上級系譜。


契約者の中で選ばれし者達の中でも、更に選ばれた最も頂点に近い存在。

しかも負の契約者側ともあり、全員が躊躇う暇もなく攻撃。


「……威嚇、は通用する訳ないか。せめて、死人は出るなよ」


完全に眼は血走り、死に物狂いを体現する様に襲いかかる集団。

その少し上に、電気に包まれたガンサイズのショットガンの銃口を向け……


引き金を引き、その集団を風圧で吹き飛ばした。


「悪いな」


謝罪の言葉を送りつつ、光一はメガホースを走らせその場を突っ切る。

その傍らに散らばる、負の契約者達の死骸が視界に入り……


「……どうすりゃいいんだよ」


確かな力を持たない者から、狂い壊れて行く。

誰一人責める事も出来ず、庇う事も出来ず、先も見えないままに目の前の敵を殺さねば、自分が死ぬ世。


「……一般人じゃ確かに死にたくもなるか」


それさえも出来ない存在。

自殺未遂が出たと言う話を思い出し、いたたまれなくなっていた。


「っと、急ぐか」



ギィンッ!


「くっ!」

「ふっ!」


開始から半日が経過。


「……はっ……はっ……」

「……ふっ……ふっ……」


如何に契約者といえど、当然限界と言う者はある

増して拮抗した力同士、更に言えば戦争の勝敗を分ける大一番に立つともあり、


「“鬼蜘蛛”!」


ユウの背からマグマが噴き出し、6本の腕を構築。

それぞれ“六連”を1本引き抜き、噴火七刀流の構えをとる。


「“爆進バースト”!」


足を起点に爆発を起こし、王牙は斧を構え突進。

七本の刀と大斧がぶつかり、鍔迫り合い。


「もうひと押し! “爆撃ブースト”」


大斧をひと押しするかのように爆発が生じ、その勢いで押し勝ちユウが大斧の振りと同時に上空へ打ち上げられた。


「ぐっ……!」

『I kept you waitin!』

「! クエイク!? よし、よこせ!!」

『Yes!』


クエイクとその兄弟機と思われる数体がかりで運んできた兵器。

それは、ビルほどあろうかという巨大な日本刀。


クエイク達がせーのと言う様に、一斉に同じタイミングでユウめがけそれを投げ……


「“巨人タイ剛腕タン”!」


ユウは通常の物よりも更に大きく、溶岩の腕を構築しそれをキャッチ。

地面に着地すると、ブンと頭上で1回し。


「……名付けて斬城剣ってな」

「面白い……燃えよ我が血肉! 猛よわが魂! 輝け我が希望よ!!」


希望のブレイカーの起動音が高まり、より強い力を王牙は引き出す


「真・噴火七刀流……行くぜ」

「よかろう! 来い!!」


ユウが一歩踏み出し、王牙もそれに呼応する様に突進。


ドォンッ!!!


「なっ、何だ!?」


それを遮るように、大地が大きく揺れ動いた


「まさか……くそっ、遅かったか!」




ぽたっ……ぽたっ……


「……はぁっ……はぁっ……」

「大神……貴様、一体何をした?」

「わからげふっ! ぐっ……わからんか北郷?」

「……わからんか、だと?」

「ぐふっ! ……そう、簡単に御せは……せんがあっ!!」


ブチブチブチブチ! ブシュっ!


「ぐうっ! ……うおぉぉぉぉおおおおおおっ!!」


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