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大罪と美徳  作者: 秋雨
第4章 DEUS EX MACHINA
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第63話

「久しぶりだな、朝霧裕樹。早速だが――」

「無理な相談だ。現状、正の契約者をナワバリに近づける訳にはいかない」

「彼女たちはワシ達の同胞だ」

「慈愛との戦争の原因、お前も知らない訳じゃないだろ? 今そんな事すれば、世の正の契約者達は間違いなく増長し、時代はより暴走する一方だ」

「だが正の契約者達の間では、お前達が彼女たちを確保している事自体を不安に思う者も、少なくはない」

「“勇気と慈愛の身柄は、俺達憤怒が確保する事を最善の選択と判断する。よってそちらの要求は拒否します”……以上だ」


明治我夢にも劣らぬ、3メートルを超す体躯。

合成獣キメラの物と思われる銀の毛皮のジャケットに、爪を模した銀の小手がはめられた手に握られているのは、身体の2倍はある巨大な斧

一本線の切り傷のある顔の瞳には、強い意志が湛えられている男。


希望の契約者、鳴神王牙

正の契約者の武闘派であり、契約者随一の体力と意思の強さを誇る男。


有無を言わせない、と言う態度を示すユウ。


「……是非もなしか」


すっと王牙は手の巨大な斧を構える。


「勇気は憤怒の対だ。宇宙の意思を継ぐ者に、他の奴の手を加えてたまるかよ」


それに呼応する様に、ユウも焔群を鞘から抜き、刀身を見せる。


「……ならば、わかっているな?」

「事なかれ主義になった覚えはねえよ」


斧と刀がぶつかり……

憤怒と希望の戦争勃発。



「でやああああああああああああああっ!」

「うるっせえっ!」


憤怒の上級系譜、残虐の契約者、久遠光一。

希望の上級系譜、熱血の契約者、赤羽竜太。


柄がショットガンになった大鎌を構え、光一は距離を取り相手の出方を伺う。

それに対し竜太は、右手のハルバードと左手の片手剣を構え、突進体制。


「残虐の契約者、凶王久遠光一! 貴様のその首、この赤羽竜太が貰いうける!!」

「はいはい。じゃあ最低限、試作兵器ガンサイズの稼働記録をいい物にして貰いたいな」

「声が小さい! 戦いならばもっと熱くなれええええ!!」

「俺は立場上冷静でなきゃいけないんだよ。てかうるさい」


ハルバードを突き出し駆けだす竜太を、光一はガンサイズと呼んだ大鎌を構え、迎え討つ。

突き出されたハルバードを鎌の刃で受け流し、その勢いでくるりと鎌を持ちかえ、柄のショットガンの引き金に指をかける。

それを阻む様に片手剣が光一の顔面を襲うが、光一は左腕を炭素硬化し受け流し……


鎌が電気に包まれ、“超電磁砲レールガン”が発射された。


「“噴射槍ジェットランス”」


ハルバードのスパイク部から炎が噴射し、その勢いで身体を反転させ超電磁砲レールガンを回避。


「へえっ……」

「自分は希望の系譜、熱血の契約者! この魂の炎、決して衰える事なき炎!!」


光一は感心したように、相手を見据える。


「頂点の勢力で最も士気が高く、最も暑苦しいって評価もうなずけるな

「それほどでもない!」

「いや、後半は明らかに違うからな!?」

「我らは熱く燃える軍団なり! 故に暑苦しいは最高の評価!!」



――その一方では.


「ヒャッハアアァァアア!!」

「行くぜえええええっ!!」

「アクセル全開!!」


“蒼雷の九蛇”を起点に、新たに編成したバイク部隊、暴走騎兵隊。


「うおおおおおおおおおっ!!」

「気合気合気合気合気合ぃいいいいっ!!」

「熱血騎馬軍に突破できぬ物なしぃぃいいい!!」


合成獣キメラ馬メガホースを駆り、怒涛の進軍を行う希望自慢の騎馬、熱血騎馬軍


「やあああああっ!」


暴走騎兵隊を指揮するのは、元々そこで雇われていた桐生ナツメ。

そして熱血騎馬軍は、希望の系譜根性の契約者、名取雄太。


「うおおおおらあああああああっ! 滾る、滾るぞぉぉおおおっ!!

「……うるさい兄さんですね」


蒼雷の九蛇が憤怒の技術を駆使し、造り上げた新型バイクを駆るナツメが顔をしかめる。

相手のメガホースを駆り、こちらへ攻撃を仕掛けてくる敵契約者の熱血のノリに、ついて行けてなかった。


『ひひぃぃーんっ!!』


敵のメガホースがいななき、飛び上がるかのようにナツメに飛びかかる。

ナツメもバイクを駆り、後輪を起点として回転する様にして、前輪でメガホースをはじく。


『ぶるるっ! ぶるるっ!』

「……流石は戦闘用の合成獣キメラ。頑丈さは常識外れだね」


普段散々に合成獣キメラに痛い目あわされてるため、更に顔をしかめるナツメ。


「でも! でやあああああっ!!」


アクセルを全開に、愛用の金属棒を手に再度駆け出す。


「ウチにもプライドはあるんだからね!」

「小癪な! 叩き潰してくれるわあっ!!」



更に所変わって。


ドゴォォオオオンっ!!


戦場自体を揺るがす爆発が、周囲の戦闘もろとも吹き飛ばす。

憤怒と希望、頂点の2つがぶつかり合う地点。


「ぬおおおおおおおおおおおおっ!! “金剛爆斧アックスボンバー”!!」

「“迦具土カグツチィッ”!」


乾坤一擲を体現する様に、王牙は振りあげた斧を振り下ろす。

それを受け止める様に、ユウも“六連”を全て引き抜き、6本の刀を牙とした巨大なマグマの竜を構築。


斧と竜がぶつかると同時に、再度周囲の戦闘もろともに吹き飛ばす爆発が生じた。


「せいっ!」

「ぬうっ!」


その爆発を掻きわけ、ユウが突撃。

焔群で斬りかかるも、斧で防がれる。


「“獣王キングクロー!”」

「“巨人タイ剛腕タン”!」


王牙が爪を模した小手の付けられた腕を突き出し、ユウがマグマの巨腕でそれを迎え討つ。

ぶつかるごとに爆発が生じ、周囲ごと薙ぎ払い続ける。


「流石は憤怒の炎。ワシの炎とぶつかりあってなお、力負けせんか!」

「方向性は違うがな。爆発能力者」

「ワシの爆発と貴様のマグマ、どちらが熱いか勝負だ!!」

「上等!」

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