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大罪と美徳  作者: 秋雨
第1章 物語の始まり、動乱の幕開け
1/130

プロローグ 改稿済

第三次世界大戦


多くの命を奪い、多くの建物を壊し――

兵器が空を飛び、陸をかけ、海を往き、多くの悲劇と傷跡を残すだろう戦い。

それは突如として、終結を迎えた。


――この先の時代の中心となる力。

その頂点の力を得た、14人の子供たちによって。





カーン! カーン!


金属と金属がぶつかり合う音が響く、町から離れた場所にある工房。

そこで、1人の老人に監視されながらハンマーを手に、鋳造を行う1人の少年。


鋳造が終わり、少年は老人に目を向けると……


「まだまだ及第点も与えられんの」

「うえっ……そりゃ確かに、高級料亭の料理人から注文が来るじいちゃんには」

「文句言うな、まだまだ尻の青いひよっこが」

「はぁ~っ……」

「だが成長の兆しは十分見えておる。裕樹よ、これからも精進するのじゃぞ」

「……へ~い」


少年、朝霧裕樹はため息をつき、頭に巻いていたタオルを外し工房の外へ。


「ん~……」


軽く伸びをしつつ、先ほど外したタオルで身体を拭き始める。


彼の家系は、代々続く刀鍛冶。

その技術を使い、包丁の発注を受け持ち、生計を立てている。


主な顧客は高級料亭や、旅館などの料理人であり、それなりに食える生活は遅れていた。


「うっすユウ、後継ぎは大変だねえ」

「よう光一。そうだな、まだまだ及第点ももらえてない」

「ご苦労さん」


そこへ友人の久遠光一が、飲料入りのペットボトルをひょいっと投げ、裕樹が受け取る。

くいっと飲むのをみた光一が、懐からチケットを取り出す。


「あっ、それって……」

「そっ、裕香ちゃんが欲しがってたライブのチケット」

「手に入ったのか? すまないな、手間かけて」

「ほかならぬボスの頼みだ、良いってことよ」

「やらんからな?」

「じゃあな」

「待て待て待て待て、すまん冗談だ」

「裕香ちゃんはまだ8歳だろうに。冗談でもやめろ」


軽い談笑をして、ふと光一が周囲を見回し……表情を引き締め。


「……あの事だけど、やっぱり気付かれたらしい」

「! ……確かか光一?」

「ああっ……おそらく、他の“大罪”や“美徳”でも同様のはずだ。どうする?」

「決まってんだろ」

「……わかった。さて……留守番誰に任せよう?」

「……すまんな」




――所変わって


「あゆみちゃーん、つぎのひどりきまりましたよー」

「本当ですか?」

「あははー。私達もすごくなってきたねー」

「さやかさんもみやちゃんも、頑張りましたから」

「歩美ちゃんも、だよ。それじゃ、早速リハーサルに……あれ?」



「……兄さん」

「あっ、いたいた。あの、宇佐美さん」

「ん? どうしたの、歩美ちゃん?」

「ライブの日取りが決まりましたから、その報告です」

「そう……ありがとう」


頭を下げて、ふと少女――一条宇佐美は、ペンダントをそっとしまう.


「……それじゃ、がんばらないとね」


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