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大罪と美徳  作者: 秋雨
第6章 絶望と憎悪の宴
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小ネタ 久遠光一の契約者入門講座

「感情を経由し、人を超えた能力を引き出す演算装置ブレイカー。ここでは、そのブレイカーと契約した“契約者”についての説明を行いたいと思います。講師役は、憤怒の系譜、残虐の契約者久遠光一です。そして――」


「生徒の桐生ナツメと」

「一条宇佐美です」


「では、まずは基本的な事から。まず、ブレイカーには種類があります。契約者の頂点、大罪、美徳が使う14個しか存在しない最強のブレイカー、通称大罪シリーズと、美徳シリーズ。そして、それらを模して造ったブレイカー、通称“系譜”。そして、量産型とそのカスタム――の、4種類」


「それはわかるよ。ウチも憤怒に来るまでは量産型とカスタムを使ってたから」


「そして、契約者のレベルは熟練度、使用するブレイカーでの分類での8つに分かれます」


レベル0 契約したばかりの段階(初心者)

レベル1 扱いに慣れた段階(駆けだし)

レベル2 ブレイカーが馴染んだ段階(一人前)

レベル3 カスタム仕様のブレイカーを扱える段階 (ベテラン)

レベル4 レベル3で頭1つ飛び抜けた段階(小組織のボス)

レベル5 下級系譜(契約者の精鋭)

レベル6 上級系譜(頂点の側近。大罪の組織に良くて2、3人)

レベル7 大罪、美徳(世の頂点)


「以上となっております。ただレベル4以下の場合、そんなに大きな差はない上に、レベルの上下が激しいのです」


「上下が激しいって、どういう事なの?」


「基本的に量産型は、系譜と違って“契約者が現在最も強い感情を使用する”という物だから、平常がレベル3でもいざとなれば――ってケースは多い。それに感情の質にもよるから、あまり安定してるとはいえないんだよ」


「そうそう。ウチもその辺り、苦労させられたんだよね」

「へえっ。それで、質はどういう事なの?」


「例えば“発火能力パイロキネシス”を使うとしても、契約条件となってる感情が“親に怒られたームカつくー”とか“あれが欲しいなー”とかの簡単な物だと、発動してもそんな強い物じゃないっていう風にね――勿論、一般人から見て脅威クラスではあるけど」


「感情のコントロールと、強い意志。これがそのまま強さになるのが、契約者だからね。でしょ? 久遠の兄さん」


「その通り――でも、目の前に例外いるけどな」


「それ酷い! 戦闘とかだったらちゃんとやってるでしょ!?」


「平時でもやってくれ! ――とまあ基本的に、大きな差が存在しないのはレベル4以下だけど、特定の感情を一定以上キープしなければならない系譜のブレイカーを扱う、レベル5より上からは力の差が絶対的な物となっています」


「大罪は同じ大罪、あるいは美徳にしか倒せない、という風にでしょ? これは知ってる」


「そう。やりようによっては、良い勝負は出来るかもしれないけどね――次は能力についてだけど、契約者の能力は大きく分けて“超感覚”、“念動力”、“身体強化”の3つに分けられます」


“超感覚”

接触感応サイコメトリー精神感応テレパシー予知能力プレコグ催眠能力ヒュプノ透視能力クレヤボヤンス


“念動力”

念動能力サイコキネシス発火能力パイロキネシス


「ちなみに属性攻撃は“発火能力パイロキネシス”の変形発動となるから、俺の発電や怜奈さんの凍結のベースは“発火能力パイロキネシス”となる」


「成程。あたしの風も、そうなのかな?」


「そうだよ。以上は基本的に超能力の部類だけど、“身体強化”は違う。ブレイカーは感情を経由し、人の限界を超えた能力を与える演算装置で、その演算を使って身体機能の向上、発達を促す事も出来るし、契約者には並外れた巨体を持つ奴もいるけど」


「以前あたし達を襲った鎧武者みたいな人ね? そう言う事なんだ」


「そう。この能力は他にも使い道があって、暴食の契約者、明治我夢は歯や食道、消化器官などをこの能力で強化することで、金属すら食べられる身体を持つに至ってるんだ」


「――そう言えば、暴食の傘下契約者にもそれっぽいのが居たわね」


「早い話、特異体質を造り出す能力でもあるからね。ただ、異常発達させて身体機能と念動力、あるいは超感覚を組み合わせるタイプの戦闘もあるから、気をつける様に」


「はーい」


「そしてこれらは、ブレイカーに最初から登録されてるメイン能力と、後付けのサブ能力があります。そして契約者は、能力と能力を組み合わせた独自の能力を造り上げることが可能です」


「これは、主にウチの金属操作と、光一の兄さんの“元素操作”が主な例だね」


「これらはオリジナル能力で、基本は上記の念動力と超感覚、そして身体強化のいずれかの能力を組み合わせて使う物なんだよ」


「うん。ウチの金属操作は、金属限定での念動力サイコキネシスと、金属を通じての透視クレヤボヤンス接触感応サイコメトリーもやってる。ちなみに能力は、制限をつけるとより強くなるよ」


「うん。俺の元素操作も、物質の構成解析のための接触感応サイコメトリーと、構成に干渉する念動力っていう風に、組み合わせて使ってるんだ。ただ、俺は念動力の方は制限かけてないけどね」


「へえっ」


「あと、それらの能力は当然ブレイカーの演算機能を分割して機能する仕組みだから、能力を増やせば1つ1つの能力の質も精度も落ちることを踏まえて、能力を設定する必要がある」


「そう言う意味じゃ、宇佐美ちゃんは現在能力の威力じゃ契約者1なんだよね」

「――威力をとるか、汎用性をとるか、かあ」


「後は、こちらの世界では“瞬間移動テレポート”は高度な力で、その持ち主が少ない事が挙げられます」


「憤怒に“瞬間移動能力者テレポーター”が居ないのは、そう言う事なのね」


「育てようと思っても、扱いが難しい上に系譜クラスじゃなきゃ瞬間移動として、機能しないし、演算領域もバカみたいに使うからな。量産型だと空間を捻じ曲げる程度だから、主に防壁担当だし」


「――そうなんだ」


「ただ、使いこなせばすごいがな。傲慢の空間破壊と正義の絶対干渉、嫉妬んとこのミスタ・バンデージの、包帯遊戯といった風にね」


「色々と奥が深いわね」


「――えーっとあとは、媒介について」


「媒介って、誠実の凪さんのタロットの様な物?」


「そう、契約者の中にはタロットを媒介とした予知能力、酒を使っての身体強化っていうふうに、特定の物を使用することで発動するタイプの能力もあるし、逆に物に自身の能力を付随する事も可能で、炎剣等も作る事が可能だ」


「ユウはやらないの?」


「自分が作った刀だからやらないらしい。まあこんなところか」

「「ではでは、ありがとうございました~♪」」


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