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大罪と美徳  作者: 秋雨
閑話集
115/130

閑話 ピュアプラントの一時

「――ん?」


――世界崩壊からまだ1年ともあり、高層ビルと言った建造物自体まだ存在しない。

そもそも世界崩壊で死んだ人間も莫大な数の上に、テロが横行する現状で、そんな大型建造物自体がまだ必要ない以上、人が住む場所は基本的に簡素な一軒家やアパート。


寧ろ、生活を支えるべき契約者の施設の方が優先されていた。

植物性食料生産施設“ピュアプラント”や、合成獣キメラ開発施設“ビオトープ”


食料に環境、住居に物資、そして生活水準に治安維持等、世は問題が山積みである


「えーっと……」


そんな中で、憤怒の上級系譜、久遠光一が目を覚ました場所――そこは、ピュアプラントの仮眠室。

毒物を混入しようとした男がいるとの情報を受け、警備責任者として顔を出しに来た次第である。


――結果は、大地の賛美者によるテロ工作。

一般所員の1人を攫い、徹底的にむしり取った生体データを使い、潜入したとの事。


「――どこまで行こうと、人は人なのかね?」


魔王勢力の台頭以来、表立ったテロは殆ど起きなくなった。

――それに反比例する様に、こういった水面下での活動は活発になっている。


「――5時か」


ボリボリと頭をかき、周囲で寝てる人達を起こさないよう、そっと外へと出る。



「――ふぅっ」


コーヒーを一口飲み、一息。

ピュアプラント稼働から、こういった物も普通に普及されるようになったため、生活水準自体が徐々に元へと戻りつつある。


「――いきなり蔦で絡め取ろうとするの、いい加減やめてくれないかな?」


ふと漏らした言葉。


「――なんだ、気付いてたの?」


少し離れた所で、自分の腕の2倍の長さはある長い袖の白衣を羽織り、その腕を光一に向けて突き出してる研究者らしき女性。


色欲の契約者、花柳月が残念そうに腕を降ろした。


「――カンで言っただけだけどね。そろそろかなーって思っただけ。何か飲む?」

「じゃあ、ストレートティーで」

「ん」


備え付けられたベンチに2人で座り、それぞれ飲み物を一口。


「――稼働はどう?」

「何もなければ、順調に食料問題解決に前向きな意見が出せる――と言いたいけどね。今回の事件の所為で、一般人の所員が皆怯えてるのよ」

「――あれは酷かったもんなあ。一般所員用の生活スペース作るべきじゃないかな? 流石に全域に量産型クエイク配備するのは無理だ」

「考慮しておくわ――事後処理で大変だったのよ私も」


と言って、コツンと頭を光一の肩に乗せる。


「――おかげで徹夜でね。美容に悪いし、肩はこるわで大変よ。後で揉んでくれない?」

「俺の力じゃ、マッサージにもならないよ」

「別にこっちでも良いけどね。まだ成長期だから、最近HからIにかわって大変なのよ」

「何の話――かは言わんでいいけど、遠慮しとく」


月が抱きかかえるよう持ちあげたそれが視界に入ると、光一は慌てて顔をそらした。


ぺろっ!


「!?」


その次の瞬間、生温かい何かが頬を撫でた。


「――ストレス物質分泌多量。最近また寝てないわね」

「何故舐める!? 接触感応サイコメトリーなら触れるだけでいいだろ!?」

「睡眠はきちんととらないとダメよ。今日はドクターストップかけるから、今日一日はゆっくりするように」

「話逸らすな。てか今日は帰ってやらなきゃならない仕事は――」




「という訳だから、今日はドクターストップかけるわよ」

『――わかった。それと、あの人の容体は?』

「芳しくはないけど、何とかはするわ」

『頼むぞ』


プツッ!


「という訳だから、今日はゆっくり休みましょうね」

「――上級系譜の辛い所だよなあ。大罪相手じゃ、どう足掻こうと勝てないの」


所は、月にあてがわれた部屋――つまり私室。

そこで蔦に絡め取られ、宙ぶらりんになってる光一が、恨めしそうにそう呟いた。


「――けどまあ、折角の好意ありがたく受け取るか」

「私も今日は休むわ――という訳で」

「責めて蔦は解いて?」


そう言うと、蔦は緩み光一を解放する。


「――そんじゃ、寝るか。最近マジで睡眠時間が削れて丸坊主状態だし」

「じゃあ一緒に寝ていい?」

「……抱きつく位は何も言わんけど、何もやらんからな?」

「やりたくなったら拒まない、とだけは言わせて」


――それ以上何も言う気も起きない光一は、言われるがままベッドで熟睡。

月もそれに続く様に、ベッドに入って光一を抱き枕にしつつ、熟睡に入る


――2人が目を覚ましたのは、その日の深夜だった。



突然ですが


――少々かけ足すぎる展開ばかり続いてる。

という印象が出てる気がするので、しばらく少々落ち着ける話をメインにやろうと思います


というわけで、こういうシチュエーションで、誰と誰のやり取りが見たい。

そういうリクエストがありましたら、感想とともにお願いします

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