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大罪と美徳  作者: 秋雨
第1章 物語の始まり、動乱の幕開け
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第5話 改訂済

今回ですが、新しい契約者出します。

……といっても、すぐわかるでしょうが。

合成獣キメラを出せ!」

「サイボーグ部隊、前へ!」

「正のクソどもに負けんな!」

「負のクズどもから俺達の頂点を守るんだ!」

「うっせえ! お前ら正のカスどもはやられてりゃ良いんだ!!」


憤怒を除く負の契約者の頂点、大罪の契約者と、勇気を除く正の契約者の頂点、美徳の契約者。

かつて失われた美徳の1つ、勇気を求めてぶつかり、怒号響き血で血を洗う惨劇を繰り広げていた。


「総員、何としても大罪の勢力を撃退し、新たな同胞を迎え入れるんです!」


しかし、全てが勇気のブレイカーを狙い、動き出した勢力――と言う訳でもない。


「本当か?」

「はい。現在はそれを確保した憤怒が、怠惰と交戦中です」

「総員に撤退を指示しろ。あとは私が片づける」

「……やはり勇気のブレイカーは、最初から眼中になしですか」

「獣は目先の利益エサにかぶりつく。人はそれを使い、より大きな利益を手に入れる。もう長居する理由もない以上、さっさと終わらせるに限る」

「そうですね……丁度それを証明する者が見えますし」



「傲慢が?」

「ええ。どうやら勇気は憤怒の物ってー事で決定みてーですし、さっさと勝負つけてーんじゃねーですか? “あれ”を撃ち落とすの、現状の戦力じゃ無理ですぜ」

「だろうな。となると、他が取る動きは……最も警戒すべきは傲慢か。あの野郎がこんなわかり易い理由で動く時点でおかしい、か」

「どうしやす兄貴?」

「別にどうもしねえ。今は誠実をぶっ潰す事に専念すんぞ!!」

「「「おおおおおっ!!」」」


中には、独自の思惑を持って動く者もいる。

特に大罪シリーズは、欲望で契約者としての力を行使するだけに一枚岩でなく、この戦争にしても様々な思惑を交差した上での競合でしかない。


――それもまた、人と人とが交わる上での1つの系譜でしかないのだから。



所変わって……


「……めんどくせえ」


公人が鉄球を振り回し、ユウめがけて投げつけると……


「よっと」


ユウがそれを回避すると同時に駆けだし、懐に入って居合を繰り出し、それを鎖でガードされる。


「……めんどくせえ」

「楽に勝てると思うな!」

「……めんどくせえ。憤怒の相手すんの、超めんどくせえ」


ユウを振り払うと、公人はユウに向けて手を突き出した。


「…………本気で能力使うの」

「っ!」

「……滅茶苦茶めんどくせえ」


掌の上で、空間がゆがみ始める。

それは肥大化し、ソフトボールくらいの大きさとなり……


「っ!」


重力場と化し、ユウをはじめとする周囲を引きこみ始める。

身体が宙に浮くのを、ユウは刀を地面に突き立てそれをつっかえにし、抗う

巻き上げられた石やそこらに転がるゴミなどが、重力場に引き込まれ、押しつぶされていく中……。


「……めんどくせえ。本気出すの、超めんどくせえ」


重力場を作り出している本人は、けだるそうに鉄球を……


「――めんどくせえ」

「っ!」


重力場をモノともせず、剣を突き立てている地点に鉄球を投げつける。

つっかえだった地面が破壊され、重力場に引き込まれたユウが、公人に捕まり……


「……めんどくせえの、おしまい」


強化された重力込みで地面にたたきつけられ、さらには鉄球を幾度も叩きつけられ――

一度叩きつけるごとに地響きがまきおこり、街灯等が倒れ地面にはひびが入る。


「……調子に」

「……ん?」

「乗ってんじゃねえぞコラア!!」


突如鉄球が止まり、激しい音を立てると同時に溶けていく。

その次の瞬間、公人の巨体が宙へと浮き上がった。


「“天照アマテラス”」


陥没した地点から、ユウが立ちあがる。

自身の体からマグマを吹き出し、さらに自信を埋めていた土砂ごととかしながら――


「--“怒りの翼”」


そのとかした土砂を背へとまとめあげ、それを翼の模らせる。

――その姿はまるで、地底からよみがえった悪魔であるかのような、そんな雰囲気をマグマとともにユウはまとっていた。


「……めんどくせえ」


対する公人も、そのままでは終わらない。

両手のこぶしをボキボキと鳴らし、構えをとる。


――引力と斥力を使用し、身体能力の強化と同様の効果を発揮するよう調整したうえで。



一方――


アーミーナイフと、炭素加工された腕がぶつかり合い

――もとい、炭素硬化された腕が、アーミーナイフを受け流しつつ、光一は4人を守りつつ毒島と戦闘。


「モヤシってのは嫌だねえ。折角の炭素硬化で傷はつかないだろうが、元がモヤシだけに衝撃に弱い」

「モヤシ言うな!」

「サブにそれほど処理をかけてない上に、錬度もそんなにないから腕だけ。それを破ればいいだけだ」

「それはどうだかな?」


光一はメインを発電能力とし、サブに元素操作を扱っている。

特に炭素など、電気との相性がいい物の扱いが得意なのだが、それほど処理に手間をかけていない上に錬度もそんなにある訳でもない。


さらに言えば、体の元素を操作すると激痛が走るため、全身は出来ない。


「生憎俺は、ユウみたいな直接戦闘タイプじゃない。こうやって武器加工して、それを使って普通以上の破壊力を生み出せるような、そんな運用方法を見いだすタイプだから」

「けっ! 要は小手先だろうがヨ! “猛毒機関銃ベノムマシンガン”!」

「そうとも言えねえぜ」


ぷくっと頬を膨らませ、その次の瞬間矢継ぎ早に毒の弾丸を吐き出す。

その連弾に向け――光一は上着を脱ぎ、電撃をまとわせ振り回した。


腕の動きに合わせ、電気の膜が生じ弾丸をすべて撃ち落としながら。


「小手先でも、使い方によっては決め手になるんだ。甘くは見れない」

「ああそうかヨ!!」



「--なんて光景なの」

「……宇佐美ちゃん」

「……兄さんは、こんな中で生きてきたの? それも、頂点として」


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