表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大罪と美徳  作者: 秋雨
第1章 物語の始まり、動乱の幕開け
22/130

第18話 改訂済

傲慢・強欲連合と正義・誠実連合。

そのぶつかり合いの煽りは、世を動かした。


美徳も大罪も、自身の対を抑えるべく行動を開始。

元々の準備は終わっていたが故に、早くて本日中遅くても明日にはぶつかる予定。

メディアもこぞって大罪と美徳の動きを報道し、その戦場予定地に近い街からは避難勧告が出される。


これに対しては大罪も美徳も避難民を自身のナワバリに受け入れ、衣食住の保証を確立。

余談だが、暴食のナワバリは食料が豊富なため避難先としては人気が高く、その事にとある美徳の1人が激怒していたとか。


……そんな中、1週間が経過。


「おらおら! 進め進め!」

「勇気を憤怒が匿ってるのは確かなんだ! 探し出せ!」


その戦争の原因である憤怒のナワバリでは、フォールダウンの襲撃が激化していた


「ええい、くそ!」

「援軍は!?」

「そろそろ来る筈です!」


そこへ、会話を遮る噴射音。

ふと空を見ると……


「クエイク? って事は……」


まだ高高度であるにもかかわらず、そこから飛び降りる1つの影。

それは境目の防衛線の前に着地し……。


「人のナワバリにずかずかと踏み込もうたあいい度胸じゃねえか!」


憤怒の契約者、朝霧裕樹出陣。


「ふっ、憤怒!?」

「バカヤロウ、怯むな!」

「撃て撃て! 討ち取ればこのナワバリも勇気も俺達のもんだ!!」


フォールダウン達は、士気が落ちることなく――というか、欲で奮い立ち、一斉にユウめがけて突進、あるいは砲撃。

その様子にユウは呆れ、左手に持つ愛刀“焔群”の柄を右手で握り……


「うっとおしいわ!」


怒号と同時に、ユウは“焔群”を抜き、抜刀術を仕掛ける。

突進した数名が、突如強風で吹き飛ばされる枯葉のように吹き飛ばされ、その余波で能力による幾多もの砲撃をもかき消した。


それと同時にユウは駆けだし――

軌道を描くかのように、ユウが進んだ地点で兵器の残骸が人が、打ち上げ花火のように吹き飛ばされていく。


「くそっ! 機動隊前へ!!」


ドームの様な頭部に、四角い金属の筒をにつなげた様なボディに背にはバッテリーパックに予備の兵器。

全長で3メートルはあるそれらは、人が乗り込み操る“駆動鎧パワードスーツ”と呼ばれる兵器。


これは警察や一部の警備会社等、契約者と協力関係にある組織や機関に、警備用として出回っているためさして驚く事ではない。


しかし……


「……無人機?」


それらからは人らしい気配が全くなく、動きもどこか機械的。

駆動鎧パワードスーツの中には、人工知能を搭載し自律行動をとれるようにした、無人機として併用できるタイプもある。


しかし、それらは一般どころか協力関係にも、高価故に出回ってはいない代物。


「……どっかの大罪か美徳からの横流し? ――にしては数があり過ぎるな。と言う事は、どっかのまわし者か?」


戦争どころか勝負でも、常に相手は待ってはくれない。

駆動鎧パワードスーツが一斉に、普通より2回りは大きいショットガン、あるいは女性の胴体ほど大きなランチャーを構える。


「……まあいいや。一機だけでも確保しとこう」


と、ユウが“焔群”を手に駆けだし、敵は一斉射撃。

その銃弾を回避し、剣で受け流し……ランチャーの弾を真っ二つに。


「なっ!?」

「んなガラクタでどうこう出来ると思ったか? ……笑わせんなコラ!!」


距離を詰め、まず一体を頭から股下まで真っ二つに。

次は横一列に並ぶ2体の首を斬り飛ばし、人工知能が搭載された頭部が2つ宙に舞う。


一閃ごとに高価な兵器が、単なるスクラップに変貌していくその光景を見て……。


「あの兵器に俺達の資金殆ど費やしたのに……!」

「これじゃ、組織の運営も……」

「畜生、こうなりゃやけだ!! 全員かかれー!!」


敵はすっかりやけを起こし、全員が突撃。


「いや、まあそれだけ今回に賭けたってのはわかるが……」


残り2体となり、1体はバッテリーパックを斬り飛ばして、もう1体はバッテリーパックを壊して行動不能に。

開発陣への手土産を確保したユウは……


「大罪を甘くみた罰だと知れ!!」


その後、100人近くいたフォールダウンは、1人残らず蹴散らされた。

……能力を使うまでもなく、来てから30分も経たないうちに。



――所変わって。


「ただいま」

「あっ、お帰りユウ兄ちゃん」


さして疲れた様子も見せず、ユウは帰宅。

妹の出迎えを経て、リビングで茶を飲みながらニュースを見る。


「「「「……」」」」


そこではラッキークローバーの4人が、顔を青くしていた。


「……怖いか?」

「怖いわよ……だって、戦争でしょ? 大体なんでさっきまで防衛戦してたっていうのに、そう平然としてられる訳!?」

「俺は常に前線に立って、力を誇示する事で組織まとめる方だ。これ位の事でへたばってたら、とうに崩れてるよ」

「……それが“負の勇者”って呼ばれてる所以なのね」

「宇宙もそうだったから、俺達がぶつかるのを“勇者の激突”何て呼ばれたことあって、それが憤怒と勇気の開戦の合図みたいなもんだった……こうして考えると、懐かしいな」

「そう……ところで、光一は?」

「別の区域の防衛線の指揮に……」


「もう終わったよ」


会話を遮る光一の声。

こちらは、多少疲れた様子で入ってきた。


「……お疲れ様」

「……マジで疲れた。それよりユウ、ちょっと聞きたい事があるんだが」

「なんだ?」

「そっちが担当した区域から攻めてきたフォールダウン、不自然な事はなかったか?」

「……そっちもか?」

「……ああっ。大罪か美徳か、その誰かがフォールダウンに何かしてる可能性が高いな」


Pipipipi!


「はい? ……何!? ――わかった。すぐユウを連れて行く」

「どうした?」

「“色欲”が来てるって」

「何!?」


光一の言葉に、その場がどよめいた。


「色欲って……大罪の1つの?」

「だよね? ……だっ、大丈夫なの?」

「……こわいです~」

「……(がたがた)」


「それで、用件はなんだって?」

「――同盟の提案だってよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ