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大罪と美徳  作者: 秋雨
第1章 物語の始まり、動乱の幕開け
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第1話 改稿済

少し時間がかかりました。

どうにもオリって勝手が違うように感じます。

とある町の臨海ホール。

そこでは、たくさんの人が開場を今か今かと待ちわびていた。


「よーし、準備は良いか―!?」

「「「おーっ!」」」

「では、掛け声のおさらいをするぞ!」

「「「おーっ!」」」


ロゴ入りのはっぴをまとい、掛け声の練習をしてる面々。

他にも応援グッズを手に、あれこれ話あってる光景がちらほら。


――と言う中で


「――アイドルの親衛隊だなんて、生で見るの初めてだ」


左目を隠すようにバンダナを額にまいた少年、朝霧結城が呆気にとられたような表情でそう呟き――


「……奇遇だな、俺もだ。アニメか何かの話だとばかり」


貧弱な体躯が特徴の少年、久遠光一は相槌を打つ。


「それだけ、今日のライブは注目度高いんだよ」


小さなリボン付きのポニーテールが特徴的な少女、朝霧裕香は2人の手を握りつつ、疑問に答える。


「なあ光一、こんなに早く出る意味あったか?」

「だよな。まだ会場開いてもないし……」

「もうっ、ユウ兄ちゃんも光一兄ちゃんも! こういうのは、早めに来るものなの!」

「「……やれやれ」」


裕樹も光一も、ファングッズを手にはしゃぐ裕樹の妹、裕香にふっと苦笑。

それから……


「――気付いてるか光一?」

「――気付く気付かない以前に、予想の範疇だ。目的が目的だけにどこの勢力にしろ、このコンサートは行動を起こすにはもってこい」

「――出来れば静かに片付けたいんだがな」

「――無理だ。鬼が出るか蛇が出るか、って以前にどっちもわんさか出るに決まってる。一応手は加えてあるけど……時間がなさすぎた」

「……そうか」


「お兄ちゃん達! 開場したよ」



――時は過ぎ


「へえっ、結構広いな」

「こんな所でライブって言うのも、すごい話だな」

「当然だよ」


ホールが解放され、それぞれ整理券に書かれた番号の席へ。

ホールの広さに呆気にとられる2人に、裕香が得意げに胸を張る。


「リーダーの一条宇佐美を中心に、朝倉歩美、高嶺京、島津さやかって、ラッキークローバーは可愛い子が勢ぞろいなんだから!」

「力説するなんて、ヤッパリ憧れてるから?」

「うん! あたしもあんな風になりたいなあ」

「ならその裕香憧れの女の子たちの曲を聴きつつ、楽しみに待つか」


席に着いた裕樹は、手持ちのプレーヤーのイヤホンをつけ再生。

光一は……


「っ! ……すまん、俺はトイレ」

「早めにな」



――所変わって


「リハーサルは無事終了。後は本番ですね」

「そうですねー。みやちゃんここまでこれるなんてー、おもいませんでしたよー」

「うんうん、歩美ちゃんもみやちゃんも、それにリーダーも頑張ったもんね」

「さやかさんも、でしょ? さあ、行きましょ」

「「「はい(はーい)」」」


アイドルユニット、ラッキークローバーのメンバーの4名は、楽屋を後に。

それから係員の誘導に従い……。


「ふぅっ……“契約者”が少なくて幸いだったな」


ふと、ボストンバッグを手にしたモヤシを思わせる体躯の少年が、少し疲れた様な雰囲気を醸し出して歩いてるのが目に入った。


「ちょっと君、ここは関係者以外立ち入り禁止だよ」

「え? ……げっ、まずっ……あっ、すみません。ホールに戻ろうとして、路に迷っちゃって」

「ホールの客席はあっちだよ」

「あはは~っ、そりゃどうも。あの、コンサート頑張ってください、応援してますから」


と言って、そそくさと少年は去って行った。


「なんだか、ああ言うのを聞くと嬉しいですね」

「そうですねー。みやちゃんかんげきなのですよー」

「そうだねー。あれ、どうしたの宇佐美ちゃん?」

「……気のせいかな? 今の人、どこかで見た様な気が?」



「……危ない危ない。覚えてないみたいだったけど、まさか顔合わせるとは思わなかった」


少年……光一は、駆け足でホールへ。

その最中、携帯を取り出し……。


「……今更無駄か。“勇気”は再び、世の明るみへと姿を現すことは止められそうにない」



――そして


「みんなー! 来てくれてありがとー!」

「本日はあたし達のコンサートに来てくださって、ありがとうございます」

「きょうはみやちゃんたちがー、たっぷりとたのしませてあげるのですよー!」

「皆さん、今日はよろしくお願いしますねー」


コンサートの主役が舞台に。

それと同時に、ホールが歓声で覆い尽くされた。


「おおっ!」

「わーい! 宇佐美ちゃーん! 歩美ちゃーん! みやちゃーん! さやかちゃーん!」

「すげ……アイドルの力ってのも、バカにできないな」


そんな雰囲気に呆気にとられてる裕樹に、一緒になって歓声を上げてる裕香。

その傍らで……


「……」


光一は雰囲気に流されず、ゆっくりと歌を聞いていた。


「……ん?」


……のだが、何かを察知してボストンバッグをあさり始めた。


ゴゴゴっ……


「ん? なんだ?」

「地震?」


周囲どころか、部隊の主役たちも静まり、周囲を見回し始める。

やがて音と揺れが大きくなり……。


ドガァアンッ!!


「きゃあっ!」

「わあああっ!」


舞台を突き上げる様に壊し、大きな物……ロボットが現れた。


「なっ、何!?」

『……前“勇気”の契約者の妹、一条宇佐美』

「え?」

『持っているだろう? よこせ!!』


バキッ!


「きゃっ!」


宇佐美に向かって腕を伸ばそうとしたロボットの顔が、突如何かに撃たれたかのようにへこむ。

宇佐美が観客席を見ると、そこには……


「おい光一!」

「仕方ないだろ、この際!」


光一がスナイパーライフルを構え、その傍ではユウがしかめっ面をしていた。


「……おい、あの腕輪って」


周囲がざわめき、呆気にとられた様子でスナイパーライフルを撃った少年に。

――正確には少年の左手に目を向ける。


その左手につけられた、ある文様の描かれた腕輪をみて……


「けっ、契約者だ!」

「逃げろ! 巻き添えにされるぞ!」


観客たちは悲鳴を上げ、我先にと出口へ傾れ込もうとパニックを起こし始めた。


「う~っ」

「腐るな裕香。こいつふんじばったら、続き位やるだろ」

「じゃああの趣味の悪いガラクタ、さっさと壊してきてよ~! ユウお兄ちゃんと光一兄ちゃんで、ちゃちゃっとさー!」

「「はいはい」」



「宇佐美さん、大丈夫ですか!?」

「ゆさみちゃん、おけがはありませんかー?」

「すぐに離れないと」

「――思い出した! あの人、確か兄さんの対の……」


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